遺体が発見された場所に残る「腐敗液」。
この液体が持つ本当の危険性をご存じでしょうか?
腐敗液には、ウイルス・細菌・病原体など多様なリスク因子が含まれており、皮膚や空気を通じて人に感染する可能性があります。
さらに、床や壁に染み込んだ腐敗液は長期間にわたって悪臭や腐食、健康被害の原因となることもあります。
中には、通帳や印鑑といった大切な貴重品をすぐに回収したいと焦るご遺族もいらっしゃいますが、腐敗液の除去や除菌処理が済むまでは決して立ち入ってはいけません。
適切な知識と防護がなければ、命に関わる二次被害につながる可能性すらあるのです。
本記事では、腐敗液の持つリスクとその正しい対処法、そして専門業者が行う安全な清掃方法について詳しく解説します。
「知らなかった」では済まされない危険性を理解し、ご自身と周囲の安全を守るための第一歩にしてください。
こんな方におすすめ!
- 遺体の発見が遅れた現場に立ち会ったご家族・ご親族の方
- 孤独死・自死・事故死などによる特殊清掃が必要になった方
- 貴重品や遺品を早く取り出したいと考えている方
- 腐敗液の影響がどこまで広がるのか知りたい方
- 安全かつ衛生的に現場を原状回復したいと考える方
▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」)
・これまで4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ」
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video
1.【警告】遺体の腐敗液が引き起こす本当の危険とは?
「腐敗液」それは遺体の内部で起こる分解プロセスの末に、外部へと漏れ出してくる液体です。
一見すると無害に思えるかもしれませんが、その正体は血液・体液・脂肪分・内臓の分解物が混ざり合った極めて危険な汚染物です。
特に、死後すぐに発見されなかった場合、腐敗は急速に進行し、皮膚や筋肉を突き破って体外に流出することがあります。
この腐敗液は床や畳、壁の内部まで浸透し、感染症や悪臭、建材の腐食など深刻な二次被害を引き起こします。
孤独死や事故死の現場では、すでに腐敗液が広範囲に広がっており、「あとから掃除すればいい」といったレベルでは対応できません。
ここでは、まずなぜ腐敗液が漏れ出すのか?というメカニズムから解説していきます。
なぜ遺体から腐敗液が漏れ出すのか?そのメカニズムと時間経過
人の死は、医学的には「死後変化」として捉えられます。
これは心停止によって細胞への酸素供給が絶たれ、正常な代謝が機能しなくなることで起こる、不可逆的な身体の変化です。
死後変化は段階的に進行し、次の3つに分類されます。
早期死体現象 | 血液の沈下・凝固、脳の浮腫、大動脈の濃縮など(死亡直後) |
---|---|
後期死体現象 | 腐敗やガスの発生、体液の漏出など(数日後から) |
その他の死体現象 | 白骨化やミイラ化、昆虫による分解など |
このうち、腐敗液の漏出に関係するのは「後期死体現象」にあたります。
死後数日が経過すると、体内で自己分解(オートリシス)と腸内細菌による腐敗が始まります。
これにより、内臓が崩壊し、血液・体液・脂肪成分が混ざり合った腐敗液が生成されます。
さらに、腐敗によって発生したガスが腹部を膨張させ、皮膚を内側から押し破ることで、腐敗液は外部へと流れ出すのです。
特に高温多湿な夏場や換気のない密閉空間では、この進行が加速します。
以下は死後からの腐敗進行の目安です。
死亡後12〜24時間 | 自己分解開始。皮膚に変色、軽い膨張が見られる |
---|---|
24〜72時間 | ガスが溜まり、内臓から体液が滲出 |
3日〜1週間 | 皮膚が破裂し、腐敗液が床や寝具を広範囲に汚染 |
1週間以降 | 悪臭が建材や構造材にまで染み込むレベルに進行 |
このように腐敗液は、“見えないうちから進行し、気づいたときには深刻な汚染となっている”のが最大の特徴です。
一般的な清掃や消毒では処理しきれず、感染症・悪臭・建物損傷といった二次被害に発展するリスクが高いため、専門業者による対応が不可欠です。
参考:死亡時画像診断(Autopsy imaging)におけるチェックシートの活用|新潟市医師会
腐敗液が持つ感染リスクとは?空気感染・接触感染・媒介虫にも注意
