床下浸水時の水抜き方法|必要な道具や注意点、業者に依頼する場合の費用も解説

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「大雨のあと床下が水浸しになってしまい、なんとか水抜きをしたい」

「自分で水抜きをしてもいいのか、業者に頼むべきか悩んでいる」

このような状況で本ページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

床下に水が残ったままの状態が続くと、木材の腐食やカビの繁殖、シロアリ被害、悪臭の発生など、家そのものの寿命を縮めるトラブルにつながるおそれがあります。

そのため、一刻も早く水抜きをして被害の拡大を止めることが大切ですが、やみくもに作業を進めると、ケガや感電事故など別のリスクを招くケースもあります。

そこで本記事では、床下浸水時の水抜き方法をはじめ、必要な道具や作業時の注意点、業者へ依頼した場合の費用相場まで、順を追ってわかりやすく解説します。

ご自宅の状況に合わせて、「自分でできる範囲」と「プロに任せるべきライン」を見極める際の参考にしてください。

この記事で分かること

この記事でわかること
  • 床下浸水時の水抜き方法と必要な道具
  • 水抜き作業を行う際の注意点
  • 床下の水抜きを業者に依頼すべき理由と費用

床下浸水時の水抜き方法

床下浸水が発生した際に自力で行う水抜き方法と、その後の汚泥処理や乾燥・消毒手順を解説するバナー画像

床下浸水が起きた場合、まず行うべきなのが「水をできるだけ早く外へ排出すること」です。

ここでは、自力でできる水抜き方法を具体的な手順に沿って紹介します。可能な範囲で落ち着いて作業を行いましょう。

バケツを使って水抜きをする

床下に溜まった水が比較的浅い場合や、排水ポンプが手元にないときは、バケツを使った手作業による排水が基本になります。

シンプルな方法ですが、確実に水位を下げられるため、小規模な浸水では十分有効です。

まずは点検口を開け、足場が安定していることを確認したうえで、柄の長いバケツやひしゃくを使って水を汲み出します。床下は暗く滑りやすいため、ヘッドライトや懐中電灯を併用し、安全に作業できる環境を整えてから始めることが大切です。

汲み上げた水は庭先や側溝へ流すのが一般的ですが、泥が混じっている場合は詰まりを引き起こす可能性があるため、バケツに泥を沈殿させてからゆっくり排水するようにしましょう。

手作業は時間がかかりますが、浸水直後の応急処置として行うことで被害を最低限に抑えられる可能性があります。無理のない範囲で手作業による排水作業を行っておきましょう。

排水ポンプを使って水抜きをする

水の量が多い場合や、バケツではなかなか排水が進まないときは、排水ポンプを使う方法が効率的です。

ただし、家庭用の小型ポンプでは汚泥や枯葉などを含む水の排水はできないケースも多いです。短時間で大部分の水を外へ出すためには、十分な排出能力がある工事用排水ポンプや汚泥対応モデルを選ぶようにしましょう。

排水の際は、ポンプを最も水が深い場所に設置し、吸入口に泥や落ち葉が詰まらないよう、レンガや木片の上に少し浮かせて置くとスムーズに吸い込めます。排水ホースは、庭や排水路、側溝など、水を流しても問題のない方向へ伸ばしてください。

床下浸水時に排水ポンプを使用し、作業員が床下に溜まった水を除去している様子

また、水が減ってくるとうまく排水できなくなってくるので、こまめにポンプの位置を調整するようにしましょう。排水ポンプでも水を吸い込めないほど水位が下がったら、タオルやスポンジを使って丁寧に水を取り除いてください。

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床下浸水時に活躍する家庭用排水ポンプとは|選び方とおすすめ製品3選を解説

