「ベタ基礎の家だから安心だと思っていたのに、床下が水浸しになっているのを見つけてしまった…」
そんな不安な気持ちで本ページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
ベタ基礎は「布基礎より安心」と言われる一方で、一度水が入り込むと気付きにくく、湿気がこもりやすい構造でもあります。
表面の床が乾いていると「とりあえず様子を見よう」と考えてしまいがちですが、床下に水分が残ったまま放置すると、カビの発生や木部の腐食、シロアリ被害など、家そのものの寿命を縮めてしまうおそれがあるので注意が必要です。
本記事では、ベタ基礎で床下浸水が起きたときの対処法、放置するリスク、考えられる原因、そして今後同じ被害を繰り返さないための対策まで、順を追ってわかりやすく解説します。マイホームを長く安全に守るための判断材料として、ぜひ最後まで参考にしてください。
- ベタ基礎における床下浸水のリスクと放置してはいけない理由
- ベタ基礎で床下浸水が起きたときの対処法
- 床下浸水の処理を業者に依頼するメリットや費用
ベタ基礎でも床下浸水は起こる?

ベタ基礎は、床下全体をコンクリートで覆う構造のため「湿気に強い」「水が入りにくい」といったイメージを持つ方も多いでしょう。
実際、地面からの湿気を遮断しやすい点はベタ基礎の大きなメリットです。しかし、これはあくまで湿気に対して強いという意味であり、「浸水しない」「水害に強い」というわけではありません。
大雨で外構から水が流れ込んだり、給排水設備が故障したり、外壁のひび割れから水が伝ってくるケースでは、ベタ基礎でも床下が水浸しになることがあります。
「ベタ基礎だからうちは大丈夫」という思い込みから発見が遅れるケースもあるため、カビ臭さや床下での水音など、少しでも違和感を感じたら床下浸水を疑うとよいでしょう。
ベタ基礎の床下浸水を放置してはいけない理由

ベタ基礎の床下浸水を放置してはいけない理由は、その構造上の特徴にあります。
ベタ基礎は床下空間が狭く、乾燥しにくい構造のため、一度水が入り込むと長期間湿気がこもりやすくなります。
そのため、長期間放置すると以下のようなトラブルにつながるケースも少なくありません。
- 基礎でクラックが生じる:軽微なものなら大きな支障はないが、幅や深さがあるクラック(構造クラック)の場合は耐震性や耐久性に影響する可能性がある。
- 鉄筋の錆による基礎コンクリートの爆裂:基礎内の鉄筋が錆びることで体積が増加し、コンクリートが割れてしまう。耐震性・耐久性に影響がある。
- エフロレッセンス(白華現象):コンクリート表面に白い結晶が浮き出る現象。床下に水が侵入している際に起こる。
- カビの大量発生:湿度が高い状態が続き、床材の裏側に黒カビが広がる
- 木材の腐食:含水率が高くなることで床組みの強度が低下
- シロアリ被害の発生:湿った木材はシロアリを呼び込みやすい
こうした劣化は目視で確認しづらく、気づいたときには大規模な補修が必要になるケースもあります。
そのため、浸水を発見したら、早めに対処することが重要です。
ベタ基礎が床下浸水したときの対処法

