特殊清掃を依頼したいけれど、どんな作業が行われるのか、費用はどれくらいかかるのか、不安に感じていませんか?
ホームページを見ても情報が少なく、実際の事例がわかりにくいと感じる方も多いはずです。
「特殊清掃って、具体的にどんなことをするの?」
「遺品整理も含めて、まとめて依頼できるのかな?」
そんな疑問や不安をお持ちのあなたに向けて、この記事では実際に行われた特殊清掃の事例15選をもとに、作業内容や費用、判断ポイントを分かりやすくご紹介します。
特殊清掃は、単なる清掃ではなく、“人の安心”を取り戻す仕事です。
不安を抱えるあなたが、この記事を通じて少しでも安心できるきっかけになれば幸いです。
こんな方におすすめ!
- 特殊清掃を検討しているものの、作業内容や費用のイメージが持てず不安な方
- 実際の特殊清掃事例を参考にして、信頼できる業者を選びたい方
- 孤独死・事故・ゴミ屋敷・遺品整理などの対応に悩んでいる方にも役立つ内容です
- 身内や管理物件で特殊清掃が必要になり、判断を急いでいる不動産管理・オーナーの方
- 「こんなとき、他の人はどうしたのか?」と他の事例を知ってから動きたい方
▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」)
・これまで4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ」
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video
1.実際に対応した特殊清掃の事例15選|作業内容・費用・背景を解説
実際にブルークリーンが対応した特殊清掃の現場を、作業内容や費用とあわせてご紹介します。
単なる参考例ではなく、すべて実際にあったケースなので、作業の流れや費用感をより具体的にイメージしていただけます。
それぞれ参考にしてみてください。
清掃事例1.東京都大田区2Kアパート
この事例は、亡くなった方のご遺族からで
「ゴミ屋敷状態の部屋で発見されて、悪臭で近隣へ迷惑をかけているので急いで対応してほしい」
というものでした。
亡くなった方の形見分けも依頼したので、以下のような作業内容で行いました。
- 腐敗体液・汚染箇所の清掃
- 室内および物品への消毒・消臭処理
- ハエ・ゴキブリ等の害虫駆除(発生源対応含む)
- 相続関連書類や貴重品の捜索
- 書籍や生活用品などの仕分け作業
- 残置物の分別・撤去
- 仕上げとしての脱臭処理(オゾン機器併用)
細かいところまで頼めるので、気になることは何でも聞いてみましょう。
例えば、入ることすら困難な場所で貴重品を探してほしいというケースであっても対応できます。
「室内で突発的な大量吐血が発生し、複数箇所が血液汚染された部屋の特殊清掃」を頼んだ事例です。
入院が長期化することが確定したため、賃貸物件の契約終了に伴い、退去前に汚染箇所の専門清掃が必要になりました。
血液は床や家具に飛散し、感染症リスクや臭気の発生が懸念される状況だったため、以下のような作業を行いました。
- 血液の除去と汚染箇所の洗浄
- 感染症を想定した消毒処理と脱臭作業
- 残置物の回収・処分
- 遺品や貴重品の捜索・仕分け対応
今回はご家族が遠方にお住まいで立ち会いが難しかったため、不動産会社様から鍵をお預かりして対応しました。
血液汚染は放置すると臭気や衛生面でのリスクが高まり、通常清掃では除去できないことも多いので、早めに専門業者へ依頼するのがおすすめです。
間取り | 1R |
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人数 | 3名 |
時間 | 5時間 |
費用 | 243,000円 |
施工事例:【東京都世田谷区】特殊清掃の施工事例|血液が飛散し感染症リスクが高まった現場とは?