腐敗液には、血液・体液・内臓の分解物が含まれており、細菌やウイルスといった病原体の温床になっています。
見た目では分からなくても、周囲の空気・物品・虫を介して感染が広がる危険性があります。
感染経路は大きく分けて以下の3つです。
- 接触感染
- 空気感染・飛沫感染
- 媒介虫による感染拡大
ここからは3つの感染経路と、それぞれに潜む具体的なリスクを解説します。
①接触感染:腐敗液や汚染物に触れてしまうリスク
腐敗液が付着した床・畳・家具などを素手で触ることで、手から口や目、傷口などを経由して感染する可能性があります。
特に注意すべき病原体には肝炎ウイルス、レジオネラ菌、ノロウイルス、黄色ブドウ球菌(MRSA)などが挙げられます。
②空気感染・飛沫感染:空間全体が危険区域になる
腐敗によって発生したガスや微細な飛沫に病原体が付着している場合、吸い込むだけで感染リスクが生じます。
不用意に室内を換気したり、掃除機で吸引してしまうと、かえって空気中に病原体を拡散させてしまう恐れがあります。
③媒介虫による感染拡大:見えないリスクが室内に広がる
腐敗液に群がるハエやウジ虫が、病原体を身体に付着させて室内を移動することで、本来は無関係だった場所まで汚染されてしまうことがあります。
キッチン、洗面所、食器棚、ペット用品などにまで広がれば、日常生活にも深刻な影響を与えるでしょう。
腐敗液の恐ろしさは、「目に見える汚れ」ではなく、目に見えない汚染と感染が静かに、広範囲に進行していく点にあります。
しかもこのような現場では、“危険性がない”ことを証明するのが非常に困難であるため、専門的にはすべてのエリアをリスクとみなすのが通例です。
つまり、見た目に問題がなさそうでも、そこに立ち入るだけで感染リスクを伴う可能性があるということです。
防護知識と専用装備がなければ、安全を確保することは極めて難しいのです。
参照:感染症について-手洗いの励行とワクチン接種を-|国立障害者リハビリテーションセンター
身近な危険を防ぐために!入室時に絶対してはいけない行動
腐敗液が残る可能性のある室内においては、安易な行動が思わぬ二次被害を引き起こすことがあります。
とくに以下のような行動は、見た目に問題がなくても極めて危険です。
- 貴重品を探しに部屋へ入る
- 掃除機や雑巾で片付けを始める
- 換気のために窓を開ける
たとえば通帳や印鑑などを探しに入る行為は、一見安全そうに見えても、床や家具に染み込んだ腐敗液や病原体に無防備なまま接触するリスクがあります。
また、家庭用の掃除機や雑巾を使って片付けを始めてしまうと、汚染物を空気中に巻き上げて自ら吸い込む結果になりかねません。
さらに、臭いが気になるからと窓を開けてしまえば、病原体や悪臭が建物全体に拡散する可能性すらあります。
どれも「少しだけ」「よかれと思って」の善意から始まる行動ですが、腐敗液が関わる現場では、その“少し”が重大な健康被害や衛生被害につながるのです。
つまり、何もしないことが最も安全な初動対応です。
2.腐敗液による感染症を防ぐには?専門家が教える正しい予防策
腐敗液の危険性について、ここまででご理解いただけたかと思います。
感染症を防ぐためには、「汚染の有無にかかわらず、自分の身を守る」という視点が重要です。
特殊清掃の現場では、“何も触っていないのに体調を崩した”“防護せずに立ち入った家族が後に感染症を発症した”というケースも実際に報告されています。
つまり、事前の知識と正しい対策を知っておくことこそが、最大の予防策なのです。
ここでは、腐敗液による感染症を防ぐために必要な具体的な対策と、専門家が実践している安全管理のポイントをご紹介します。
方法1.防護服で身を守る
遺体から漏れ出す腐敗液には、ウイルス・細菌・カビなどの病原体が含まれている可能性があります。
そのため、「直接触れない」ことを徹底できる装備が必要不可欠です。
具体的には以下のような個人用防護具(PPE)の着用が推奨されます。
- 全身を覆う防護服(使い捨てのタイベック素材など)
- 防毒マスクやN95マスク(ウイルス・細菌の吸引防止)
- ゴーグルまたはフェイスシールド(粘膜感染の防止)
- 厚手のニトリルまたはゴム手袋(二重装着が理想)
- 靴カバーまたは防水の長靴(足元からの汚染防止)
特に注意したいのは、市販の布マスクや軍手では、病原体の侵入や腐敗臭の遮断が不十分である点です。
