親族が孤独死したときの遺品整理の方法とは？特殊清掃の手順や費用・事例を紹介

親族が孤独死されたとき、遺品整理をどう進めるべきか悩んでいませんか？

突然の出来事に戸惑い、どこから手をつけていいのかわからないという方も多いはずです。

孤独死が起きた室内には腐敗や汚染によるダメージが広がっているケースが多く、遺品の多くが処分対象になることも珍しくありません。

また、衛生リスクや臭気が残る現場では、適切な判断や専門的な対応が求められます。

本記事では、親族が孤独死された際に必要となる遺品整理の手順、注意点、業者選びのポイントまで詳しく解説します。

万が一に備えて、焦らず冷静に対応できるよう、正しい知識を身につけておきましょう。

１．親族が孤独死したとき、遺品整理は誰が行うのが正解？まず知っておくべきこと

親族が孤独死されたとき、まず気になるのが「遺品整理は誰が行うのか」という点です。

結論から言えば、遺品整理を行うのは相続人です。

これは、法的にも遺品（＝故人の財産や所有物）は相続の対象とみなされるためです。

相続人がいない場合はどうなる？

遺言書で指定された人物がいればその人が相続人となりますが、遺言がない場合は法定相続人が優先されます。

以下が、法定相続人となる人の順位です。

1. 配偶者
2. 子（子がいなければ孫）
3. 父母または祖父母
4. 兄弟姉妹

これらの方々のうち、実際に誰が遺品整理を行うかは話し合いで調整されるケースもあります。

ただし、注意したいのは、遺品整理は法的には“義務”であり、一度引き受けた場合は放棄できないという点です。

身内の突然の死と向き合うだけでも心が疲れるなか、遺品整理の役割を担うのは大きな負担になることも。

だからこそ、信頼できる専門業者の力を借りるという選択肢も現実的です。

【関連記事】遺品整理は誰がやるべき？法的なルールと現場のリアルを徹底解説

２．孤独死があった部屋の遺品はどうなる？多くが処分対象になる理由とは

孤独死が発生した住まいに残された遺品の約80％は、実際には処分対象となっています。

これは、発見までに日数がかかることで、遺体の腐敗や体液の染み出し、強烈な臭気の浸透、微生物の繁殖などが進行し、多くの遺品が衛生的・物理的に再利用できない状態になるためです。

特に布団やマットレス、衣類、カーペット、畳などの吸収性が高い素材（多孔質素材）は、臭気や菌が深部まで入り込むため、表面がきれいに見えても廃棄せざるを得ないケースが大半です。