清掃事例3.東京都練馬区1Rアパート
次は、賃貸物件で孤独死が発生した部屋の特殊清掃事例です。
ご遺族から「強い臭いが残っており、自力では対応できない」とご相談いただき、賃貸契約の関係上、できるだけ早く対応してほしいとのことで緊急対応となりました。
現地に入ると、腐敗臭とタバコのヤニ臭が混ざり合った重たい空気に包まれていました。
北向きで湿気がこもりやすい構造のため、壁や天井には広範囲のカビも発生。
床付近には体液の染み出し跡があり、臭気は建材や家財にまで深く浸透していました。
さらに、ヤニによる黄ばみや臭いはエアコン内部まで及んでおり、複合的な悪臭が発生している状態でした。
- 体液・腐敗物の除去および汚染箇所の洗浄
- 感染症対策を想定した消毒およびオゾン脱臭処理
- 室内の残置物および生活ゴミの撤去
- 貴重品・形見分け対象品の捜索
- 壁紙およびクッションフロア(CF)の撤去作業
今回は「臭気」「衛生状態」「視覚的な印象」をすべてリセットする総合的な特殊清掃をご提案し、作業後は、再度いつでも脱臭できるアフターフォローサービスもご案内しました。
ブルークリーンでは、お客様の状況に応じて無料で対応できるケースもありますので、まずはご相談ください。
間取り | 1R |
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人数 | 3名 |
時間 | 4時間 |
費用 | 145,000円 |
清掃事例4.東京都三鷹市1DKアパート
特殊清掃の依頼では、また次の人に貸し出しできるようにアパートを元通りにする原状回復工事を頼むこともできます。
この事例では、大量の荷物が残されていただけではなく、生活ゴミも残っているいわゆる『ゴミ屋敷状態』だったものです。
遺族の方も部屋に入れない状態で形見分けができていないとのことで、貴重品の捜索も依頼内容に含まれました。
- 室内の可燃・不燃ごみの分別仕分け
- 家財道具の搬出・処分
- 貴重品・遺品の捜索・分類
- 腐敗液が染み込んだ建材の除去および洗浄
- ハエなどの発生源に対する害虫駆除(防疫作業)
- 強い臭気に対する消臭・脱臭処置(オゾン+薬剤)
- 感染症予防を目的とした空間全体の消毒
- 原状回復工事に向けた衛生状態の是正
遺品整理を特殊清掃と合わせて依頼できるのは、大きなメリットです。
しかし、依頼する前に必ず確認してほしいのが「その業者に遺品整理の実績があるかどうか」です。
遺品は単なる家財ではなく、故人やご家族にとってかけがえのない思い出や記録です。
ノウハウや配慮がない業者に任せてしまうと、中身を確認せずに貴重品や大切な品まで処分される恐れがあります。
こうしたトラブルを防ぐためにも、遺品整理の経験が豊富で、取り扱いに責任を持つ業者を選ぶことが何より重要です。
実績と信頼のある業者に相談することで、作業の質だけでなく、精神的な安心も得られます。
間取り | 1DK |
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人数 | 7名 |
時間 | 2日 |
費用 | 731,000円 |
施工事例:【東京都三鷹市】特殊清掃の施工事例|天井までゴミが積もった孤独死現場を原状回復
清掃事例5.東京都新宿区リビング(戸建て)
特殊清掃では、孤独死が発生した住居の原状回復も対応可能です。
今回の事例では、比較的早期に発見されたものの、体液が床材にまで浸透し、腐敗臭が発生していました。
さらに、臭気は床周辺の家財や建材にも広がっており、表面清掃だけでは改善できない状態でした。
そのため、臭気源の除去から消毒・消臭まで、段階的かつ徹底的な作業を行っています。
- 汚染箇所の床材部分解体
- 汚染物の除去と表面の洗浄
- 感染症対策を考慮した消毒処理
- 臭気分子に対応した脱臭作業(オゾン機器使用)
孤独死の現場は、見た目以上に深刻な汚染が進んでいることが多く、一般の方が安全に片付けられる状態ではありません。
腐敗や体液の浸透は時間とともに建材の奥深くまで進み、害虫やカビの発生リスクも高まります。
その結果、作業範囲が拡大し、費用や工期も増大します。
今回のように早期発見できたケースでは被害を最小限に抑えられますが、遅れるほど被害は加速度的に進行します。
