「ゴミ屋敷を片付けようとしても拒否される」
「ゴミ屋敷に住む家族の様子がおかしい」
あなたのご家族やご友人などについて、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
周囲の人にまで迷惑をかけるほどのゴミ屋敷にしてしまうのには、心や脳の病気が関係しているかもしれません。
ゴミ屋敷ではかなりの悪臭や害虫が発生しており、まともに住める状態ではないことが多いです。
しかしそんな環境でもゴミを捨てない人の心には、病気や精神疾患などのトラブルがあると考えられるでしょう。
もしゴミ屋敷に住んでいる人が、単に片付けができないというレベルを超えている場合、この記事で解説する病気に当てはまるかもしれません。
この記事では、ゴミ屋敷に関連する病気や発達障害について解説していきます。
ゴミ屋敷の原因を知って、元の生活を取り戻しましょう。
すでにゴミ屋敷に住まれている方へ
ゴミ屋敷になってしまったのは、心の病気が原因かもしれません。
この病気と上手に付き合うにはすごく時間がかかるケースもあります。
その間にもゴミ屋敷に住み続けることで、肺や皮膚に悪影響がでるなど、『体の病気』にかかることも考えられます。
すでにゴミ屋敷になってしまった場合は、ブルークリーンに相談ください。
お掃除だけではなく、元の生活を取り戻すためのサポートもさせて頂きます。
1.ゴミ屋敷や汚部屋に関わる病気
ゴミ屋敷ができてしまうのは、全て本人の責任とは言えません。
精神的な病などを抱えている場合、片付けができなくなる可能性があります。
例えば、ゴミ屋敷の原因となる可能性のある病気は以下の通りです。
- うつ病
- 統合失調症
- 認知症
- 強迫性障害
- セルフネグレクト
- ためこみ症
ゴミ屋敷につながってしまいやすい理由をそれぞれ見ていきましょう。
ゴミ屋敷になる原因は主に7つの理由があります。
以下の記事ではゴミ屋敷の原因やゴミ屋敷を放置することによる命やお金のリスクなどを解説しているので、併せてご確認ください。
病気1.うつ病
いつも物事をネガティブに捉えてしまい、生きる気力を失ってしまうといわれるうつ病。
うつ病となると、生活に関する能力や意欲が低下するため、セルフ・ネグレクト(後述)と呼ばれる状態になる恐れがあります。(※1)
例えば、部屋の片付けができない、身だしなみが綺麗にできないなどです。
症状にもよりますが、家族が同居していれば、ゴミを代わりに捨てればゴミ屋敷化は防げる可能性があります。
しかし、一人暮らしの場合は誰もゴミを片付けられず、空箱だらけのゴミ屋敷ができてしまうこともあるのです。
うつ病によるセルフ・ネグレクトは、意外に身近にあるかもしれないので、客観的な視点でゴミ屋敷の原因を捉えてみると良いかもしれません。
病気2.統合失調症
統合失調症には、ゴミやものを溜め込んでしまい、ゴミを片付ける能力が低下する症状が現れることもあります。(※2)
統合失調症の症状は人によって大きく異なり、全員がゴミ屋敷を作るとは言えません。
しかし、生活を支える家族が近くにいない、持病が悪化することで生活スキルが低下するなど、統合失調症もゴミ屋敷のきっかけとなる要素はあります。
病気3.認知症
認知症は、物事を判断する力(失認)が大きく落ちてしまう症状があります。
こうした失認には、対象を正しく認知・認識できないことが例としてあげられています。
そのため、ゴミをゴミだと認識できない、ゴミ出しの日を忘れるなどによりゴミ屋敷化するケースが考えられます。
実際に、ゴミが捨てられず問題となっている事例もあり、認知症とは切り離せない問題ともいえるでしょう。
病気4.強迫性障害
強迫性障害とは、自分の意志に反して特定のイメージや行動を繰り返してしまう病気のことです。
強迫性障害の1つには、強迫的ホーディング(ためこみ症)が含まれ、収集癖が見られることが報告されています。(※3)
生活空間に物を繰り返し集めて捨てることや手放すことが困難であるケースが多く、ゴミをゴミ箱に捨てられないなどの行為が積み重なってゴミ屋敷を作ってしまうことも。(※4)
ゴミ屋敷を意識的に作ろうとしているわけではありませんが、強迫性障害も1つの原因と考えることができるでしょう。
病気5.セルフネグレクト
セルフネグレクトとは、本人自身の基本ニーズ(衛生面、服飾面、食事など)を顧みない行為のこと。(※5)
具体的には、食事を取ったり、お風呂に入ったりするのはもちろん、片付けることもできなくなるという可能性もあるのです。
セルフネグレクトは、前述した認知症やためこみ症、統合失調症・うつ病などを含む精神障害やパーソナリティ障害が原因として考えられています。