臭気による嘔吐や体調不良を起こすリスクもあり、精神的にも強いストレスがかかります。
防護服の使用は、身体だけでなく精神的安全にも直結する。そう考え、最初の対応からプロ仕様の装備を意識しましょう。
参照:PPEの訓練をしよう|国際感染症センター国際感染症対策室
方法2.専用の薬剤で除菌する
感染リスクから身を守るうえで最も重要なのは、まず自身の体を守ること(PPEの装着)です。
そのうえで、空間や物品の汚染を減らすための「除菌処理」を行うことで、二次感染や接触感染のリスクをさらに低減できます。
除菌処理に使用される薬剤は、家庭用の消毒剤や消臭スプレーとは異なり、ウイルス・細菌・カビを幅広く不活化できる業務用レベルのものが理想です。
ただし、一般の方が扱う場合は以下の点に注意が必要です。
- 家庭用製品でも最低限の除菌効果はあるが、完全除去は不可能
- 市販の除菌剤では腐敗臭までは除去しきれない
- 誤った薬剤の混合で有毒ガスが発生する危険もある
そのため、「できる限り早く専門業者に依頼する」ことが前提にはなりますが、作業開始前の安全確保や応急処置として除菌を行うことは一定の意味があります。
万が一、現場に立ち入らざるを得ない状況がある場合は、PPE装着と合わせて、除菌の意識も忘れずに持ちましょう。
方法3.特殊清掃業者に除菌と清掃を任せる
腐敗液が関係する環境では、PPE(防護服やマスク)の着用、空間除菌、廃棄物の適切な処理など、高度な衛生管理と技術的知識が求められます。
しかし、これらを一般の方が安全かつ適切に行うのは、現実的に非常に困難です。
むしろ、不完全な装備や誤った対応によって、自身の健康リスクを高めてしまう可能性すらあります。
そのため、最も確実かつ安全な選択肢は、専門の特殊清掃業者にすべてを任せることです。
特殊清掃のプロは、以下のような装備と対応力を備えています。
- 感染症リスクを想定した完全装備(PPE)
- 業務用の高性能除菌剤・消臭剤の使用
- 法令に基づいた廃棄物処理と現場復旧のノウハウ
さらに、現場の状況に応じた空間除染・オゾン処理・消毒レベルの判定まで一貫して対応可能なため、ご遺族や関係者の方が直接手を下す必要はありません。
感染リスクのある環境に無理に立ち入る前に、まずは信頼できる専門業者に相談することが、自分自身と周囲の安全を守る最も賢明な判断と言えるでしょう。
遺体の腐敗液に不安を感じたら…まずは専門家にご相談ください
腐敗した遺体を発見すると、その場に立ち入ることに不安を感じる方も多いはずです。
しかし、貴重品の回収や対応を急ぐあまり、無防備なまま入室してしまうケースも少なくありません。
腐敗液が残る空間には感染症のリスクが潜んでおり、適切な除菌処置を行わないままの入室は極めて危険です。
ブルークリーンでは、米国ABRAガイドラインに準拠した除菌と安全管理体制のもと、ご遺族の安全を第一に考えた対応をおこなっています。
「できるだけ早く安全に入室したい」という方も、最短即日でのお見積り(無料)に対応しております。
LINEでもご相談いただけますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
3.腐敗液の清掃をプロに任せるべき理由とは?専門業者に依頼する3つのメリット
遺体の腐敗液が発生した空間では、見た目以上に複雑で深刻な衛生リスクが存在します。
腐敗液は床材や建材に染み込みやすく、市販の清掃用品では臭気や細菌を完全に除去することが困難です。
また、適切な感染対策や防護措置を講じないまま作業を行うと、作業者自身が健康被害を受ける恐れもあります。
そのため、こうした清掃には専門的な装備と知識、そして経験が欠かせません。
このセクションでは、腐敗液の清掃を専門業者に依頼することで得られる3つの具体的なメリットについて解説します。
リスクを確実に減らすためにも、ぜひ参考にしてください。
メリット1.感染症のリスクを回避でき自身や家族の健康を守れる
遺体の腐敗液には、目に見えない細菌やウイルスが含まれている可能性があり、不適切な清掃は感染症の原因となります。
とくに、体液が床材に染み込んだ状態では、一般的な清掃では汚染を取り切ることができず、知らず知らずのうちにリスクにさらされることになります。
また、こうした空間に不用意に立ち入ることで、感染の危険だけでなく、強烈な臭気や遺体の痕跡による精神的ショックを受けることも珍しくありません。