ご家族や親しい方が一人暮らしの場合は、日常的な連絡や安否確認が、最大の予防策となります。
間取り | リビング |
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人数 | 2名 |
時間 | 2時間 |
費用 | 86,000円 |
施工事例:【東京都新宿区】特殊清掃の施工事例|ご遺体から漏れ出た脂分が床を汚染した孤独死現場に対応
清掃事例6.東京都品川区1DKアパート
孤独死が発生し、発見までにおよそ2週間が経過した特殊清掃の事例です。
一見すると損傷や汚染の程度は軽く見えましたが、現場はアパートの2階で、1階には入居者がいる環境でした。
そのため、臭気や衛生面での二次被害を防ぐため、迅速な対応が不可欠な状況でした。
物件のオーナー様からは「今後この部屋を賃貸として貸し出す予定はない」と事前に伺っていたため、必要最低限の範囲での作業を実施する方針を決定しました。
- 汚染箇所の床材部分解体
- 害虫および虫の死骸の撤去
- 感染症リスクに配慮した消毒処理
- 臭気分子を分解する脱臭作業
- 室内に残された生活用品や家具の撤去
- 室内全体の簡易清掃
貸し出しや再利用を前提としない場合、作業範囲を絞ることで費用を抑えることは可能です。
しかし、放置すれば臭気や害虫が近隣にまで及び、早期対応よりも結果的に手間も費用も増えるリスクがあります。
アパートに限らず、持ち家であっても使用予定がない場合は、こうした事例を参考に、近隣への影響が広がる前に早めの片付けを検討することが重要です。
間取り | 1DK |
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人数 | 2名 |
時間 | 3時間 |
費用 | 78,000円 |
施工事例:【東京都品川区】特殊清掃の施工事例|アパート2階の孤独死で発生した腐敗臭を完全除去
清掃事例7.東京都中野区1Kマンション
孤独死とゴミ屋敷の特殊清掃を頼んだ事例もあります。
玄関の扉を開けた途端に、生活ゴミと腐敗臭が充満するほどひどい環境で、個人での片付けは難しい状況です。
さらに、室内の悪臭は外に漏れ出しており、迅速な処理が求められたことで以下の内容で行われました。
- 腐敗物の徹底撤去
- ウイルス・細菌を想定した除菌処理(BSL2相当)
- 臭気分子を分解するオゾン・薬剤併用の脱臭作業
- 生活動線および家具周辺の貴重品探索
- 大量の生活ごみおよび家具類の撤去・処分
- 床材・壁材の交換を含む原状回復工事の実施
ゴミ屋敷のように大量に捨てなければならないモノがあるなら、収集運搬処理業者の手配が必要となります。
さらに、貸し出しできる状態に整えるなら、解体作業によって出る廃材を捨てることも。
そうすると費用もそれだけ膨らむので、悪化する前に早めに頼むようにしましょう。
間取り | 1K(ロフト付き) |
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人数 | 6名(工事職人を除く) |
時間 | 1日(原状回復工事1ヶ月) |
費用 | 978,000円 |
施工事例:【東京都中野区】特殊清掃の施工事例|ゴミ屋敷と孤独死が重なった部屋で原状回復まで実施
清掃事例8.神奈川県相模原市1Rアパート
この事例は、神奈川県相模原市内の賃貸アパートで発生した孤独死による特殊清掃です。
死後しばらく経過していたため、室内には強い腐敗臭と体液の浸透がありました。
以下の内容で対応を行っています。
- 汚染物(腐敗体液・臭気を帯びた資材等)の物理的除去
- 高濃度薬剤による除菌・ウイルス対策
- オゾン燻蒸による脱臭
- 遺品および貴重品の捜索(形見分け対応)
- 残置物の適正処分・運搬
- 原状回復前提の最終清掃(床・壁の洗浄/拭き上げ)
特殊清掃は、通常の原状回復業者では対応が難しいケースも多く、放置すれば臭気や汚染がさらに広がります。
賃貸物件の場合は、早めの対応が費用面でも負担を減らすポイントになります。
間取り | 1R |
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人数 | 5名 |
時間 | 2日 |
費用 | 525,000円 |
