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ためこみ症が片付けられない原因?症状と治療方法、相談先を丁寧に解説
カテゴリー:ゴミ屋敷
「家族がゴミを捨ててくれない」
「どう説得しても片付けに応じてくれない」
片付けを拒否され、どうやって汚部屋やゴミ屋敷を整理すればよいか悩んでいる人は少なくないでしょう。
汚部屋やゴミ屋敷に住む人がどうやって説得してもゴミを手放さない…、もしかするとそれはためこみ症かもしれません。
この記事では、ためこみ症の症状やリスク、治療法について解説していきます。
ためこみ症について理解し、その人に適した方法で清潔な部屋を取り戻しましょう。
1.生活に支障をきたす「ためこみ症」とは
ためこみ症とは、持ち物を捨てることができなくなり、ものを溜め込んでしまう精神的な病気の一種です。
誤解されやすい点ですが、ためこみ症の人は自分の趣味のものだけを秩序に沿って集める収集家とは異なります。
収集家(コレクター)は特定のものだけを自分のルールに沿って集めますが、ためこみ症の人はどんなものも無秩序に集めてしまいます。
その結果、ものが捨てられなくなりゴミ屋敷の原因になってしまうのです。
現在、程度には個人差がありますが人口の約2~6%がためこみ症だと言われています。
ためこみ症の多くは青年期に始まり、適切な治療がなければ年齢とともに悪化することも少なくありません。
また、適切な治療を受けない限り、症状は一生涯続くとされているため病院での受診が必要不可欠です。
2.ためこみ症の人の具体的な症状
ためこみ症という病気はまだ一般的には知られていません。
そのため、具体的にどんな症状がためこみ症に該当するのか分からないという人も多いでしょう。
もし、以下のような症状があれば、ためこみ症を疑う必要があります。
汚部屋やゴミ屋敷の問題を病気という観点から考えてみてください。
- ものを捨てることが大きな苦痛になる
- ものへの執着心を制御できない
- 家がもので溢れている
それぞれの症状を詳しく確認しましょう。
症状1.ものを捨てることが大きな苦痛になる
ためこみ症の人は、ものを捨てることが非常に大きな苦痛になります。
それは、ものを手放すことを考えるだけで強い不安感を感じることが多く、進んで片付けようという気持ちになりにくいからです。
ためこみ症の人はどれだけ価値が無いと思えるものであっても、ものを取っておかなければいけない、という意識に囚われています。
そのため、明らかなゴミであっても、ものを勝手に捨てられることに対して警戒心を抱きがちです。
ためこみ症の人と話す時は、「ものを捨てるのが辛いんだ」ということを理解しておきましょう。
症状2.ものへの執着心を制御できない
ためこみ症の人は、実際のものの価値に関わらず、どうしてもものに強い執着心を持ってしまいます。
弁当の空き箱や使い古した服、汚れたコップなどに執着することもあり、他の人から「それはゴミだよ」と指摘されても納得しません。
なぜなら、ためこみ症の人は、価値のあるものを保存しておくことではなく、ものを溜めておくことを目的としているからです。
もの自体への執着が抜けない限り、不要なものを捨ててほしいと言っても、ためこみ症の人は拒否するでしょう。
症状3.家がもので溢れている
ためこみ症と診断される人の大きな特徴として、貯めたものが無秩序に散らばり生活に支障が出ていることが挙げられます。
軽度のためこみ症であれば、家のスペースが狭まることもなく通常の生活が可能です。
しかし、中度、重度になってくると溜め込んだもので部屋がいっぱいになり、キッチンや寝室などが使えなくなるケースもあります。
ものが溢れているせいで生活スペースが狭まり、部屋を正しく使えていないという人は、ためこみ症と診断される可能性が高いです。
以上が、ためこみ症の具体的な症状でした。
ためこみ症の症状は、一見すると他の人からわかりにくいケースもあります。
しかし、ものを捨てるのを極端に嫌がる、片付けを拒否するという場合は、ためこみ症の疑いを持っておいた方が良いでしょう。
次は、ためこみ症を放置するリスクについて解説していきます。
自分の家族や友人にためこみ症の疑いがある人は、リスクをしっかり把握して今後の対応を考えていきましょう。
3.ためこみ症を放置するリスクとは?