また、孤独死の現場では空気中の汚染（臭気・有機ガス）だけでなく、床や壁材への浸潤、カビや細菌の発生など、複合的な環境汚染が起こっていることも多くあります。

こうした状態の中で遺品を「残す・処分する」といった判断をするには、専門的な知識と装備が必要です。

見た目だけで判断してしまうと、健康被害や感染症のリスクを招くおそれもあります。

実際、一般の方が防護装備なしで整理を始めたことで、

などが生じた事例も報告されています。

そのため、孤独死に伴う遺品整理は、特殊清掃のノウハウを持つ専門業者に依頼することが望ましいと言えます。

それが、故人への敬意と、遺族自身の心身を守る第一歩となるのです。

３．孤独死後の遺品整理は“特殊清掃ができる業者”を選ぶべき理由

孤独死が発生した現場では、特殊清掃に対応できる業者に遺品整理を依頼することが重要です。

なぜなら、長期間の発見遅れによって、室内には強い腐敗臭や体液の浸透汚染が発生しており、一般的な清掃では安全な作業環境を確保できないケースが多いためです。

特殊清掃とは、通常の清掃では取り除けない臭気や体液汚れ、有害な微生物などを専用の薬剤や機材で処理し、周囲への二次被害を防ぐ作業のことを指します。

これを適切に行わずに遺品整理を始めてしまうと、異臭や汚染によって家屋に入ることさえ困難になるほか、作業者の健康リスクも高まります。

このような背景から、遺品整理と特殊清掃の両方に対応できる専門業者を選ぶべき理由は、以下の通りです。

順番に確認していきましょう。

理由１．腐敗臭が酷く近隣に迷惑がかかる

孤独死が発生した現場では、遺体の腐敗により強烈な臭気（腐敗臭）が室内に充満し、発見のきっかけとなることも少なくありません。

この腐敗臭はドアや換気口、窓の隙間から外部に漏れると、近隣住民への深刻な迷惑につながる恐れがあります。

また、腐敗臭は通常の清掃では除去が難しく、市販の消臭剤や簡易な拭き掃除では対応できないレベルにまで達していることがほとんどです。

そのため、消臭には特殊なオゾン機器や薬剤、封じ込め処理などを行う“特殊清掃”の技術が必要不可欠です。

実際、腐敗臭の処理が不十分なまま換気を行うと、近隣住民から苦情が寄せられたり、管理会社や大家とのトラブルに発展する事例もあります。

まずは専門業者による消臭・除菌を早急に実施し、室内を安全に作業できる状態に整えることが最優先です。

これは次に説明する「専門的な清掃対応」や「コスト管理」にも直結します。

理由２．素人では清掃できないことが多い

孤独死の現場では、見た目以上に深刻な汚染や衛生リスクが潜んでおり、一般の方が対応するのは極めて困難です。

通常のハウスクリーニングはあくまで「汚れの表面を整える作業」が中心であり、体液の浸透・血液の固着・害虫の発生といった“生物災害レベル”の処理には対応できません。

例えば、フローリングの隙間や畳の裏側に染み込んだ体液、クロス内部に広がった細菌やカビ、発生したウジ虫やゴキブリなどの害虫は、専用の薬剤・道具・防護装備がなければ安全に除去できないのが実情です。