清掃事例9. 東京都足立区1Kマンション
こちらは、外に臭いが漏れ出してしまった1Kマンションの特殊清掃です。
腐敗した体液が広範囲に広がっており、早急な処理が求められていました。
貸し出しの予定があることから、以下の作業で丁寧におこない満足してもらえたケースです。
- 腐敗物および汚染物質の完全撤去
- 高レベル除菌と消臭の併用処理
- 臭気分子を分解する機械式脱臭
- 室内での貴重品探索・保全
- 家具や生活用品を含む残置物撤去
- 廃棄物の安全パッキングと搬出
- 体液浸透部の床材部分切断
- 汚染範囲の壁紙撤去
- 汚染や臭気が染み込んだ床材撤去
作業完了後は、依頼主様が手配する原状回復工事によって室内を元の状態に戻す予定となっていました。
そのため、原状回復自体はブルークリーンでは実施せず、以降の工程はすべて依頼主様にお任せする形となりました。
間取り | 1K |
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人数 | 5名 |
時間 | 8時間 |
費用 | 457,000円 |
施工事例:【東京都足立区】特殊清掃の施工事例|孤独死による強烈な腐敗臭が廊下まで広がった部屋を徹底清掃
清掃事例10.東京都板橋区1Kアパート
この事例では、見積もりをしてもらったときにすぐに依頼したケースです。
孤独死後2ヶ月が経っており、部屋全体に、腐敗臭と害虫が大量に発生している状態でした。
臭いもひどいため、消臭を含めてのご依頼です。
- 腐敗物の撤去
- 室内全域の消毒・消臭作業
- 残置物の分別・撤去
- 貴重品や重要書類の捜索
- 体液が浸透した床材の部分解体
- 臭気の吸着源となる壁紙クロスの撤去
立ち会いをすることで、貴重品の整理を含む遺品の片付けも迅速に行われました。
もちろん、立ち会いなしでも頼むことができます。
しかし、実物を目で見て確かめたい、不安なことがあるなら清掃を見届けてみるのもおすすめです。
気になったことはその場で聞けるので、追加の依頼も簡単にできるでしょう。
間取り | 1K |
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人数 | 4名 |
時間 | 2日 |
費用 | 356,000円 |
施工事例:【東京都板橋区】特殊清掃の施工事例|約2か月後に発見された孤独死現場の徹底清掃
清掃事例11.東京都葛飾区1Kアパート
アパートで行われた特殊清掃と遺品整理の事例です。
遺人は、親族と疎遠状態にあり、作業費用は全てオーナー負担となりました。
費用面のこともあり、新しく貸し出し予定もないとのことでしたので、コストを抑えた以下の作業をおこなったのです。
- 腐敗物や体液の撤去
- 高濃度薬剤による消毒と臭気分子の分解消臭
- 家財や残置物の撤去
- 貴重品・重要書類の丁寧な捜索
近年では、こうしたオーナーが費用を負担するケースが増えています。
どのくらいまで綺麗にしたいのか、今後の予定も含めて相談していただければ、適切なプランをご提案します。
費用に不安があるときには、任せる範囲を指定してみるのも費用を抑えるコツです。
間取り | 1K |
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人数 | 2名 |
時間 | 6時間 |
費用 | 128,000円 |
清掃事例12.東京都大田区2Kアパート(コタツ)
ご遺体がコタツで発見された2Kアパートの特殊清掃を行った事例も見てみましょう。
不廃物が若干残っている程度でしたが、部屋全体に腐敗臭が染み付いていました。
他の住人のためにも、以下の作業内容で対応し、費用を抑えながらの作業です。
- 空間の消臭
- 遺品整理
- 畳の撤去
- 腐敗物の除去
時間はかかっていますが、物量が少ないことで費用は抑えられています。
孤独死での遺品整理も含めて依頼できるので、片付けが難しいときにも利用できますね。
間取り | 2K |
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人数 | 4名 |
時間 | 2時間 |
費用 | 198,000円 |
施工事例:【東京都大田区】特殊清掃の施工事例|コタツの中で発見された孤独死現場とは?