ベタ基礎で床下に水が入り込んだ際に重要なのは「できるだけ早く水分を取り除き、乾燥させること」です。
ここでは、一般家庭でも取り組める応急処置の方法を簡単に解説します。
まずは床下の水抜きを行う
床下浸水に気づいたら、まずは水抜きを行います。
雑巾やタオル、スポンジで水を吸い取るほか、浸水の状況がひどい場合は排水ポンプやバケツを使うとよいでしょう。
泥水や汚水が混じっているケースでは、感染症のリスクもあるため、作業服やゴム手袋、ゴーグルなどを用意してから作業してください。
なお、床下点検口がない場合や水位が高い場合、自分で作業するのは難しいので、早めに業者へ依頼するのがおすすめです。
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しっかり乾燥させる
排水ができたら、床下を乾燥させます。
ベタ基礎は床下の通気性が低く、一度水分が入り込むと長期間湿気が残りやすい構造です。
乾燥が不十分なまま放置してしまうと、床材の裏側にカビが広がったり、木部の腐食が進行したりするおそれがあります。
見た目で乾いているように見えても、コンクリート内部や木材の含水率は高いままのケースも多いので、徹底的に乾燥することが重要です。
- 送風機・サーキュレーターを床下に向けて稼働させる
- 除湿機を併用する(湿度が高い季節は特に有効)
- 点検口を開放し、可能な限り換気を行う
- 新聞紙や吸湿材を敷き、こもった湿気を吸収させる
ただし、床下の構造によっては風が通りにくく、家庭用の機器では十分に乾燥しきれないこともあります。
「1週間送風してもジメジメが取れない」「カビ臭が残っている」といった状況であれば、業務用の乾燥機や湿度管理が必要になるため、早めに専門業者へ相談するとよいでしょう。
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床下浸水の乾燥方法とは?きちんと作業して住宅環境を整えよう!
床下を消毒する
乾燥作業とあわせて欠かせないのが「床下の消毒」です。
床下に入り込んだ水が泥水や汚水を含んでいた場合、細菌やカビの胞子が基礎や木部に付着し、悪臭・カビ繁殖・健康リスクへつながるおそれがあります。
そのため、乾燥を終えたあとは以下のような方法で徹底的に消毒することが大切です。
- アルコール系の消毒剤で表面を拭き上げる
- 木材部分にはカビ防止剤を散布する
- 泥水浸水の場合は除菌剤を噴霧して細菌の繁殖を抑える
ただし、消毒剤の種類によっては木材や断熱材を傷める可能性があるため、材質に合った薬剤の選定が重要です。
また、ご家庭でできる範囲の簡易的な消毒で改善しない場合や、カビ臭が強い場合、泥が広範囲に付着している場合は、プロに本格的な洗浄・除菌を依頼しましょう。
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床下浸水した場合の消毒方法とは?おすすめの業者や依頼する費用も紹介
ベタ基礎の床下浸水は、業者で対処してもらうのがおすすめ

ベタ基礎は床下空間が狭く、通気もしにくいため、一度浸水すると「水抜き→洗浄→乾燥→消毒」のすべてを丁寧に行わなければ、再び湿気やカビ、雑菌が発生しやすくなります。
ところが、家庭用の送風機や市販の除菌剤では、奥まで入り込んだ湿気や細菌を完全に取り除くことが難しく、表面は乾いていても内部の含水率が高いまま…というケースも少なくありません。
また、浸水量が多いと床下の泥の吸い上げ、断熱材の乾燥、木部やコンクリートの含水率チェックなど、専門的な作業が必要になります。
そのため、特に以下のようなケースでは、早めに専門業者へ依頼することをおすすめします。
- 水が大量に溜まっている
- 泥水や汚水が入り込んでいる
- カビ臭が強い
- 乾燥しても湿気が残る
専門業者なら、業務用の機材で効率的に水抜き・乾燥・消毒を行い、再発防止まで一貫して対応できます。
床下浸水の処理にかかる費用
床下浸水の処理にかかる費用は、浸水の深さ・泥の量・床下の構造・作業範囲によって大きく変動します。
軽度であれば数万円で済むこともありますが、泥が堆積していたり、断熱材が濡れて交換が必要な場合は数十万円の費用がかかることも珍しくありません。
なお、床下浸水の処理をブルークリーンにご依頼いただいた場合の費用目安は、以下のとおりです。
| 浸水の程度 | 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 軽度 | 排水、泥の吸引、床下乾燥、消毒 | 8万円〜18万円 |
| 中度 | 泥の除去、床下洗浄、断熱材チェック、床下乾燥、消毒 | 15万円〜35万円 |
| 重度 | 床下洗浄、泥除去、下地材交換、断熱材全交換、乾燥、消毒 | 40万円〜90万円以上 |
費用が大きく変動する理由は、床下の状態を実際に見てみないと、どこまで処置が必要なのか判断できないためです。
例えば、床下点検口の有無や、泥の量、カビの広がり具合によっても費用は変わります。
そのため、まずは現地調査のうえで見積もりをもらい、費用総額を把握することが大切です。
ベタ基礎の床下浸水でお困りならブルークリーンへご相談を