溜まった汚泥を処理する

水を抜いたあとに必ず行うべきなのが、床下に残った汚泥の処理です。

浸水後の床下には、泥・砂・枯れ葉・細かなゴミが層のように堆積しているため、放置するとカビや悪臭、木材の腐食といった二次被害につながります。

スコップやちり取りを使い、厚い泥の層を丁寧にすくい取って外へ運び出しましょう。必要に応じて台車を活用すると効率的です。

しっかり乾燥させる

水抜きと汚泥の除去が終わったら、床下を徹底的に乾燥させます。

乾燥には扇風機や送風機、場合によっては業務用の乾燥機を使うのがおすすめです。床下の空気を循環させるように複数台を配置し、最低でも数日~1週間程度は連続して稼働させましょう。

また、可能であれば床下点検口だけでなく窓や換気扇を開け、外気を取り込みながら乾燥を促すと効果的です。

床下浸水後に拡散送風機を稼働させ、床下空間をしっかり乾燥させている作業の様子

なお、床下は風通しが悪く湿気がこもりやすいため、「見た目が乾いたように見えても、内部に水分が残っている」というケースが少なくありません。

湿った状態が続くと、木材の腐食・断熱材の劣化・カビの大量発生・シロアリ被害など、家の構造に影響する深刻なトラブルへつながるおそれがあるので注意しましょう。

【関連記事】
床下浸水の乾燥方法とは?きちんと作業して住宅環境を整えよう!

消毒する

床下浸水では、水そのものだけでなく、泥や雑菌、カビの胞子などが一緒に入り込んでいるケースが多く見られます。

そのため、水抜きと乾燥が終わった段階で、床下全体をしっかりと消毒することが重要です。

一般的な消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系)が使われます。床下に残った汚れを取り除いたあと、薄めた薬剤をスプレーで木材・基礎・断熱材周辺へ均一に散布してください。

強すぎる薬剤をそのまま使うと変色や劣化の原因になるため、必ず使用量や希釈倍率を確認し、手袋・マスク・ゴーグルなどの防護具を着用して作業することが大切です。

床下浸水後にPPEを装着した作業員が、床下空間の消毒作業を行っている様子

また、消毒後は換気を十分に行いながら乾燥させると、菌やカビの再発リスクをさらに抑えられます。

消毒を怠ると、見えない部分で雑菌が繁殖したり、湿気を好むカビが急速に広がったりして、数週間後にカビ臭や黒カビが発生する原因となるため、忘れずに行いましょう。

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床下浸水した場合の消毒方法とは?おすすめの業者や依頼する費用も紹介

床下浸水の水抜き作業に必要な道具

床下浸水の水抜き作業を安全かつ効率的に行うために必要な道具や装備を一覧で紹介するバナー画像

床下浸水の水抜きを安全かつ効率よく進めるためには、適切な道具をそろえておくことが大切です。

浸水直後は床下が暗く、泥や破片が散乱していることも多いため、十分な備えがあるかどうかで作業の安全性やスピードが大きく変わります。

以下では、基本的な水抜き作業に欠かせない道具を一覧でまとめました。

【床下浸水の水抜きに必要な道具】
  • バケツ
  • 排水ポンプ
  • 作業用手袋(防水)
  • 長靴
  • 作業用ゴーグル
  • 粉塵マスク
  • 作業服
  • スコップ、ちり取り
  • 台車
  • 送風機
  • 消毒剤

これらの道具はホームセンターやオンラインショップでも手に入るので、作業前に揃えておくようにしましょう。

特に、排水作業での健康被害を防ぐために、作業服や長靴、手袋やゴーグルといった装備は欠かせません。

床下浸水の水抜きをする際の注意点

床下浸水の水抜き作業を行う際に注意すべき安全対策や服装、ケガ防止のポイントを解説するバナー画像

床下浸水の水抜き作業は、見た目以上に危険を伴います。濡れた床下は足場が悪く滑りやすいほか、破片・釘・ガラス片などが混ざっているケースも多く、適切な準備がないとケガにつながるおそれがあります。