清掃事例13.神奈川県川崎市3LDKマンション
今回の事例は、「高齢の男性が孤独死され、発見まで時間が経過していたため室内には強い臭気が充満」したケースです。
玄関付近や共用部まで影響が及ぶ緊急性の高い状況で、「一刻も早く対応を」との要望を受け、迅速に現地確認と準備を行いました。
本件は、孤独死に伴う典型的なケースであると同時に、早期対応が近隣トラブルや物件価値の維持につながる非常に重要な局面でもありました。
- 室内全体のゾーニング(汚染拡大防止と動線の確保)
- 作業前処置(初期除菌と安全対策の徹底)
- 血液性残留物およびOPIMの撤去
- タンパク質分解薬剤によるスクラブ洗浄
- フローリングの汚染箇所撤去(下地材含む)
- 天井・壁面の表面洗浄(臭気および感染リスクの軽減)
- 空間除菌・表面コーティング処理(感染対策)
- オゾン脱臭および薬剤消臭処理
- スチーム洗浄・ヒートガンによる熱処理
特に今回はソファーや床下地まで体液が浸透し、臭気や感染リスクが広範囲に及んでいました。
作業では防護服を着用し、作業範囲の区分け、汚染部材の撤去、熱処理や薬剤洗浄など多段階の工程を実施。
これらの工程は、単に見た目をきれいにする作業ではなく、「衛生的に安全な空間へと戻す」ための高度なバイオリカバリー作業となります。
そのため、使用する薬剤・機材、作業員の防護体制、時間・労力、そして再発防止策までを含めた総合対応が必要となり、結果として見積金額は高額となりました。
ご遺族様からも「ほかの業者には断られてしまったのに、ここまで対応してもらえて本当に助かりました」とのお言葉をいただきました。
間取り | 3LDK |
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人数 | 10名~ |
時間 | 5日 |
費用 | 2,375,000円 |
施工事例:【神奈川県川崎市】特殊清掃の施工事例|ソファー上で発見されたご遺体による衛生リスクに対応
清掃事例14.東京都北区1Kアパート
この事例は、親族が孤独死された1Kアパートの特殊清掃です。
検死終了後に現地調査を行ったところ、家具や生活用品がそのまま残り、残された体液の量に比べて腐敗臭がわずかに漂う状態でした。
臭気は軽度でしたが、このままでは周囲への影響や臭気の定着が懸念されました。
- 汚染布団および寝具類の搬出処理(OPIMに該当)
- 室内全体のゾーニング(作業区域の明確化)
- 作業前処置(汚染拡大の抑止と安全対策)
- 血液性残留物および体液の撤去作業
- タンパク質分解薬剤によるスクラブ洗浄
- 天井・壁面の界面活性剤洗浄
- スチーム洗浄およびヒートガンによる熱処理
臭いが軽いように感じられても、臭気の原因は複数あり、時間が経つほど除去が難しくなります。
「今は大丈夫そうだから」と判断して対応を遅らせると、後から問題が大きくなり、結果的に費用や作業規模が増えてしまうケースも少なくありません。
また、病死の場合は感染症リスクもあるため、消毒作業は必ず行っておくことを強くおすすめします。
間取り | 1K |
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人数 | 2名 |
時間 | 8時間 |
費用 | 221,760円 |
清掃事例15.東京都杉並区1DKアパート
最後の事例は、「ベッド上で発見されたご遺体から漏れ出た体液により、室内全体に特有の臭気が漂っていた1DKのお部屋」の特殊清掃です。
ご依頼者様は、今後の住まいの整理や契約手続きを控えており、「信頼できる業者に任せたい」とブルークリーンへご相談くださいました。
玄関を開けた瞬間に感じられたのは、強烈な腐敗臭ではなく、時間の経過とともに壁や家具にじんわりと染みついた臭気。
室温や換気状況の影響で拡散は限定的でしたが、生活空間としては早急な環境回復が必要な状態でした。
- 薬品による消臭
- 原因の除去
ベッド周辺を中心に汚染が集中していたため、初期段階での汚染軽減を慎重に実施。
感染性物質(OPIM)を含む可能性を考慮し、バイオリカバリー専用のPPE(個人防護具)を着用して安全確保を徹底しました。
作業完了後には、不快な臭気も大幅に軽減され、原状回復工事へスムーズに移行できる環境となりました。
間取り | 1DK |
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人数 | 3名 |
時間 | 2日 |
費用 | 400,000円 |
施工事例:【東京都杉並区】特殊清掃の施工事例|ベッド上で発見された孤独死現場に徹底した脱臭・清掃対応を行った一部始終とは?