専門業者に任せることで、適切な感染対策を施しながら安全に空間を回復できるだけでなく、精神的な負担も大幅に軽減されます。
「自分や家族の健康を守るため」に、専門知識と装備を持つ業者に委ねることは、もっとも確実で安心できる選択といえるでしょう。
メリット2.確実に除菌・消臭ができるので安心できる
腐敗液がしみ込んだ空間では、見た目の汚れを拭き取っただけでは十分とは言えません。
細菌や臭気成分は床材の奥深くにまで浸透しており、市販の除菌スプレーや消臭剤では対応しきれないのが現実です。
特殊清掃業者は、医療・災害分野でも使用される高性能な専用薬剤や機材を駆使して、根本からの除菌・消臭を実施します。
一見きれいに見える場所でも、プロの手によって徹底的に清掃・処理されることで、「本当の意味で安心して暮らせる状態」へと回復させることができます。
衛生面に加えて、心の安心感まで得られるのが、プロに任せる大きなメリットのひとつです。
メリット3.遺品整理も同時におこなえる可能性があり手間が省ける
特殊清掃が必要となる場面では、遺品の整理や仕分けも同時に求められることが少なくありません。
そうした中で、特殊清掃と遺品整理の両方に対応している業者であれば、一括で対応が完了するため、手間や精神的負担を大幅に軽減できます。
とくに遺品の中には、思い出の品や重要書類、貴重品などが含まれていることもあるため、清掃と同時に丁寧な整理を行ってくれる業者の存在は非常に心強いものです。
依頼時には、遺品整理まで対応可能かどうかを見積もりや事前相談でしっかり確認しておくと、スムーズに対応を進められるでしょう。
4.失敗しない業者選びのコツ!特殊清掃業者を見極めるためのチェックポイント
腐敗液が関わる特殊清掃は、専門業者に任せるべき重要な作業ですが、「どの業者に頼めばいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。
実際に、見積内容と異なる高額請求や、不十分な除菌・消臭処理といったトラブルも報告されています。
そこでここからは、信頼できる特殊清掃業者を見極めるためのチェックポイントをご紹介します。
後悔しない選択のために、ぜひ参考にしてください。
ポイント1.特殊清掃の実績が豊富な業者を選ぶ
特殊清掃業者を選ぶ際にもっとも重視すべきなのは、「どれだけ多く経験してきたか」よりも、「どんな基準に従って、どのように作業しているか」という点です。
腐敗液が関わる清掃には、感染症リスクや臭気物質の再拡散など、命や住環境にかかわる重大な要素が含まれています。
だからこそ、感覚や場当たり的な対応ではなく、明確な作業フローや安全基準に基づいた対応力が問われます。
たとえば、ABRA(米国バイオリカバリー協会)などが定める国際的なガイドラインでは、ウイルス汚染のリスク評価、作業員のPPE着用基準、洗浄と除菌の手順などが論理的に整理されています。
こうした再現性ある「正しい手順」で清掃しているかどうかは、単なる“件数”では測れません。
また、業者によっては「経験豊富」とうたいながら、実際にはマニュアルがなく、現場ごとに作業の質にバラつきがあるケースも見受けられます。
本当に信頼できる業者は、「どのような基準に従って清掃しているのか」「感染症対策をどう考えているのか」「報告書の内容に根拠があるか」といった点まで説明できるものです。
過去の対応件数だけに惑わされず、業者の“中身”を見極めることが、安心と安全につながります。
「特殊清掃って何をするの?」「費用や業者の選び方が知りたい」と感じた方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
現場事例や依頼時の注意点など、初めての方にもわかりやすく解説しています。
ポイント2.内容が明確な見積もりを掲示してくれる業者を選ぶ
見積もりの明瞭さは、信頼できる特殊清掃業者を見極めるうえで非常に重要なポイントです。
中には「一式いくら」といったざっくりした内訳しか提示しない業者も存在しますが、そうした場合、後になって不要な作業や高額請求が追加されるリスクがあります。
本来、遺体の腐敗液に関わる清掃では、現場の状況に応じて必要な処置内容が明確に決まり、それに基づいて「作業ごとの単価」「使用する薬剤や機材」「人員構成」「除去対象の範囲」といった要素が論理的に積み上げられていくものです。