ためこみ症は、自然に治癒する病気ではありません。
そのため放置していれば、さらに病気の症状が悪化し部屋が到底片付けられない状態になるでしょう。
ためこみ症の治療に早く踏み切らない場合、以下のようなリスクがあります。
- ゴミ屋敷になる恐れがある
- 生活が困難になる恐れがある
- 周囲からさらに孤立してしまう
リスクを一つずつ確認し、ためこみ症の治療について考えていきましょう。
リスク1.ゴミ屋敷になる恐れがある
ためこみ症がこのまま続けば、家にあるものはさらに増え、最終的にはゴミ屋敷と化してしまいます。
ゴミ屋敷で生活していると火災や食中毒のリスクが上がり、身体にも心にも悪影響が出るケースが多いです。
清潔な部屋を保つには、毎日不要なものを捨てる必要がありますが、ためこみ症の方はものを捨てることができません。
ものを捨てられないまま時間が経てば、悪臭や害虫などが発生し健康被害が出る可能性もあるでしょう。
リスク2.生活が困難になる恐れがある
ためこみ症が悪化し、家がゴミ屋敷になると普通の生活をすることが困難になります。
家の中を移動するにも必ずゴミを踏まなければいけなくなり、キッチンやリビングもまともに使うことができません。
また、家の中にゴミが大量にあると火災のリスクも上がります。
一度の火の不始末で火がゴミに燃えひろがり、最悪命を失う可能性もあります。
健康や命の面から考えて、ためこみ症の放置は危険です。
リスク3.周囲からさらに孤立してしまう
ものを溜め込み、悪臭や害虫などで周辺の人に悪影響を及ぼすようになればさらに孤立してしまいます。
ためこみ症の人は部屋が汚れがちで来客を呼べる状態ではありません。
そのため、頻繁に家に遊びに来てくれる友人や家族が少なく、孤立しやすい状況です。
そしてこのままためこみ症が悪化すれば、家はさらに荒れてしまい誰も家に来ることができなくなります。
さらに、ゴミやものを家の外に置くことで周辺住民に迷惑をかけている場合、交流を持てる人は少なくなるでしょう。
孤独感がさらにためこみを加速させるケースもあるので、周囲から孤立する前に病気に対処する必要があります。
ためこみ症は、もともとの性格だからと放置しておくと非常に高リスクです。
ものへの異常な執着が見られる場合、速やかに治療する必要があるでしょう。
次は、ためこみ症の具体的な治療方法を解説するので、ぜひチェックしてください。
4.ためこみ症を治療するには?
ためこみ症を治療するには、専門の医師による適切な治療が必要です。
治療の期間は人によってかなり異なりますが、治療の効果がうまく出れば数ヶ月で改善が見られることもあります。
ためこみ症の代表的な治療方法は、以下の通りです。
- 特定の抗うつ薬
- 認知行動療法
健康的な生活を手に入れるため、少しでも早い治療を行いましょう。
治療法1.特定の抗うつ薬
ためこみ症に対しては、抗うつ薬の一種に一定の効果があるとされています。
具体的な薬の内容については、症状に合わせて医師が判断してくれるはずです。
なので、無理に詳しく調べておく必要はありません。
ある種類の抗うつ薬で効果が出ない場合、飲む薬を変えたり、分量を変えるケースもあります。
しかし、薬の量や飲み方に関しても、医師の判断を仰ぎましょう。
ほとんどの抗うつ薬は、病気の再発を予防するため最低でも半年〜1年間飲み続けることになります。
順調に治療が進むケースでも、薬による治療は長期戦になると考えておいたほうが良いでしょう。
治療法2.認知行動療法
ためこみ症の症状によっては、認知行動療法が効果的なケースもあります。
認知行動療法とは、気持ちが大きく揺らいだ時に考えていることと、現実がどのように食い違っているか知ることで思考のバランスを取る治療法です。
例えば、ためこみ症の人の場合、ものを捨てた時の精神状態を知り改善を狙う手法が取られることが多くあります。
認知行動療法については、医師が症状に合わせ、個別に治療方法を考えていくのが一般的です。
治療期間についても個人で大きく違うので、まずは認知行動療法による治療について、医師に聞いてみるのが良いでしょう。
5.ためこみ症について相談できる場所
ためこみ症については、精神科や心療内科で相談しましょう。
ためこみ症の症状や、部屋の状況は一人ひとり違います。
現状を医師にしっかりと話し、症状にあった治療方法を一緒に探していくことが必要です。
診察は、ためこみ症の疑いがある本人が行くのが良いでしょう。
しかし、本人が精神科に行くのが難しい場合、家族が受診することも可能です。
汚部屋、ゴミ屋敷に住む家族の様子に思い当たる点が多い場合は、相談に行ってください。
6.部屋の片付けが困難な時は業者にも相談を
ためこみ症の症状が収まってきたら、家の片付けについても考えていきましょう。
ためこみ症と診断される人の多くは、生活スペースに支障が出るほどものを溜め込んでしまっています。
そのため、健康的な生活を取り戻すためには、病気の治療以外に片付けが必要となるのです。
しかし、ゴミの量が多いと片付けにかなり時間がかかる上、不用品の処分について一から確認するのも大変です。
全部親族と本人だけで片付けようと無理をするのではなく、汚部屋、ゴミ屋敷の清掃を行う業者を頼りましょう。
関東圏で不用品の片付けをしたい人は、ブルークリーンを検討してみてください。
ブルークリーンはゴミの搬出、部屋の清掃だけでなく部屋のお片付けも行っています。
まだ使える不用品なら買取の上、見積額から値引きできるので片付けにかける値段を抑えることも可能です。
受付は電話の他、メールやLINEで24時間365日受け付けています。
どうやって片付けを進めようかお悩みの人は、相談してみると良いでしょう。
まとめ
ためこみ症は、不要なものにまで執着し、ものを捨てることに大きな苦痛を感じる病気です。
自然に治癒するケースは非常に少ないので、まずは精神科、心療内科で医師の話を聞き、適切な治療を行ってください。
そして、治療によりものへの執着が軽くなった後は、部屋の片付けをして健康的な生活を送れるようにすることが大切です。
汚部屋、ゴミ屋敷の清掃は専門の業者に任せ、ハウスクリーニングも済ませておきましょう。