ベタ基礎の床下浸水でお悩みなら、ぜひ一度ブルークリーンへご相談ください。
ベタ基礎の床下浸水は、見た目では判断できない「内部の湿気」や「カビの根」が残りやすく、正しい手順で処理しないと再びカビ臭が発生したり、家全体の劣化が進んだりするリスクがあります。
ブルークリーンでは、こうした隠れたリスクまで丁寧に調査し、再発を防ぐための総合的な復旧を行っています。
- 専門スタッフによる床下調査
含水率・カビの発生状況・泥の堆積を細かくチェック。 - 溜まった水の排出
専用の機材やポンプを用いて水や汚泥の排出を行います。 - 業務用機材で徹底乾燥
一般家庭では難しい深部の乾燥まで可能です。 - 建材に合わせた消毒・カビ除去
コンクリート・木部・断熱材など素材ごとに適した処理を実施します。 - 再発防止まで一貫対応
「原因調査→改善提案→アフターサポート」まで対応し、浸水やカビの発生を予防します。
「どこから水が入ったのかわからない」「乾燥してもカビ臭が取れない」「自分で処理したけど不安」という方は、ぜひブルークリーンの無料調査をご利用ください。
現場の状況に合わせて、経験豊富なスタッフが最適な復旧方法をご提案させていただきます。
ベタ基礎で床下浸水が起こる原因|水はどこから入ってくる?

「ベタ基礎は丈夫で水に強い」と聞くことが多いため、床下が水浸しになっているのを見つけて驚く方は少なくありません。しかし、ベタ基礎は床下全体をコンクリートで覆う構造である一方、まったく浸水しないわけではなく、さまざまな経路から水が侵入する可能性があります。
ここからは、ベタ基礎の床下浸水によく見られる3つの原因を取り上げて紹介します。
給排水設備からの漏水
ベタ基礎の床下浸水で多い原因が、キッチン・洗面所・浴室などの給排水設備からの漏水です。
配管の継ぎ目が緩んでいたり、経年劣化で微細な亀裂が生じていたりすると、少量の水でも長時間かけて床下に染み出し、気づいたときには広範囲が水浸しになっているケースがあります。
「水を使うときだけ床下から音がする」「キッチンまわりの床が冷たい・湿っている」「使用量が増えていないのに水道料金が高い」といった症状がある場合は、給排水管設備からの漏水が起きているかもしれません。
これらの症状に気づいたら、早めに水道業者または床下復旧の専門会社へ調査を依頼しましょう。
コンクリートのひび割れからの浸水
ベタ基礎は一面をコンクリートで覆う構造のため耐久性が高く、地面からの湿気を防ぎやすいとされています。
しかし、施工時の収縮や経年劣化、地震・車両振動などの影響により、基礎コンクリートに細かなひび割れ(クラック)が生じることがあります。
このひび割れが地面からの浸水経路となり、雨のたびにじわじわと水が入り込むケースは珍しくありません。
特に、台風や大雨が発生したあとに床下だけが湿っている、コンクリート表面にエフロレッセンスが広がっているといった症状がある場合は、ひび割れからの浸水が疑われます。
ひび割れの程度によっては、専門業者による樹脂注入や防水処理が必要になる場合もあります。放置してしまうと、浸水が続きカビや腐食の原因となるため、早めの点検が重要です。
床下の結露
ベタ基礎の床下では、外気との温度差が大きいと結露が発生して水滴が溜まることがあります。
特に、冬場の暖房使用時や、湿度が高い梅雨〜夏の時期は、床下の湿度が急上昇しやすく、断熱材や木材に結露水が付着して床下浸水のような状態になるケースも見られます。
結露は漏水と違い水源を特定しにくいため、湿度・温度の測定、換気状況の確認など総合的な点検が必要です。
原因によっては、断熱材の補修や換気改善などの対策が求められる場合もあります。
「床下のコンクリート表面に水滴がびっしりついている」「雨の日でなくても床下が湿っている」という場合は、結露が原因の可能性もあるので、一度専門業者へ調査を依頼するとよいでしょう。
今すぐできるベタ基礎の床下浸水対策|被害を繰り返さないために