作業に集中するあまり安全面が疎かになりがちなので、「どのような姿勢で作業すべきか」「何を身につけるべきか」を事前に把握しておくことが非常に重要です。

ここでは、安全に水抜きを進めるためのポイントを2つの視点から解説します。

必ず清掃用の服装で作業する

床下で水抜き作業を行う際は、必ず以下のような清掃用の作業着を着用しましょう。

  • 丈夫な生地でできた作業着
  • 長靴
  • ゴム手袋(防水仕様)
  • ゴーグル
  • 防塵マスク

浸水した床下には、割れた破片・釘・金属片・ガラスなど、目に見えない危険物が混ざっていることが多く、素肌が露出していると簡単にケガをしてしまいます。

また、汚泥には雑菌やカビの胞子が含まれているため、作業中に水が目や口に入ると感染症を起こすケースもあります。

そのため、作業前には必ず装備を整え、安全を確保したうえで水抜きを行うことが大切です。

作業中に怪我をした場合はすぐに消毒する

水抜き作業中に怪我をした場合は、まず水で患部の汚れをやさしく洗い流し、その場で応急的に消毒を行いましょう。

傷が深い、泥が取り切れない、腫れが広がってきたといった場合は、作業を中断して速やかに医療機関を受診してください。

特に、釘刺しや深い切り傷は破傷風のリスクもあるため、念のため医師の判断を仰ぐことが大切です。

安全な作業を行うためには、怪我をしない工夫と同じくらい、「万が一の対応」の準備も欠かせません。作業をする際は、消毒液や絆創膏などを準備しておきましょう。

参照:破傷風(Tetanus)|厚労省検疫所

床下浸水の水抜きは業者に依頼するのがおすすめ

床下浸水の水抜き作業は専門工程が多く、業者に依頼するのがおすすめであることを伝えるバナー画像床下浸水は一見すると「水を汲み出すだけ」の作業に思えますが、実際には汚泥の除去・断熱材の確認・乾燥・消毒など、専門的な工程が必要です。