2.特殊清掃は早めの依頼がカギ|タイミングと放置によるリスクとは
特殊清掃は、依頼のタイミングが遅れるほど難易度とコストが跳ね上がる作業です。
臭いや汚染の発生源は、床下や壁内、家具の内部など目に見えない場所に潜みます。
一般的な清掃では表面を拭き取っても、内部に染み込んだ有機物や体液、腐敗ガスが残り、数日〜数週間後に再び強烈な臭気として現れます。
実際の特殊清掃事例でも、発見から24時間以内に対応できた現場では、臭気除去や汚染部位の切除は最小限で済みました。
一方、数日間放置されたケースでは、床材・壁紙だけでなく、下地材や構造躯体にまで汚染が浸透し、解体と再施工が必要になることもあります。
また、孤独死や病死による現場では、目に見えない細菌・ウイルスが空気中や接触面に拡散している場合があります。
腐敗が進行するにつれ、感染症のリスクは急速に高まり、現場に入る家族や近隣住民の健康を脅かす可能性があります。
- 臭気・汚染物の浸透範囲が拡大し、復旧費用が増大
- 感染症や害虫発生のリスク上昇
- 近隣からの苦情や物件価値の低下
- 作業工程の長期化による精神的負担
これらの理由から、異変に気づいたら即日レベルで特殊清掃業者に相談することが最善策です。
信頼できる業者であれば、現地調査で汚染範囲を正確に特定し、適切な消臭・除染工程を提案してくれます。
どの業者に依頼すべきか迷う方は、後述の業者選びのポイントや、「特殊清掃とは?現場事例・費用・最適な業者選びのポイント【2025年最新】」の記事も併せてご覧ください。費用の目安や注意点まで、実務経験に基づいて解説しています。
3.初めてでも安心!信頼できる特殊清掃業者を選ぶポイント
特殊清掃業者を選ぶときは、次の3つのポイントを押さえることが大切です。
現場評価の正確さ | 臭気・汚染・構造上の問題などを科学的に調査し、最適な作業プランを提案できるか。 |
---|---|
作業範囲の広さ | 特殊清掃だけでなく、遺品整理や原状回復、害虫駆除、消臭、再発防止策まで一括で任せられるか。 |
緊急対応力 | 24時間365日、即日対応が可能であるか。 |
これらを満たす業者の一例が、ブルークリーンです。
当社は創業以来、4,000件以上の特殊清掃・災害復旧・遺品整理など片付け案件を手がけ、臭気成分の分析や感染症リスク評価など科学的根拠に基づいた作業を徹底しています。
「何から手をつけていいかわからない…」というときこそ、まずは上記の3つの条件を満たす業者に相談してください。ブルークリーンなら、そのすべてにお応えできます。
また、普段からお願いしている業者に依頼したいけれど「金額の相場が不明で不安…」という方は、以下の相場表も参考にしてみてください。
ブルークリーンでは透明性の高い見積提示を徹底しています。
間取り | 費用の目安 |
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1K〜1R(9㎡〜28㎡) | 78,000〜280,400円 |
1DK〜3LDK(25㎡〜70㎡) | 135,000〜482,000円 |
4DK〜(71㎡~) | 245,000〜690,000円 |
物量過多の部屋(ゴミ屋敷) | 要見積もり |
参考記事:【悪徳業者に騙されない】特殊清掃料金の相場目安と事例7選で徹底解説!