ベタ基礎への床下浸水を防ぐには、日頃からの予防と環境改善が欠かせません。
基本的な対策は布基礎と大きく変わりませんが、ベタ基礎特有の「乾きにくさ」「点検しづらさ」を踏まえた対策が重要です。
以下では、すぐに取り組める対策をまとめました。
- 雨樋や排水溝を定期的に清掃する
- 給排水設備の点検を行う
- 床下の通気を確保する
- 結露対策として換気・断熱を見直す
- 基礎コンクリートのひび割れを定期点検する
そのほか、大雨などの水害に備えて土のうや水のう、止水板などを用意しておくことも大切です。
より詳しい浸水対策については、以下の記事でも解説しているので気になる方はぜひチェックしてみてください。
【関連記事】
今すぐできる床下浸水対策3選|防水グッズやいざという時の対処法も紹介
ベタ基礎の床下浸水に関するよくある質問
最後に、ベタ基礎の床下浸水に関するよくある質問とその回答を紹介します。疑問点や不安なことがある方は、ここで解消しておきましょう。
ベタ基礎は浸水・水害に弱いって本当?
結論からいうと、ベタ基礎が特別に「浸水に弱い」というわけではありません。
むしろ、地面全体をコンクリートで覆う構造のため、地盤からの湿気や水の侵入を防ぎやすく、耐久性にも優れています。
ただし、「浸水しにくい=絶対に浸水しない」ではない点には注意が必要です。
給排水設備の漏水、基礎コンクリートのひび割れ、外構の排水不良、結露など、複数の原因で床下に水が溜まる可能性は十分にあります。
また、ベタ基礎は床下が狭く通気性が低いため、一度水が入ると乾きにくいという弱点がある点にも注意が必要です。
ベタ基礎の水抜き穴って何?
ベタ基礎の水抜き穴とは、基礎工事中に溜まった水を外部へ排水するための穴のこと。工事中の排水を目的としているため、工事が終わるタイミングで塞がれるのが通常です。
とはいえ、中には「水抜き穴を開ければ浸水しても水が抜けるのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、水抜き穴があることで、逆に浸水やシロアリ・湿気の侵入リスクが高まるといったデメリットもあります。そのため、基本的にはベタ基礎に水抜き穴を設けることは推奨されていません。
まとめ
ベタ基礎は丈夫で湿気にも強い構造ですが、給排水設備の漏水やコンクリートのひび割れ、結露、外構の排水不良など、さまざまな理由で床下浸水が起こる可能性があります。
一度水が入り込むと乾きにくく、放置すればカビ・腐食・断熱材の劣化など、家の耐久性に大きく影響する二次被害につながるため、早期の対処が欠かせません。
浸水してしまった場合は、水抜き→乾燥→消毒→原因特定の流れで適切に処理することが重要です。家庭での対処が難しい、泥水や汚水が入り込んでいる、乾燥しても湿気が取れないといったケースでは、専門業者への依頼も検討しましょう。
▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」)
・これまで8年以上4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ」
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
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