また、浸水の原因が給排水設備の故障や土台のひび割れなどの場合、自力での対処では根本的な解決ができません。

その点、業者であれば、専用の排水ポンプや強力送風機を使用しながら、床下の状態を隅々まで点検し、必要に応じて断熱材の交換や土台の補修なども提案できます。

さらに、汚水に触れることで起こる感染症のリスクも避けられるため、安全面でも大きなメリットがあるでしょう。

「早く家を元の状態に戻したい」「自分でやったけれど乾燥が不十分かもしれない」という場合は、早めに専門業者へ依頼するのがおすすめです。

プロの手で適切に処理すれば、再発リスクを最小限に抑え、安心して生活を再開できます。

床下浸水でお困りならブルークリーンへお任せください

床下浸水の復旧ならブルークリーン

床下浸水の水抜きで困っている方におすすめなのが、特殊清掃のプロフェッショナルであるブルークリーンです。

ブルークリーンでは、床下の排水・汚泥除去・強制乾燥・消毒までを一貫して行い、再発を防ぐための徹底した復旧作業を提供しています。

まず、現場調査では床下の広がりや泥の堆積、断熱材の劣化状況まで丁寧に確認し、必要な作業内容を明確にお伝えします。

水抜きや乾燥工程では、専用ポンプや業務用送風機を使用するため、家庭用の道具では難しい深部の排水や乾燥も可能です

また、作業中の養生や防疫対策を徹底しているため、作業による汚れの拡散や菌の飛散といったリスクも最小限に抑えられます。

「一刻も早く元の生活に戻りたい」「家の健康状態を確実に回復させたい」という方こそ、ぜひ一度当社へご相談ください。

経験豊富なスタッフがご自宅の状況に合った復旧プランをご提案させていただきます。

床下の水抜きにかかる費用相場

ブルークリーンで床下浸水の水抜きをご依頼いただいた場合にかかる費用は、浸水の深さ・泥の量・床下の広さ・断熱材の状態などによって大きく変わります。

一般的な木造住宅で床下点検口から作業できるケースでは、比較的軽度の浸水で8万円〜18万円前後が目安です。

一方、泥が多く堆積している場合や、断熱材に水が染み込んで一部交換が必要な場合は、15万円〜35万円前後まで費用が上がる可能性があります。

作業内容としては、排水ポンプによる水抜き、汚泥の除去、専用機材を用いた床下乾燥、塩素系薬剤などによる消毒といった工程が含まれます。

なお、実際の費用は状況によって大きく異なるため、正確な金額を知りたい場合は現地調査が必須です。

「どれくらい費用がかかるのか知りたい」「どんな工程まで対応してくれるのか知りたい」といった状況でも問題ありませんので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

【関連記事】
床下浸水の処理費用はどれくらい?自分で行う場合と業者に依頼する場合を比較

床下浸水の水抜きに関するよくある質問

床下浸水は頻繁に起こるトラブルではないため、多くの方が不安と疑問を抱えるはずです。

そこでここでは、床下浸水の水抜きに関してよく寄せられる質問を取り上げ、判断に迷いやすいポイントを中心にわかりやすく解説します。

床下浸水の水抜き後に早く乾かす方法は?

床下浸水後の乾燥を早めるためには、「空気を動かすこと」と「湿気を外へ逃がすこと」が重要です。

まず、床下点検口を開放し、可能であれば窓や換気口も開けて空気の通り道を作りましょう。そのうえで、送風機や扇風機を床下に向けて設置し、湿った空気を循環させることで乾燥効率が大きく向上します。

また、一部のケースでは床下に石灰を撒くのも効果的です。石灰は湿気を吸収するため、風の流れによって自然に乾燥するのを待つよりも高い効果が期待できます。

ただし、石灰の使用についてはプロの間でも意見が分かれるため、ご自宅のケースで使用が適しているかどうか判断に迷う際は一度専門業者へ相談するのがおすすめです。

ベタ基礎の水抜き方法は?

ベタ基礎の場合でも、床下浸水時の基本的な水抜きの流れは変わりません。

バケツや排水ポンプで水を排出し、汚泥を除去したあと、乾燥と消毒を行うのが基本です。

ベタ基礎特有の注意点については、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

【関連記事】
ベタ基礎で床下浸水が起きたときの対処法|原因や放置するリスク、対策まで解説

床下浸水を放置するとどうなる?

床下浸水を放置すると、次のようなリスクが発生するおそれがあります。

  • 木材が常に湿った状態になり、腐食が進行する
  • カビが繁殖し、床下や室内にカビ臭が広がる
  • 断熱材が劣化・脱落し、断熱性能が低下する
  • 湿気を好むシロアリが発生しやすくなる
  • 雑菌の繁殖により健康被害の原因になる
  • 腐敗・ひび割れなどによって耐久性・耐震性に影響が出る

床下は普段目に見えない場所だからこそ、被害に気づいたときには深刻化しているケースも少なくありません。

浸水に気づいた段階で早めに水抜きと適切な処理を行うことが、修繕費を抑え、家を長持ちさせるための重要なポイントです。

まとめ

床下浸水が起きた場合は、できるだけ早く水抜きを行い、被害の拡大を防ぐことが重要です。

バケツや排水ポンプを使った排水作業は自力でも対応できますが、水を抜くだけでは不十分で、汚泥の除去・十分な乾燥・消毒までをセットで行わなければ再発リスクは残ってしまいます。

特に乾燥不足は、カビや悪臭、木材の腐食といった深刻なトラブルにつながりやすいため注意が必要です。

また、床下は暗く狭いため、作業中のケガや感染症のリスクも見過ごせません。安全な服装を整え、無理のない範囲で作業を行うことが大切です。

浸水の範囲が広い場合や、断熱材まで濡れている場合、乾燥や消毒に不安が残る場合は、早めに専門業者へ相談することも検討しましょう。

監修者 鈴木亮太(すーさん)

ブルークリーン株式会社

取締役 環境復旧対策部部長

▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」
・これまで8年以上4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる

▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video