4.まとめ|事例から学ぶ、後悔しない特殊清掃の始め方
この記事では、実際の特殊清掃事例を15件取り上げました。
内容は、悪臭の原因除去だけで済む軽度のケースから、床や壁の撤去、害虫駆除、消毒、原状回復工事までを伴う大規模なケースまで多岐にわたります。
これらの事例から見えてくる共通点は、「対応の早さ」が状況と費用を大きく左右するという事実です。
時間が経過するほど臭気や汚染が構造体まで浸透し、除去は困難かつ高額になります。
専門家の視点から言えば、特殊清掃は単なる片付けや清掃ではなく、衛生管理・建築知識・リスク評価を総合的に組み合わせた環境復旧技術です。
15件の事例が示すように、最小限で済ませるか、必要十分に仕上げるかの判断は、初動の正確さと迅速さにかかっています。
最終的に、衛生面の安全確保と費用抑制を両立させる唯一の道は、「適切な初動を、適切な方法で行うこと」です。
これが、数多くの現場経験から導かれた専門家としての結論です。
5.特殊清掃の事例に関するよくある質問9選【費用・作業・対応範囲など】
最後に、特殊清掃に関して寄せられることの多い質問を9つ厳選し、専門家の視点から回答をまとめました。
実際の現場経験に基づくため、一般的なネット情報や広告には載らない実務的な内容も含まれています。
費用の目安、作業工程、対応できる範囲など、事前に知っておくことで判断がスムーズになり、後悔や予期せぬ追加費用を防ぐことにもつながります。
Q.警察の検視がまだ終わっていない状況でも、臭いが強いため作業に入ってもらえますか?
原則として、警察の検視や捜査が完了するまでは、特殊清掃業者が現場に立ち入ることはできません。
これは遺体発見現場が「事件性の有無を確認するための法的な調査対象」となっており、第三者の立ち入りが証拠保全や調査の妨げになる可能性があるためです。
ただし、例外的に警察側からの許可や立ち会いが得られた場合、臭気の一時的な軽減作業や、近隣への影響を抑えるための緊急対応を行うことがあります。
この場合も、遺族や物件管理者を通じて警察と連携し、作業内容や範囲を明確にしたうえで実施するのが原則です。
特殊清掃の現場は「作業可能なタイミング」と「作業すべき優先順位」の判断が非常に重要であり、法的手続き・安全管理・近隣配慮を同時に進める必要があります。
そのため、臭気が強い場合は、まず業者に現状を相談し、警察との調整を経て最適な初期対応を決めることが推奨されます。
参照:警察が取り扱うご遺体に関する調査・検視などの手続について
Q.血液や体液が付着したものでも買い取り可能な場合ってありますか?
血液や体液が付着した物品は、ほとんどの買取業者で衛生面や感染症リスクの観点から買取対象外となります。
しかし、骨董品や貴金属、美術品など資産価値が高い品の場合は、専門の除染処理や殺菌作業を行ったうえで買取可能となるケースがあります。
そのため、特殊清掃とリユースの両方に対応できる業者へ相談することが重要です。
Q.特殊清掃をすることでどれくらい綺麗な衛生状況に戻せますか?
特殊清掃のゴールは、見た目をきれいにするだけではなく、病原菌や有害物質を除去し、安心して生活できる衛生環境に戻すことです。
血液や体液、腐敗による汚染は、表面的にきれいになっても細菌・ウイルス・カビが残っている可能性があります。
そのため、消毒・除菌・脱臭・再汚染防止策までを行い、場合によっては入居前以上の衛生レベルまで改善します。
例えばブルークリーンでは、ATPふき取り検査や第三者研究機関による空気中浮遊菌検査など、数値で衛生状態を確認する工程をお客様の「ゴール」に合わせて提案しています。
これにより、作業後は「見た目の清掃済み」だけでなく、「科学的検証により安全性が確認された」状態でお渡しすることも可能です。
Q.特殊清掃の費用は、汚染の度合いや作業範囲、使用する薬剤・機材など、どのような要素を基に見積もられるのですか?