不衛生な住環境になるという要素があり、ゴミ屋敷化するきっかけとなり得るわけです。
病気6.ためこみ症
ためこみ症は強迫的ホーディングとも言われ、大量の物を生活域に集めておかないと気が済まなくなる症状があります。
ためこみ症になると、ものを捨てることを極端に嫌がる傾向がありますので、結果的に気がついたらゴミ屋敷となっていたということがあり得ます。
精神障害や強迫性障害の1つとして考えられ、ゴミ屋敷となる病気としても捉えられるでしょう。
病気の内容にもよりますが、年齢や環境が変わっていくことでこうした病気になり、今までの性格が変わる人は少なくありません。
病気が原因で片付けができないのは本人の責任とは言えないので、「こんなにゴミを置いておかしいんじゃない」と本人を責めないようにしましょう。
※ためこみ症について詳しくは、『ためこみ症が片付けられない原因?症状と治療方法、相談先を丁寧に解説』をご覧ください。
2.発達障害が原因でゴミ屋敷になることも
ここまで、ゴミ屋敷になりやすい病気についてお話してきました。
ですが、中には精神的な病だけではなく、以下のような発達障害の症状が関わっていることもあります。
- ADHD
- 自閉スペクトラム症
ここからは、それぞれの症状とゴミ屋敷との関係について解説していくので、ぜひチェックしてください。
(1)ADHD
ADHDは、多動性、衝動性、不注意などの症状を伴う発達障害の1つです。(※6)
研究により、発達障害に含まれるADHDにためこみ症が合併する可能性があることがわかり、気付かぬうちにゴミ屋敷となっているケースがあるそうです。(※7)
部屋が汚い、ゴミ屋敷であるという判断は個人によって違います。
そのため、少し散らかっているという状態でも、家へ足を運ぶとゴミ屋敷状態だったということも十分に考えられるでしょう。
(2)自閉スペクトラム症
自閉スペクトラム症とは、アスペルガー症候群、自閉症などを含む発達障害です。(※8)
発達障害には、ためこみ症(癖)が合併する可能性があることはADHDの項目でお話しました。
また、自閉スペクトラム症は、愛着とこだわりを持つ傾向があり、不要なものを判断できないことも懸念されています。(※2)
こうした背景により、ゴミ屋敷を作ってしまう可能性があるのです。
次は、ゴミ屋敷の原因となる病気を治す方法、家族としてできることなどを解説していきます。
【関連記事】ASDで掃除が苦手な場合どうすればいいの?おすすめの掃除方法を解説
3.ゴミ屋敷を作ってしまう人の性格とは
ゴミ屋敷や汚部屋になってしまうのは、心のトラブル以外にも性格が原因となっていることも。
具体的には、次のような人はゴミ屋敷を作りやすい性格と言えます。
それぞれ、見ていきましょう。
性格1.ゴミを捨てるのがもったいない
もったいなさからゴミを捨てられない人は、不要な物を捨てられずにゴミ屋敷になってしまうことが多いです。
例えば、幼い頃に貧しい生活だった人が、物はできるだけ捨てずに使い続けているとしましょう。
その考え方が大人になってからも変わらず、物が十分にあるのに捨てられない状態になるケースがあるのです。
また、女性は物への執着が強い傾向にあります。
このような「過度なもったいない精神を持っている人」は、自覚したままゴミ屋敷を作っていません。
持ち物を上手く活用したり、保管する方法を提案できれば、片付けが一気に進む可能性があります。
性格2.新しいものを買ってくるのが好き
買い物が趣味で、不要なものを捨てても新しく買ってきてしまうという人がいます。
家の収納が豊富でも、許容量を超えるほど物を買ってしまうと、ゴミ屋敷化は進んでしまうでしょう。
例えば、収入に余裕があり頻繁に買い物ができる人は、買い物が原因でゴミ屋敷を作りやすいです。
中には、買い物依存症になってしまい、買い物をしないと落ち着かないという人も…。
特に買い物依存症は女性がなりやすい傾向にあります。
厚生労働省によると、依存症というものは、脳のドーパミンと呼ばれる快楽物質と、ドーパミンが分泌される行動が繰り返されることによりコントロールできなくなる病気です。(※9)
つまり、買い物によってドーパミンが分泌し、それによって集まった物でゴミ屋敷化しているケースも考えられるでしょう。
性格3.孤独感をもので埋めている
孤独感が強まると、不安や焦りからもので寂しさを埋めようとする気持ちが働きます。
厚生労働省の資料によると、孤独な気持ちが大きくなると、人は「別のものや行動」で満足感を得ようとして、依存症のきっかけを作ってしまうのです。(※9)
例えば、一人暮らしの人や、家族と友人との交流が少ない人は、孤独感を高めてしまう可能性が高いと言えるでしょう。
