「生前整理を始めたい」と考えていても、何から手をつけていいか分からないですよね。
生前整理とは、元気なうちに身の回りをある程度片付けておくことです。
時間や体力に余裕のあるうちに片付けることで、亡くなったあとに備えます。
「まだ余裕があるから、片付けなんてしなくても大丈夫」と考える人もいるかもしれません。
しかし、生前整理をしておかないと急遽老人ホームに入ることになったり、万が一急に亡くなったときに家族に迷惑をかけたりしてしまう可能性があります。
この記事では、「物・心・情報」の3つの要素に分けて生前整理の進め方やコツについて解説します。
安心して前向きに生きるための準備をしていきましょう!
▶経歴
・公益社団法人日本ペストコントロール協会ペストコントロール技能師
・3,000件以上の孤独死案件に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・日刊SPA!
・bizSPA!フレッシュ
・「Channel恐怖」Aamzon prime video
1.生前整理とは?コツは3つの要素に分けること
生前整理とは、元気なうちに身の回りの物を整理しておくことです。
ただ物の整理をするだけでなく、「どのような最期を迎えたいか」を家族と一緒に話し合いながら作業を進めることは大切な時間となります。
生前整理のきっかけは、老人施設へ入るタイミングや家族が引っ越すタイミングなど人それぞれです。
最近では、「いつ何がきっかけで命を落とすか分からない」と、20代・30代でも生前整理をする人が増えてきました。
生前整理は物・心・情報にわけて整理することがポイント。「物」「心」「情報」の3つの要素に分けることで、スムーズに進めることが可能です。
生前整理の3要素について、順に見ていきましょう。
(1)物の整理
物の整理とは、物質としての「物」全般を整理することです。
たとえば、以下のような物を整理します。
- 洋服
- 食器
- 写真
- 記念品
- 家財
物を仕分けする際はただ捨てるのではなく、物に向き合うようにしましょう。
なぜなら物と向き合い取捨選択することで、心の奥底にある感情や記憶も整理されていくからです。
本当に必要な物だけを残すことで、少しずつ心が整っていき、次のステップ「心の整理」へと移行しやすくなります。
(2)心の整理
心の整理とは、自分の心や家族との関わり合い、今後の生き方について整理することです。
たとえば、以下のような作業をすると少しずつ心が整理されていきます。
- 思い出の品を片付ける
- 大切な人をリスト化する
- 大切な人にメッセージを書く
- やり残しリスト作成
- マイベストショットアルバム作成
- 5年後の自分の未来をプランニング
- 模擬葬儀をプロデュースする
心と向き合いながら整理すれば、少しずつ心が安らぎ、次のステップ「情報の整理」が見えてきます。
(3)情報の整理
情報の整理とは、自分の考えや思いを形に残して整理することです。
たとえば、以下のような情報を整理しましょう。
- デジタル遺品
- 財産の扱い
- お墓・葬儀の方針
- 家族や交友の関係
これらの情報は、「エンディングノート」にまとめていきいましょう。(エンディングノートの詳しい説明はあとで行います。)
元気なうちに情報をひとつにまとめることで、残された家族は本人の意向に沿った供養ができます。
心の状態を整えてから情報の整理をすると、家族や友人とのつながりに配慮した後悔のない選択ができますよ。
2.物の整理でやるべきこと
物の整理は、最初に始めたい生前整理の作業です。
最初に物と真剣に向き合って整理をすると、今後の生き方について考えるきっかけにもなります。
物の整理を以下の3つに分けて進めると、心の整理をしやすくなるのでおすすめです。
- 家財道具の整理と仕分け
- 写真の整理
- 不用品の処分や買取
ただし、いきなり何もかも捨ててしまうと後悔しかねません。そこで、ここからは処分する際の注意点も伝えていきます。
(1)家財道具の整理と仕分けをする
家財道具の整理と仕分けは、生前整理において欠かせない作業です。
私物やコレクションが残っていると、処分しても問題ないのかと残された家族が困ることになります。
また将来的に介護施設に入居する場合は、ごく限られた物しか持っていけません。
元気なうちに不用品を処分しておけば、家族の負担は最小限で済みます。
整理整頓された清潔な環境で暮らせるように、処分するものと残すものについて検討しましょう。
※捨てるべき物について詳しく知りたい人は、下記の記事でも紹介しています。
(2)写真の整理をする
写真の整理は、思い出を残すための大切な作業です。
写真を雑多にまとめてしまうと、せっかくの思い出を振り返るのが難しくなります。
時系列や一緒に写っている人ごとにアルバムを分け、ふと思い出したときに見返せるよう工夫しましょう。
同じような写真が複数ある場合は、数枚を厳選することでより見やすくなります。
写真を見返すことで人生を見つめ直すきっかけになり、心の整理にもつながるでしょう。
(3)不用品の処分や買取をする