通常、特殊清掃の見積もりは、単に「作業一式いくら」という曖昧な計算ではなく、明確なコスト構造に基づいて算出されます。
主な内訳は以下のとおりです。
- 作業に従事するスタッフの人件費(人数×作業時間)
- 消臭剤・防護具・養生資材などの資材費
- 感染症対策や事故防止のための安全対策費
- 企業ごとの販管費(顧客品質への投資を含む)
販管費には、作業員の教育・ATP検査・第三者機関による衛生検証・高額な賠償保険など、品質や安全を担保するためのコストが反映されます。
これらの項目を、臭気強度・汚染範囲・緊急度・搬出条件などの「現場条件係数」に応じて数学的に配分し、最後に適切な利益を積み上げたものが最終的な見積額となります。
こうした算出根拠を明示できる業者ほど、透明性と品質の両立が期待できます。
Q.孤独死以外でも、著しく衛生環境が悪化した現場(ゴミ屋敷・害虫大量発生など)にも特殊清掃は対応できますか?
もちろん可能です。ただし、業者によって対応できる範囲は異なります。
例えばブルークリーンでは、孤独死の現場だけでなく、ゴミ屋敷化による悪臭や腐敗物、害虫・害獣の大量発生、ペットの糞尿や死骸による汚れ、火災や水害後の汚染、カビや細菌・ウイルスの拡散など、著しく衛生状態が悪化したあらゆる現場に対応しています。
状況に応じて汚れや菌の量を数値で測定し、安全性を確保しながら消臭・除菌・清掃を行い、安心して使える状態まで復旧します。
Q.孤独死発覚後、特殊清掃より先に遺品整理を進めても問題ありませんか?
孤独死発覚後に遺品整理を先に行うことは、基本的にはおすすめできません。
家具や荷物を動かすことで、床や壁に付着した体液や悪臭の原因物質が広がり、二次汚染や臭気の悪化を招く可能性があるためです。
必ずしも血液や細菌・ウイルスが存在するとは限りませんが、発生状況によっては衛生リスクが高い場合もあります。
安全のため、まずは特殊清掃で必要な除去・消毒を行い、その後に遺品整理を進めるのが望ましい流れです。
Q.不動産オーナーです、コストの面で特殊清掃を入れずにしばらく放置することはアリでしょうか?
原則として、特殊清掃を行わず放置することは推奨しません。
例外としては、建物を取り壊す予定がある場合や、今後貸し出す予定がなく、かつ近隣に臭いや害虫などの影響が及ばない環境であれば、短期間の放置は可能です。
ただし、長期的に見ると、特殊清掃を行わなかったことで建材の腐食や臭気の浸透が進み、後の修繕費用が高額になるケースもあります。
費用だけで判断せず、将来のリスクも考慮することが大切です。
Q.特殊清掃を相見積もりで比較する場合のポイントは何ですか?
特殊清掃を相見積もりで比較する際のポイントは、単純な金額の安さではなく、見積もりの内訳や根拠の明確さです。
具体的には、
- 作業範囲が明確か(どこまで清掃・消臭・除菌を行うか)
- 使用する資材や薬剤の品質(安価な薬剤で済ませていないか)
- 人員数と作業時間(過不足なく適正か)
- 安全対策や廃棄物処理の方法(法令遵守されているか)
- 事後の衛生検査や保証の有無
これらを比較することで、費用対効果の高い業者を選びやすくなります。
単純な価格比較は誤った選択につながるため、必ず項目ごとに根拠を確認することが大切です。
Q.特殊清掃費用は火災保険の補償対象になりますか?
特殊清掃費用が火災保険で補償されるかどうかは、契約している保険の補償範囲と事故原因によって異なります。
例えば、火災・爆発・水漏れ・車両の衝突など、保険約款で「不測かつ突発的な事故」として定められた原因で汚損や臭気被害が発生した場合は、特殊清掃にかかる費用が補償対象となるケースがあります。
一方で、孤独死や自然死、長期間放置による腐敗臭など、保険の対象外とされる事例では適用されないことが多く、近年は特約(例:孤独死対応特約)を付けない限り補償されない傾向が強まっています。
また、同じ事故原因であっても、保険会社によっては「清掃費用は原状回復費用に含まれず、内装補修のみが対象」と判断される場合もあります。
必ず契約書や約款を確認し、不明な場合は保険会社または代理店に直接確認することが重要です。