この考え方は、ABRA(米国バイオリカバリー協会)などのガイドラインにも通じるもので、見積もりの段階からすでに“その業者の技術水準”が表れます。
見積もりを依頼した際は、「なぜその金額になるのか?」「作業の優先順位はどう判断しているのか?」「見積もりと実作業の差異が出た場合の対応はどうか?」といった点を確認してみてください。
明確に答えられない業者や、質問に曖昧な返答しかしない業者は避けた方が無難です。
安心して依頼できる業者とは、「見積もり=技術の証明書」として、透明性と納得感のある提案をしてくれる業者です。
ポイント3.特殊清掃の資格を有している業者を選ぶ
特殊清掃は法的な資格がなくても誰でも名乗れる業種ですが、だからこそ「どんな基準に基づいて作業しているか」が重要な判断基準になります。
信頼できる業者は、専門知識と技術を客観的に証明できる公的・国際資格を有しており、清掃現場の衛生管理や感染症対策を体系的に遂行する体制が整っています。
たとえば、以下のような資格を保有している業者は、特に信頼性が高いといえるでしょう。
これらの資格は単なる肩書きではなく、「どう安全に作業を進めるか」「再汚染や感染をどう防ぐか」といった技術・判断力の裏付けです。
依頼を検討している業者が、これらの資格をどれだけ保有し、現場でどのように活かしているかを見極めることが、失敗しない業者選びに直結します。
特殊清掃に関する資格を所有した清掃員に作業を依頼するべき理由については、下記の記事を読んでみてください。
5.腐敗液の処理に不安を感じたら。ブルークリーンが“安心”を支える理由
腐敗液の処理や臭気・感染症のリスクに、不安を感じるのは当然のことです。
そんなときこそ、誰に任せるかが“安心の質”を左右します。
私たちブルークリーンは、米国のABRA(American Bio Recovery Association)から正式に認証された、日本で唯一の清掃事業者です。
特に、ABRA認定のCBRT(Certified Bio-Recovery Technician)やIICRC認定資格など、世界的な基準を満たす技術者が在籍しています。
さらに、ABRA本部とも直接の国際連携を行い、清掃技術・感染管理の最新動向を即座にアップデートしています。
海外基準をそのまま適用するのではなく、日本の建物構造や気候条件、生活環境に最適化した独自のプロトコル(バイオリカバリー™)を構築することで、より実効性の高い清掃ソリューションを提供しています。
また、当社にはペストコントロール(防疫・害虫防除)や臭気対策、衛生検査の専門資格者も在籍しており、清掃作業だけでなくその前後の空間リスク管理まで一貫対応可能です。
腐敗液や異臭という“見える問題”に加え、見えないリスクまで取り除くこと。それが私たちの責任であり、使命です。
「誰に任せれば安心か」その答えを、技術と信頼の両面から証明し続けるのがブルークリーンです。
お見積もり、相談は無料となっていて最短即日での対応も可能です。
遺体から漏出した腐敗液があった現場の清掃でお困りなら、ぜひ私たちにお任せください。
ここからは、ブルークリーンで実際におこなった現場の施工事例を3つ紹介します。
事例紹介では、壮絶な現場の写真や文章が掲載されているため、苦手な人は「まとめ」に進んでください。
事例1.残された体液に大量のウジ虫が発生していた現場
1つ目の事例は、残された体液に大量のウジ虫が発生していた現場です。
こちらの現場は、故人が亡くなってから半年ほど経過していて、強烈な腐敗臭が近隣住宅の共有部まで漏れ出していたのをきっかけに発見されたのです。
また、部屋の真ん中に人型の跡が残ったベッドが置かれていて、その上には大量のウジ虫が発生していました。
この事例では、以下の作業を提案させていただいたので、参考にしてください。
- 腐敗物の撤去
- 除菌、脱臭
- 残置物撤去
- 形見分け(貴重品の捜索)
- パッキング
- 壁紙クロス撤去
- クッションフロア撤去
- ハウスクリーニング
腐敗液による強烈な悪臭が充満していた現場でしたが、原因をすべて取り除き薬品や洗剤で完全に脱臭することに成功しました。
事例2.下の階に染みるほどの体液があった現場
次は、下の階に染みるほどの体液があった現場です。