物の整理を進めていくと、不用品が出てくるので早めに処分しましょう。
不要だと判断した物を家に置いていると、処分が面倒になってきます。
不用品回収日や自治体の処分方法に従って、日程を確認しておきましょう。
処分は急ぎたい一方で、価値のあるものまでを処分してしまうことは避けたいものです。
買取をしてもらうなら、価値を正確に見定められる専門家に鑑定してもらいましょう。
金銭的な価値のみで考えるのではなく、大切にしてきた心の重みも考慮して、手放すことが重要です。
処分したい物が大量にある場合は、専門業者の利用も検討してみてください。
3.心の整理でやるべきこと
心の整理とは、人生を振り返って今後の生き方や周囲との関係性について考えることです。
下記の2つを作成すれば、スムーズに心の整理を進められます。
- 自分史
- やり残しリスト
心が整理されていくと、次におこなう情報の整理でも後悔のない選択ができます。心の整理に役立つヒントを確認し、幸せな人生を歩むための準備をしましょう。
(1)自分史を作る
生きてきた足跡を残すために、自分史を作成してみましょう。
自分史に書く内容は、下記を参考にしてください。
- 自分の身に起きたこと
- 家系図
- 家族について
- 特別な思い出
「自分の身に起きたこと」については、年表にまとめると時系列で情報が整理されていくのでおすすめです。
就職・結婚・出産などの大きなライフイベントから、日々感じていた小さなことまで書き出しましょう。
人生を振り返ることには、たくさんのメリットがあります。
幼少期や若いころに慣れ親しんだことを思い返すと、認知症やうつ症状を和らげる可能性があります。
実際に認知症患者の心理療法やリハビリテーションにも過去の振り返りが使用されているほど。
過去の経験を客観視することで気持ちの整理がつき、分析することで自分の長所や短所、価値観を見直すきっかけにもなります。
自分だけでなく関わってきた人たちの人生にも思いをめぐらせることで、あらためて遺すものを考えるきっかけになり、相続争いを避けることにも役立ちます。
写真を使ったり手書きにしてみたりと、想いを表現しやすい形式がおすすめです。
(2)やり残しリストを作る
やり残しリストを作成すると「これから何がしたいのか」「なにができるのか」が明確になります。
たとえば、以下のようなことを書き出してみましょう。
- 会いたい人
- 行きたい場所
- 挑戦してみたい趣味
やり残しリストを作成したら家族にも共有することで、より現実的に考えられるようになります。
悔いのない人生を過ごすために、どんな小さなことでもいいので書き出しましょう。
4.情報の整理でやるべきこと
情報の整理では、自分に関する情報の取り扱いや考えや思いを形に残すことについて検討していきます。
具体的に情報の整理でやることは、以下の通りです。
- デジタル遺品の整理
- エンディングノートの作成
- 相続に関する話し合い
- 葬儀や供養に関する話し合い
- 遺言書の準備
情報を整理することで、相続トラブルやデジタルデータの悪用などを回避できます。
少し大変かもしれませんが、真剣に取り組みましょう。
(1)デジタル遺品の整理
デジタル遺品とは、スマホやパソコンなどに残されたデータやインターネットの登録情報のことです。
たとえば、以下のようなものが該当します。
- SNSのアカウント
- 知人の連絡先
- 写真や動画
- クレジットカードやネットバンキングの情報
- さまざまなサービスのID・パスワード
このような個人資産やプライベートに関する個人情報が端末に詰まっています。
そのためいざというときに家族が困らないように、ロックの解除方法やパスワードを共有する必要があります。
とくにパスワードの管理は本人にしかできないので、元気なうちにやっておきましょう。
デジタル化しているデータをどのように扱うか明確にしてください。
(2)エンディングノートの作成
エンディングノートとは、いずれ訪れる死に備えて自分の情報や想いを記したノートです。
自分の身に何かあったときに家族の負担を減らすことが目的なので、各種手続きをスムーズにおこなうための情報を書き残しましょう。
エンディングノートは今では書店でも置いてあります。
何を書くべきか分からない人は、残すべき情報が網羅されている書き込み式のエンディングノートを購入しましょう。
ただし、エンディングノートに法的効力はないので、相続に関することは遺言書を作成してください。
エンディングノートの内容や置き場所を家族にも説明して、いつでも確認できるようにしましょう。
(3)相続に関する話し合い
生前整理で相続について話し合う機会を設けると、家族が納得する方法を見つけやすくなります。
どれだけ親しい間柄でも、お金が絡むと関係性が悪くなる可能性があり、あとに尾を引いてしまうことも多いです。
トラブルを避けるには、生前に遺産や相続の対策をしておきましょう。
財産を分配しやすくするために現金化したり、遺言書を作成したりすることも大切です。
(4)葬儀や供養に関する話し合い