また、両親や親しい友人との死別など、大きな喪失感を経験した人が、これ以上何も失いたくないという気持ちがきっかけで依存症となり、ゴミを溜めるケースが考えられます。
性格4.ストレスが強くて片付ける気力が無い
強いストレスを受けたことによる心理の変化が原因で、ゴミ屋敷を作ってしまう場合があります。
身の回りのことに一切興味を持てなくなってしまうことを、セルフ・ネグレクトと呼びます。
もし、そのような状態が続き、部屋がゴミ屋敷化してしまった場合は、セルフ・ネグレクトの可能性があるでしょう。
ストレスにより調子を崩してしまったことで、ゴミ屋敷を作ってしまうこともあるのです。
性格5.汚いものを触るのが嫌
片付けが苦手な人は、どれだけ家が汚れていようと放置してしまいます。
具体的には、以下のような人は片付けに苦手意識を持っている場合が多いです。
- 汚いものを触りたくない
- 掃除ができない
- 整理整頓が苦痛である
一人暮らしですと、自分の代わりに掃除をしてくれる人はいないので、ゴミがどんどん溜まってしまうでしょう。
そして、溜まったゴミを見て掃除をするやる気を失い、さらにゴミを放置することを繰り返した結果、ゴミ屋敷が出来上がってしまうのです。
「とにかく片付けが嫌だ!」という人は、家族や友人と相談して、清掃業者に依頼することも考えましょう。
性格6.人の手を借りたくない
人の手を借りたくないというタイプの人が、周りの人に頼れずゴミ屋敷を作ってしまう場合もあります。
例えば、以下のようなことはないでしょうか。
- 人の手をわずらわせるのは悪いことだと考える
- 全て自分でやらなければ申し訳ないと考える
このような考えにより、自分で解決できない状態であっても、そのままゴミを溜め続けてしまうのです。
そのような方でも、時間と体力さえあれば自分で掃除ができるでしょう。
しかし、仕事などで時間がとれない場合、ゴミが溜まり続けてしまい、ゴミ屋敷になってしまったというケースもあります。
人の手を借りることに罪悪感がある人は、自身の現状を把握して、業者に清掃を依頼するなどの行動をとる必要があるでしょう。
※ゴミ屋敷になってしまう人の心理については、『ゴミ屋敷住民の心理はどうなっている?片付けられない理由と対処法を解説』の記事でも詳しく解説しています。
4.ゴミ屋敷に関する病気を治療するには
ゴミ屋敷に何か病気が関連してそうだと感じている場合、まずは医療機関を受診することが大切です。
精神科、心療内科の先生の話を聞くことで、どのように対処すれば良いかわかる可能性があります。
多くの精神科、心療内科では病院に来るのが難しい人向けに、家族が代理で受診することも可能です。
もし病気だとわかった場合は、医師の指導のもとカウンセリングや薬物療法、認知行動療法などで病気を治療していくことになります。
【参考】ゴミ屋敷を起こす病気の治療に関して自分でできること
ゴミ屋敷化した家に住む家族の生活をなるべく見守ることで、状況が改善することも少なくありません。
家族が病気の場合はなるべく家を訪問して話すことで、「周りの人はあなたを見守っている」という気持ちを伝えることが可能です。
もちろん接し方については専門の医師のアドバイスが必要ですが、孤独死などを防ぐためにもなるべく関わりを持ちましょう。
また、家族がゴミ屋敷清掃に前向きになってくれたら、専門の清掃業者に依頼してゴミ屋敷を片付けることもできます。
自分で掃除をするのは大変なので、早めに清掃業者について調べておきましょう。
5.ゴミ屋敷での生活は体の病気にもつながる
ゴミ屋敷に住むことで、結果的に引き起こされる身体上の病気もあります。
例えば、不衛生な空間で長年暮らした結果、肺の病気や皮膚の病気にかかる可能性は捨てきれませんよね。
また、害虫が発生していると、気分を悪くするということもあり得ます。
食品にカビや細菌が付着していれば、お腹の調子を悪くしてしまうこともあるでしょう。
さらに、ゴミが散乱して足の踏み場のない状況では、足をひっかけ転倒事故も多くなるため、高齢者にとっては危険な状態です。
以下の記事では、ゴミ屋敷のレベルに応じた片付け方法と対処方法も解説しています。
是非チェックして、自分の家がゴミ屋敷ではないか客観的に見てみるのも良いでしょう。
6.ゴミ屋敷の片付けならブルークリーンに相談を
「部屋を綺麗にして元の生活を取り戻したい!」とお考えの方は、ぜひブルークリーンに一度お問い合わせを下さい。
ブルークリーンはこれまで、大掛かりなゴミ屋敷の掃除から簡単なハウスクリーニングまで、幅広く掃除をしてきました。
「簡単なところは自分で掃除するから、ゴミが多いところだけ片付けてほしい」といったご要望にも対応しています。