こちらの事例はトイレで孤独死が発生し、血液と体液におびただしい数のウジ虫が活発に動いている強烈な現場でした。
さらに下の階の部屋の天井からも血液や体液が染み出していたため、同時に2つの部屋の特殊清掃が必要となっていたのです。
この事例でおこなった作業は、以下の通りです。
- 腐敗物の清掃
- 消臭消毒
- トイレの解体
- 躯体木部の清掃
- 害虫駆除
- 脱臭
躯体木部にも腐敗液が付着しているのを確認し、臭いの原因を突き止められたので完全に除菌、消臭することができました。
事例3.玄関コンクリートに体液が付いていた現場
最後は、玄関コンクリートに体液が付いていた現場です。
こちらの事例は、現場となった部屋の扉から黒い液体が流れ出ているのを物件のオーナーが発見し、警察に通報したことで孤独死が発覚しました。
孤独死の現場は、長期間遺体が放置される傾向にあるため、腐敗の進んだ遺体は溶けていることも多いです。
実際に、玄関のコンクリートまで腐敗液が染み込んでおり、長時間経過したせいで乾燥していました。
そのため、コンクリートの染み抜きや脱臭作業が必要です。
この事例では、以下の作業を提案させていただきました。
【特殊清掃】
- 玄関の付近の体液除去
- コンクリートの染み抜き
- パッキング塗装
- 消毒
- 脱臭
- クロス剥がし
【片付け】
- 貴重品の捜索
- 残置物の撤去
コンクリートの染み抜きが課題となった現場でしたが、これまでの経験と知識を活かし無事に作業を終えることができました。
6.まとめ|腐敗液の危険性を正しく理解し、後悔しない対処を
腐敗液が残された場所は、想像以上に深刻な衛生リスクをはらんでいます。
血液や体液に含まれる病原体は、空気中に拡散したり、目に見えないレベルで建材に染み込んだりすることもあり、感染症や悪臭の再発リスクを伴う「危険な空間」と化すことさえあります。
さらに、そのような現場に直接足を踏み入れることは、身体的な負担だけでなく、精神的ショックによる二次被害を招くおそれもあります。
こうした背景を踏まえると、腐敗液の清掃は「やるべき作業」ではなく、「任せるべき判断」だと言えるでしょう。
専門的な知識と技術、そして正確な感染管理が求められる特殊清掃は、プロに依頼することで初めて「安全」と「安心」が確保されます。
万が一、自己判断で対処を誤れば、健康被害や再清掃の必要により、時間も費用も二重にかかる結果になりかねません。
だからこそ、最初の一歩で「信頼できる専門業者を選ぶこと」が、もっとも後悔の少ない判断になります。
腐敗液が残る空間に直面したときこそ、正しい知識と冷静な判断を。
その選択が、あなた自身とご家族の“未来の安心”を守ることにつながります。
7.遺体の腐敗液に関するよくある質問11選【感染・清掃・費用まで完全解説】
腐敗液に関する疑問や不安をそのままにしていませんか?
ここでは、「感染の危険性は?」「自分で掃除できる?」「費用はいくらかかる?」といった、よく寄せられる質問に対して、専門業者の視点から分かりやすく解説しています。
大切な判断を迫られる状況だからこそ、正確な情報をもとに落ち着いて対応するためにも、ぜひご確認ください。
遺体の腐敗液にはどんな危険性がありますか?感染症のリスクはありますか?
はい、腐敗液には感染症のリスクが“完全には否定できない”とされています。
遺体の腐敗過程で漏れ出す「腐敗液(血液・体液)」には、ウイルスや細菌、真菌(カビ)などの病原体が含まれている可能性があるとされており、衛生管理の観点からも注意が必要です。
実際の感染事例はまれである一方で、病原体の種類や濃度、接触状況によってはリスクがゼロとは言い切れないため、万が一に備えて慎重な対応が求められます。
特に以下のような感染症には注意が必要とされています。
- B型・C型肝炎ウイルス(HBV・HCV)
- HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
- 結核菌や多剤耐性菌(MRSA等)
- カンジダなどの真菌(カビ)類
これらは腐敗液に必ず含まれているわけではありませんが、確認する手段がないため、作業時は「リスクがあるもの」として取り扱うのが原則です。
したがって、専門の特殊清掃業者による感染症対策と衛生処理の徹底が、安全な環境再生に不可欠となります。
腐敗液が床や畳に染み込んでしまった場合、自分で掃除しても大丈夫ですか?