さらに、これらを不適切に扱うと、感染症や悪臭の再発、建材の二次被害（腐食・膨張）を引き起こすおそれもあります。

特殊清掃の現場では、状況に応じて薬剤の希釈率・使用手順・安全区域の設定など、プロならではの判断と技術が不可欠です。

専門業者は、こうした環境でも汚染状況を的確に見極め、安全・確実な清掃を実施する体制が整っています。

理由３．特殊清掃と遺品整理を別で頼むと費用がかさむ

孤独死の現場では、特殊清掃と遺品整理の両方が必要不可欠な対応となります。

しかし、それぞれを別の業者に依頼すると、作業の重複や調整の手間により、結果的に費用が大幅に膨らむ可能性があります。

たとえば、特殊清掃の作業中に遺品整理を進めたい場合、別業者が入っていると作業スペースや動線の調整が必要になり、清掃スタッフの手が止まる時間が発生します。

その間も清掃業者の稼働時間は継続して請求されるため、無駄なコストが発生してしまうのです。

さらに、作業員が入れ替わることで工程管理が複雑になり、

などのリスクも生じやすくなります。

一方、特殊清掃と遺品整理を一括対応できる業者であれば、作業の流れや役割分担が最初から設計されているため、効率的かつコストを抑えた対応が可能です。

時間的なロスや手戻りを防げるだけでなく、心理的な負担も最小限に抑えられるでしょう。

このように、費用面・作業効率・安心感のすべての面で、両方の作業に対応できる業者を選ぶことが合理的です。

【関連記事】特殊清掃とは？現場事例・費用・最適な業者選びのポイント【2025年最新】

４．親族の孤独死が発覚してから遺品整理までの流れ｜初動から原状回復までの手順

孤独死が発覚してから特殊清掃をし、遺品整理を行うまでの流れは以下の通りです。

孤独死が発覚した場合、その多くが特殊清掃を必要とします。

特殊清掃は一般人では難しく、遺品整理と一緒に行うほうが費用を抑えられるため、業者に依頼しましょう。

ここからは、遺品整理までの流れを具体的に解説します。

流れ１．遺品整理もできる特殊清掃業者に連絡

孤独死が発覚したら、遺品整理もできる特殊清掃業者にすぐ連絡しましょう。

特殊清掃と遺品整理は同じ業者に依頼することで、それぞれ別の業者に頼むより費用を抑えられるからです。

また孤独死は時間が経つにつれて体液が漏れ出したり遺体が腐敗したりすることで、ウジ虫が湧いたり悪臭が発生したりします。

そのため、孤独死の現場を見つけたらなるべく早く業者に連絡しましょう。

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流れ２．見積もり

業者に現地調査をしてもらい、見積もりを出してもらいます。

このとき、なるべく2社〜3社から見積もりを出してもらいましょう。

複数社から見積もりをもらうことで、法外な料金を請求されていないかの確認や、料金の交渉ができます。

依頼者が遠方に住んでいてすぐ現地に行けない場合は、業者に鍵を渡して立ち会いなしで現地調査をしてもらうことも可能です。

流れ３．特殊清掃

見積もりで確認した作業内容で問題なければ、契約成立となり打ち合わせした日に特殊清掃が行われます。

特殊清掃は数時間で終了するものもあれば、汚染具合や建物の構造によっては数日間かかるものも。

特殊清掃では主に以下のことが行われます。

• 体液・血液の除去
• 残置物の撤去
• 消毒
• 消臭

依頼者の希望があれば、原状回復をして管理者に引き渡せる状態まで修復やリフォームをする場合もあります。

流れ４．遺品整理

遺品整理は特殊清掃の途中で実施されることもあれば、清掃終了後に行われることもあります。

貴重品と不用品を分類し、何を残すかを依頼者と相談しながら作業を進めます。

また遺品の買い取りも可能な業者なら、金目のものをそのまま買い取ってもらい作業費用から引いてもらうことも可能です。

全ての作業が終了したら費用を支払います。

また、以下の記事では遺品整理の費用について詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてください。

《最新版》遺品整理の費用相場はいくら？料金を抑える5つの方法と業者選びの極意

５．孤独死のあった住まいで遺品整理をする際の注意点とNG対応

身内が孤独死すると「どうすれば良いか分からない」と気が動転するかもしれません。

しかし、以下のような注意点を事前に知っておけば正しく対処することができます。

順番に見ていきましょう。

注意点１．特殊清掃前に部屋に入らない

孤独死のあった現場には、特殊清掃前に入ってはいけません。

なぜなら、死体による強い腐敗臭によって体調を崩す可能性があるからです。

体液や血液などから感染症にかかってしまうこともあります。

また、床材に孤独死した故人の形のまま体液が残っていたり、大量の血液が流れている現場も珍しくありません。

生々しい孤独死の現場を見ると脳裏に焼きついて、今後フラッシュバックに苦しむ原因にもなります。

必ず特殊清掃後に部屋に入るようにしましょう。

注意点２．手袋やマスクを準備する

孤独死の現場で遺品整理をする際、手袋やマスクを準備しましょう。

孤独死の現場に残された家財には、腐敗体液や雑菌が付着しています。

手に雑菌や汚れが付着するのを防ぐために、手袋は欠かせません。

また、腐敗臭や雑菌を吸い込むことを防ぐためにマスクも着用しましょう。

注意点３．勝手に窓を開けたりお風呂を流したりしない

孤独死のあった現場では、勝手に窓を開けたりお風呂を流したりしないよう注意しましょう。

発見時などの特殊清掃前には、現場に腐敗臭が充満しています。

そのため、換気をしようと窓を開けたくなるかもしれません。

しかし、窓を開けてしまうと近隣に強い腐敗臭を流してしまうからです。

「腐敗臭が洗濯物について取れない」

といった苦情を受けたり損害賠償を求められることもあります。

また、お風呂場で孤独死しているケースも、ついお風呂のお湯を流したくなりますが、これもよく有りません。

遺体が現場に残っていなくても、腐った皮膚や髪の毛、骨が残っていることも考えられます。

お風呂を流してしまうと、排水溝が詰まったり水路にしたいの一部を流す原因になることも。

特殊清掃業者の許可なく、窓を開けたりお風呂を流したりしないよう注意しましょう。

注意点４．きれいな状態で遺品を残す

遺品整理をするときは、きれいなものだけを残しましょう。

というのも、孤独死で何日も経過していると現場には細菌が舞っているからです。

細菌が遺品に付着しているケースもあるため、きれいな状態で遺品を残す必要があります。

除菌スプレーを使うなど、細菌を取り払っておきましょう。

また、残したい遺品について業者に残しても良いか確認することも大切です。

物の状態を業者に判断してもらい、難しい場合は処分もやむを得ません。

以上、孤独死の現場で遺品整理をするときの注意点でした。

「業者に頼んだらどんなことをしてくれるの？」

「どれくらいの費用がかかるの？」

と疑問に思う人もいるかもしれません。

次の章で、孤独死の遺品整理と特殊清掃の事例と料金について詳しく見ていきましょう。

関連：[知らないと後悔する？遺品供養とお焚き上げの正しい方法と費用相場を解説]