もちろん、相談や見積もりは無料です。依頼するのに迷っている方も、相談のお電話だけでも構いません。
「できる限り早く部屋を片付けたい!」といった方にも応えられるよう、即日対応も心がけています。
実際に、ブルークリーンを通してゴミ屋敷を片付けた方の事例はこちらです。
間取り | 1K |
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作業時間 | 8時間 |
作業人数 | 6名 |
作業費用 | 330,000円 |
作業内容 | 強烈な生ゴミ臭が発生した1人暮らしのゴミ屋敷、実際の作業内容と流れを解説 |
こちらは、大量の生ゴミと害虫が発生しているお部屋です。
玄関からリビングへ進むにつれてゴミの標高が高くなっていたので、安全を確保しながら慎重に現地調査を行いました。
山のように積み上がったゴミの仕分けを繰り返す中でも、貴重品や家財道具を残す必要がありましたが、無事に完工致しました。
このように、人が生活できるとは思えないレベルでゴミがあっても、ブルークリーンであればスムーズに対応可能です。
自分だけで片付けることが難しければ、ぜひご相談ください。
まとめ
ゴミ屋敷ができてしまう原因は、住んでいる人の性格の他にも病気が影響しているケースも多いです。
一人暮らしの場合、家族のサポートが受けられずゴミ屋敷がどんどん悪化していく可能性もあります。
そのため、異変を感じたらまずは医療機関など専門の窓口に相談して病気への対処法を聞いてみましょう。
そして本人がゴミ屋敷を片付けることに前向きな気持ちになったら、専門業者に頼み家を掃除してもらうことが大切です。
ゴミ屋敷に関連する病気についてよくある質問のまとめ
最後に、ゴミ屋敷に関連する病気に関してよくある質問をまとめました。
Q1.ゴミ屋敷や汚部屋に関わる病気には何がある?
うつ病・統合失調症・認知症・強迫性障害・セルフネグレクト・ためこみ症などがあります。
Q2.ゴミ屋敷を作ってしまう人の性格には共通点がある?
ゴミを捨てるのがもったいないと感じていたり、孤独感を物で解消している、ストレスが強くて片付ける気力が無いなどの共通点があります
Q3.ゴミ屋敷に関する病気を治療する方法はある?
まずは医療機関を受診することが大切です。
もし病気だとわかった場合は、医師の指導のもとカウンセリングや薬物療法、認知行動療法などで病気を治療していくことになります。
Q4.ゴミを捨てられない人や分別出来ない人は病気ですか?
ゴミを捨てられない人や分別できない人が病気といえる場合があります。
その理由は、ゴミが捨てられない、分別出来ないという症状は強迫性障害やためこみ症(ゴミ屋敷症候群)、ADHDなどの精神疾患の一部として認識されているためです。
たとえば、強迫性障害は、不要なものがなかなか捨てられない「ため込み型」という症状があります。
これは、ゴミや不用品を捨てられない人の症状と一致します。
Q5.不潔な人に共通する病気はある?
不潔な生活を続ける人に共通する疾患は、実際にはいくつか存在します。
その主な理由は、清潔な環境を維持することに対する意識や能力が、何らかの精神疾患によって低下することがあるからです。
例えば、統合失調症の患者は、自身の衛生状態に無頓着になることがあります。
そのため、自分自身や生活環境の清潔さを保つことが困難になることがあります。
また、うつ病の患者は、無気力や興味喪失の症状により、日常の生活習慣を維持するエネルギーを失うことがあるため、清潔な生活を送ることが難しくなることがあります。
Q6.家がゴミ屋敷になるのは精神疾患が原因?
家がゴミ屋敷になる理由として、精神疾患が一つの大きな要因であると言えます。
精神疾患により日常生活の一部である片付けや清掃活動に対する認識や能力が低下することがあるからです。
たとえば、ためこみ症の人は、不必要な物を捨てることができず、結果として物が溜まり、家がゴミ屋敷になります。
また、強迫性障害の人は、ある特定の思考や行動(強迫思考や強迫行動)を止めることができず、その結果、日常生活が困難になり、清掃活動がおろそかになることがあります。
Q7.掃除ができず部屋を片付けられないのは脳の病気が影響している?
掃除ができず、部屋を片付けられない原因として、脳の病気が影響している可能性があります。
これは主にアルツハイマー病による認知機能の低下や、精神的な問題が原因です。
例えば、認知症の進行により、部屋をきれいに保つための一連の行動を理解したり、計画したり、実行したりする能力が低下します。
また、統合失調症やうつ病のような精神疾患も、人々が自分の生活環境を管理する能力を損なうことがあります。