腐敗液が床や畳に染み込んだ場合、基本的には自分での清掃は避けるべきです。
腐敗液は表面だけでなく素材の奥深くまで浸透しており、見た目がきれいになっても病原体や臭気の原因物質が残っていることがあります。
無理に清掃を行うと、手や衣服を通じて二次汚染が広がるリスクも高くなります。
ただし、やむを得ず一時的に応急処置を行う必要がある場合は、以下の点に十分注意してください。
- 必ず手袋・マスク・防護服を着用する
- 市販のアルカリ性洗剤や次亜塩素酸ナトリウムを使用する
- 清掃後は使用物品をすべて密封し廃棄する
- 作業後はシャワーと手洗いを徹底する
とはいえ、根本的な除菌・消臭・衛生処理には限界があります。
感染症リスクや臭気の再発防止のためにも、早期に特殊清掃の専門業者へ相談するのが最善です。
市販の除菌スプレーや消臭剤で腐敗臭は消せますか?
市販の除菌スプレーや消臭剤では、腐敗臭を完全に消すことはできません。
腐敗臭は、遺体の分解過程で発生する揮発性有機化合物(VOC)や硫黄系ガス、アミン類などの強烈かつ複雑な悪臭成分が原因です。
これらは一般的な製品では分解・中和できず、むしろ芳香剤で一時的に“ごまかす”ことで臭いが混ざり、不快感が増すケースもあります。
確実な消臭には、業務用の分子分解剤やオゾン処理など、専門的な知識と機材を用いた処置が必要です。
腐敗臭が残った空間に長時間いること自体が健康への悪影響にもつながるため、早めに特殊清掃業者へ相談することをおすすめします。
腐敗液による汚染を放置すると、どんな問題が起こりますか?
腐敗液を放置したままにすると、時間の経過とともに深刻な二次被害が発生する可能性があります。
特に気温が高い時期は腐敗が急速に進行し、強烈な悪臭が広範囲に拡散します。加えて、臭いに誘引された害虫(ハエ・ゴキブリ・ウジなど)が大量発生するケースも少なくありません。
さらに、腐敗液はフローリングの継ぎ目や畳の下から床下へと染み込み、集合住宅の場合には下階の部屋にまで漏れ出すこともあります。
悪臭が共有部にまで広がれば、近隣とのトラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。
放置すればするほど、清掃範囲も費用も拡大してしまうため、腐敗液を確認した段階で、速やかに専門の特殊清掃業者に相談することを強くおすすめします。
腐敗液の清掃にはどのような工程や道具が使われますか?
腐敗液の清掃には、通常の家庭用清掃とはまったく異なる専用の工程と機材が必要です。
なぜなら、腐敗液は血液・体液・脂肪・タンパク質・腐敗菌などが混じり合った高濃度の有機汚染物であり、放置すれば悪臭や病原体の温床となるためです。
主な工程と使用機材は以下の通りです。
初期処理(汚染物の物理除去) | 凝固した腐敗液や床材の浮き・腐食部分を取り除きます。必要に応じて畳や床板の一部を撤去することもあります。 |
---|---|
洗浄・脱脂・除菌処理 | 界面活性剤や高濃度アルカリ洗浄剤で汚染層を分解洗浄。さらにATP検査などで衛生状態を確認しながら、医療グレードの除菌剤でウイルス・細菌を不活性化します。 |
臭気対策(消臭・脱臭) | オゾン発生器、次亜塩素酸ミスト、二酸化塩素、吸着剤などを使い分け、腐敗臭やタンパク質由来の残臭を根本から除去します。場合によっては臭気測定器での数値管理を行うこともあります。 |
最終チェックと再発防止処理 | 清掃後に再度除菌と消臭の仕上げをおこない、必要に応じて防カビ処理やコーティングを施します。 |
このように、腐敗液の清掃には「衛生・臭気・構造材への浸透」など複合的な視点が必要であり、専門的な知識と経験、そして正確なプロトコルが不可欠です。
誤った手順や不適切な道具を使用すると、二次汚染や再発のリスクを高めるため、プロの特殊清掃業者に依頼するのが安全かつ確実です。
特殊清掃業者に依頼した場合、費用の相場はどのくらいですか?