６．孤独死の遺品整理・特殊清掃の事例と費用目安｜実際にかかる料金とは

孤独死の遺品整理と特殊清掃を依頼するとき、どのような内容でいくら料金がかかるか気になりますよね。

そこで3つの事例をご紹介します。

順番に確認していきましょう。

事例１．東京都練馬区1Rマンション（145,000円）

死体が見つかったのは亡くなってから2週間後という孤独死の現場の事例です。

費用は145,000円かかっています。

生前ヘビースモーカーだったこともあり、ヤニやタバコが腐敗臭と混じって強烈な臭いとなっていました。

原状回復工事は別業者に依頼するため、以下のような作業を行っています。

• 原状回復工事を見据えた腐敗物の除去
• 空間の消毒
• 遺品整理
• クロスとカーペット剥離工事
• 部屋全体の簡易清掃
• オゾン脱臭

腐敗臭を取り除くための作業と遺品整理がメインのため、相場より低い価格で済みました。

事例２．東京都港区2DKマンション（396,000円）

死亡からすぐに発見された孤独死の現場の事例です。

費用は396,000円かかっています。

すぐに発見されたこともあり、体液や血液、臭いもほとんどありませんでした。

現場となった一室は売却するため、消毒脱臭作業と室内清掃、遺品整理が行われました。

特殊清掃の作業自体は少なく済んでいますが、原状復帰するために作業量が増えています。

1日で作業を済ませてもらうことで、費用を抑えることができました。

事例３．東京都豊島区1Kアパート（579,000円）

死体が見つかったのは亡くなってから1ヶ月後という孤独死の現場の事例です。

腐敗臭の消臭に時間がかったことや、原状回復までしなければならなかったことで、579,000円の費用がかかりました。

腐敗臭が強烈で、近隣住民が悪臭に気付いて孤独死が発見されました。

臭いが部屋に染み付いてしまっているため、脱臭にまる2日間かかっています。

また、以下のような作業を行って原状回復されました。

• 壁紙剥がし
• 床部分解体工事消毒消臭
• オゾン脱臭
• 御遺品の整理
• 木部の処理

さらに遺品にも腐敗臭が移っており、特殊な薬品をつかって脱臭・消毒も行っています。

腐敗臭が酷いことから作業内容が多く、費用も相場より高くなっています。

以上、孤独死の遺品整理と特殊清掃を依頼したときの事例でした。

しかし、「依頼したいけど、どんな業者がいるか分からない」と言う人もいるかもしれません。

次の章で、遺品整理と特殊清掃を頼める業者を確認していきましょう。

７．親族の孤独死に伴う遺品整理・特殊清掃はブルークリーンにご相談を

ここまで孤独死の遺品整理について見てきました。

基本的に孤独死が起きたら特殊清掃も依頼しなければならないため、遺品整理と特殊清掃の2つを依頼できる業者を選びましょう。

遺品整理と特殊清掃の2つを依頼できる業者をお探しなら、ブルークリーンへお任せください。

ブルークリーンは、24時間365日相談無料ですぐにご依頼いただけます。

急いで孤独死の腐敗臭を消臭したい場合でも素早く対応できる日程を調整し、現状のままお引き受け可能です。

初めての依頼で不安な場合は、YouTubeで現場レポートを確認してみてください。

例えば、孤独死が起きたとき、ブルークリーンなら以下のようなサービスをまとめて依頼することができます。

• 遺品整理
• 孤独死やペットが死亡した現場の特殊清掃
• 原状回復工事
• 消臭・脱臭の処理
• 不動産処分のご相談

清掃の専門資格を持っているスタッフが現場で作業いたしますので、お気軽にお声がけください。

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８．【まとめ】孤独死の部屋を特殊清掃して原状回復するには？自力対応では難しい理由

孤独死が発生した住まいでは、遺品の多くが処分対象となり、自力での整理や清掃には限界があるのが現実です。

腐敗による汚染や臭気、目に見えない細菌の存在まで考慮すると、原状回復には専門的な知識と技術が求められます。

また、残すべき大切なものを適切に見極めながら、心の整理と空間の整理を両立させるには、遺族だけで抱え込まない選択肢が必要です。

特殊清掃を含む遺品整理を専門に扱う業者であれば、清掃・除菌・消臭といった工程を的確に実施した上で、遺品の扱いにも丁寧に対応してくれます。

孤独死という突然の出来事に直面しても、焦らず、安心して次の一歩を踏み出せるように。

ご自身やご家族を守るためにも、専門のプロに相談することが最善の選択肢のひとつです。