生前整理で葬儀について明確にしておくと、残された家族は本人の意向を汲めます。
生前には話題にしにくいことですが、家族が納得できる葬式や供養の方法を見つけるために話し合っておくべきです。
もし話し合いをしていないと、葬儀費用は誰が負担するのか、葬儀に誰を呼ぶのかなどで揉めてトラブルになる可能性があります。
葬儀や供養のあり方は多様化して選択肢が増えているので、生前整理のなかで検討を進めましょう。
(5)遺言書の準備
生前整理で遺言書を作成することもおすすめします。
元気なうちに、家族と話し合って決めた相続の内容を書き残すことで、思い通りの遺産分割が叶うからです。
もし遺言書がないと遺産の相続でもめるだけでなく、遺産がどこにあるかを探さなければならず、家族の負担になる可能性があります。
遺言書の正式な書き方や保管方法には細かなルールがあるため、不安な人は司法書士や弁護士、税理士などに相談することをおすすめします。
5.生前整理のデメリット
生前整理のメリットを紹介してきましたが、デメリットがないわけではありません。
デメリットに共通していることは「手間や労力と費用」です。
- 時間と労力が必要
- 物を処分すると費用がかさむ
- 法的な手続きの費用がかさむ
自分でやれば最小限の費用に抑えられます。
しかし、一人では難しいこともあるため、専門家に頼るべきところは頼りましょう。
具体的なデメリットも見ておくことが大切です。
デメリット1.時間と労力が必要
物の整理は、とくに労力と時間の負担の大きい作業です。
大量の雑貨や衣料などを断捨離して選別するだけでも大変ですが、さらに自治体のルールに従って仕分けをする必要があります。
始めてみたものの、体力的な負担によって中断するケースも少なくありません。
量が多すぎて手に負えない場合は、専門業者の利用も検討しましょう。
デメリット2.物を処分すると費用がかさむ
不用品を処分すると、一定の費用がかかります。
ごみ袋や段ボールなどの資材を購入し、家電リサイクル料金や粗大ゴミの処分料金を支払わなくてはいけません。
専門の業者に依頼をすると、処分品の量によって金額が変わります。
長年住み続けた家の不用品を処分すると、50万円以上になることも珍しくありません。
業者の利用を検討している場合は、まずは見積もりを取って費用を確認しましょう。
デメリット3.法的な手続きの費用がかさむ
法的な手続きで専門家を利用する場合も、もちろん費用がかかります。
財産の目録や遺言書の作成を司法書士に依頼すると、相場は3万〜30万円以上といわれています。
公証人役場で遺言書を作成するには、司法書士や弁護士の手数料が15~30万円程度かかり、その他にも財産額に応じて5~20万円程度が必要です。
遺言書を手書きで作成すれば費用を節約できますが、ルールが守られていなくて無効となったり、紛失したりするリスクもあります。
トラブルを避けたい場合は、一定の費用がかかっても法律の専門家に相談しましょう。
6.生前整理ならブルークリーンにお手伝いさせてください
もし、生前整理の中で物の整理でお困りでしたら、ぜひブルークリーンにご相談ください。
物の仕分と整理、不用品や粗大ゴミの回収、清掃などの力仕事をお手伝いさせて頂きます。
弊社で行った片付けや清掃の事例をご覧ください。
お客様の事情に寄り添ってお片づけさせて頂いている様子が伝われば何よりです。
ブルークリーンの施工事例①
住人が長期入院することになり、物件の退去に伴う片付けをした事例です。
以前にもこの部屋の片付けを請け負ったことがあり、今回は住人のご親族からの相談でした。
整理整頓されていて、必要最低限の物だけが残されていた現場です。
「洋服を何点か選んで一か所にまとめてほしい」とリクエストがあったので、作業当日に依頼者とともに選別しました。
この事例では以下の作業を行いました。
- 不要物の仕分け
- 残置物の撤去
- 生ごみの中身出し
- 仕上げ清掃
前回の施工で脱臭やヤニを落とすなど、住環境の改善をした経緯があります。
よって今回の作業は必要最低限で済み、費用も安く抑えられました。
ブルークリーンの施工事例②
住人が入院中に、汚れたお部屋を限られた予算で片付けた事例です。
ご親族が現場を訪れたところ、室内に生ゴミや家財道具が散乱していたため、ブルークリーンにご依頼いただきました。
生ゴミや雑誌新聞などは生活ゴミに相当し、自治体のルールに沿って仕分けをおこなうので、通常の作業よりも時間がかかります。
予算に限りがあったので、地域の清掃センターと連携して作業を進めました。
この事例では以下の作業を行っています。
- 不用品の仕分け
- 清掃センターの手配
- 生ごみの中身出し
- ハウスクリーニング
清掃センターの運搬業者と連携が取れたので、作業はスムーズに完了しました。
まとめ
生前整理とは、元気なうちに身の回りのものを整理しておくことです。
「物・心・情報」の3つの要素に分けて整理すると、スムーズに進められます。
生前整理のなかでも、物の整理には労力と時間の負担が大きくかかります。
自分の手に負えない場合は、積極的に専門の業者に相談してみてくださいね。