特殊清掃の費用は、間取りや汚染状況によって大きく異なりますが、目安として以下のような相場があります。
1K〜1R(9㎡〜28㎡) | 約78,000円〜280,400円 |
---|---|
1DK〜3LDK(25㎡〜70㎡) | 約135,000円〜482,000円 |
4DK〜(71㎡〜) | 約245,000円〜690,000円 |
物量過多の部屋(ゴミ屋敷等) | 要見積もり |
あくまでも目安であり、汚染の程度や害虫駆除、原状復帰の有無などによって大きく変動します。
腐敗液の処理や除菌・脱臭などは、作業の内容によって専門性が高くなるため、見積もりを取ったうえで比較検討することが大切です。疑問点があれば遠慮なく確認しましょう。
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清掃にかかる時間はどれくらいですか?即日対応してもらえるのでしょうか?
特殊清掃にかかる時間は、汚染の程度や間取り、作業範囲によって異なります。
簡易な作業であれば数時間、汚染が広範囲にわたる場合は1日以上かかることもあります。
また、脱臭・除菌・資材撤去・床材剥離・カビ処理などを含む場合、複数日に分けて工程を組む必要があります。
なお、対応のスピードも業者によって異なりますが、ブルークリーンでは最短15分での緊急出動体制を整えており、即日の初動対応が可能です。
ご遺族の不安を最小限に抑えるため、可能な限り迅速に現場確認・見積・初期処理を行っています。
近隣に腐敗臭が漏れてしまっている場合、対応は可能ですか?
はい、対応可能です。
腐敗臭が近隣住戸や共用部にまで漏れている場合は、通常の消臭では効果が不十分なことも多く、専門的な技術と装備による早急な対応が必要です。
ブルークリーンでは、第三者研究機関と連携し、臭気測定や気流解析の技術を用い、臭気の拡散範囲を正確に把握した上で、オゾンや薬剤による空間除菌・脱臭、配管・ダクト系の気密処理、空調経由の臭気対策など、建物構造に応じた根本対処が可能です。
すでに近隣に苦情が出ているような場合でも、責任ある第三者による対応を行うことで、関係性を悪化させずに問題を収束させることができます。
清掃後、再び部屋に住むことはできますか?完全に消臭できますか?
結論から言えば、再び問題なく住める状態にまで改善することは可能です。
ただし、「完全消臭」という表現には注意が必要です。
臭気は人の嗅覚によって感じ方に個人差があるうえ、建材に深く染み込んだ腐敗臭は理論上“ゼロ”にはできません。
しかし、ブルークリーンでは臭気成分の科学分析や気流制御を駆使し、人的感知を最大限に抑えるレベル(人が不快を感じないレベル)まで徹底的に除去・改善します。
また、再発リスクのある建材の張り替えや、気密処理・封鎖、空間除菌なども必要に応じてご提案し、「再び安心して暮らせる状態」に戻すことを最終ゴールとしています。
腐敗液が発生するような現場では、どのような資格を持った業者に依頼すべきですか?
腐敗液が関わる清掃は、見た目の清掃だけでなく感染症・臭気・衛生環境に対する専門的な知識と処理能力が求められます。
依頼すべき業者のポイントは、「誰が、どの基準で清掃しているか」です。
具体的には、以下のような公的・国際的な資格保有者が在籍している業者を選ぶと安心です。
- IICRC認定TCST(Trauma and Crime Scene Technician)
- ABRA会員/CBRT(Certified Bio-Recovery Technician)
- ペストコントロール技術者(日本ペストコントロール協会)
- 臭気判定士(国家資格)
- 看護師、病院清掃受託責任者 など
これらの資格を持つ専門家が対応することで、安全性・再発防止・臭気管理など、あらゆる面で安心できる清掃が実現できます。
腐敗液の清掃と一緒に遺品整理もお願いできますか?
はい、多くの特殊清掃業者では腐敗液の清掃とあわせて遺品整理にも対応しています。
特に孤独死や事故死などの場合、清掃と同時にご遺族の代わりに遺品の分別・搬出・供養などを行うニーズが高く、ワンストップで対応できる体制を整えている業者が増えています。
ただし、業者によっては「遺品整理は別会社に委託する」「供養は外注」など体制が異なることもあるため、見積もり時に『清掃と遺品整理が一括でできるか』『費用に何が含まれているか』を必ず確認しましょう。