「元気なうちに実家を片付けたい」
「親には、いつまでも健康で気持ちよく暮らしてほしい」
高齢になると、どうしても実家は散らかりやすくなり、後回しにすると子どもに大きな負担が残ることも。
だからこそ、“今”が生前整理のはじめどきです。
この記事では、親を上手に説得して生前整理を進めるコツと、片付けのポイントをわかりやすく紹介します。
▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」)
・これまで8年以上4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ」
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video
1.早めに実家の片付けをするべき理由

実家の片付けは、「そのうちやろう」と後回しにしがちです。
しかし、実家の整理は早ければ早いほど、お互いに負担が少なく、気持ちも穏やかに進められます。
なぜ早めの行動が大切なのか、その理由をわかりやすく紹介します。
実家の片付けで意識すべき「生前整理」とは
実家の片付けでは、単に荷物の整理をするだけでなく「生前整理」を行うことも必要です。
生前整理とは、死後のことを考えて身の回りのものや財産の整理をすることを指します。
実家の片付けでは、生前整理を意識し親がどんな財産を持っているか明確にしなければいけません。
片付けを行う中で、生前整理をスムーズに進めるためのコツを紹介します。
- 貴重品を一箇所にまとめる
- 死後処分してほしいものをリストアップする
- 不要なものはできるだけ早く処分する
生前整理は、早めに始めるほど親にも子にも負担が少なく済みます。
しかし、親が実家の片付けに反対し、なかなか作業が進まないケースも少なくありません。
そこでここからは、実家の片付けに同意してもらう方法を解説します。
実家の片付けをゆっくり行っている時間がないという方は、生前整理に慣れた専門業者に依頼するのもおすすめです。
プロに頼めば、安全かつ効率的に片付けが進み、心にも余裕が生まれるので気軽に相談してみましょう。
2.実家を片付けられない親の心理とは?

実家の片付けが進まない原因の多くは、「モノ」ではなく「心理」にあります。
ここでは、片付けを拒む親の心理背景を整理し、円滑に生前整理を進めるためのヒントをお伝えします。
心理1.物を捨てることに罪悪感がある
物を捨てることに対しての罪悪感は、物に対しての思い入れや、過去の記憶、または「いつか使うかもしれない」という期待があるからです。
| 心の背景 | 具体例 |
|---|---|
| 思い出の執着 | 子どものころのおもちゃ、学生時代のノートなど「過去の自分」を思い出す物 |
| 感謝や価値の記憶 | プレゼントや高価な品など、誰かの想いがこもっている物 |
| 未来への期待 | 「いつか使うかも」「また必要になるかもしれない」と思ってしまう |
このように、物には感情や記憶が結びついているため、ただの「モノ」ではなく、心の一部のように感じてしまうのです。
- 「ありがとう」と感謝してから手放す
- 写真に残して思い出を保存する
- リサイクル・寄付など、次の使い道を見つける
物を捨てることは、思い出を否定することではありません。新しい生活を迎えるための、前向きなステップです。
心理2.体力が衰えて片付けの気力がない
高齢になると、片付けたい気持ちはあっても、体がついていかないという状況になりがちです。これは自然なことで、無理に頑張れない自分を責める必要はありません。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 筋力の低下 | 重い家具を動かせない、立ち上がる動作がつらい |
| 疲れやすさ | プレゼントや高価な品など、誰かの想いがこもっている物 |
| 健康上の不安 | 「いつか使うかも」「また必要になるかもしれない」と思ってしまう |
60歳を過ぎると筋力やバランス能力が低下し、家事全般にも影響が出てきます。その結果、「片付けたいけどできない」状態になってしまうのです。
- 家族が一緒に作業し、無理のない範囲で進める
- 休憩をこまめに取り、1日で終わらせようとしない
- プロの片付け業者に依頼する
専門業者なら、重い荷物の運搬や分別を安全かつ効率的に行ってくれます。
体力的な負担を減らし、親御さんが気持ちよく暮らせる環境を整えることが、快適な生活への第一歩です。
心理3.物を捨てることが苦手
「もったいない」「まだ使える」そんな気持ちから、物を手放せない親御さんは少なくありません。
これは性格ではなく、時代背景や経験から生まれた自然な心理です。
| 背景 | 内容 |
|---|---|
| ものへの愛着 | 長年使った道具や思い出の品を手放すのがつらい |
| 取っておきたい心理 | 「いつか使うかも」と思ってしまう |
| 時代の影響 | 戦後の物が少ない時代を経験し、「物を大切にする」価値観が強い |
こうした気持ちは、「捨てられない」のではなく、大切にしてきた証でもあります。
- 「捨てる」ではなく「感謝して手放す」と考える
- 思い出の品は写真で残す
- リサイクルや寄付など「次の使い道」を提案する
- 家族が一緒に片付け、決断をサポートする
また、物の量が多く自分たちでは難しい場合は、片付け業者に依頼するのも効果的です。
専門スタッフが丁寧に分別・処分を行うことで、安心して手放せる環境が整います。
3.実家の片付けで親を説得する方法

「片付けたい子ども」と「まだ大丈夫と思う親」。
この意識のズレこそが、実家の片付けが進まない最大の原因です。
相手の心理を理解し、伝え方を工夫することで、無理なく片付けを進めることが可能です。
ここでは、親を納得させるための具体的なステップを解説します。
ポイント1.汚部屋のリスクを知ってもらう
「少し散らかっているだけだから大丈夫」と思っていても、実際には健康・安全・精神面でさまざまなリスクがあります。
まずは、その危険性を親に知ってもらうことから始めましょう。
- 火災のきっかけとなる
- 転倒事故につながる
- カビが発生する
- 害虫に刺される
- 近所からクレームが来る
命や家財を失う危険があると知れば、親も片付けに前向きになってくれるでしょう。
一方、リスクを説明しても親が片付けを嫌がる場合も少なくありません。
その際は清掃業者を使うことを提案し、自分で片付けをしなくても家が綺麗になると説明しましょう。
ポイント2.実家を整理することのメリットを伝える
片付けの話をするときは、「危ないから」「迷惑だから」と伝えるよりも、実家を整理することで得られるメリットを前向きに伝えるほうが効果的です。
- 身体が動かなくなってもどこに何があるか把握できる
- 身体的・心理的な健康になる
- 家族が帰ってきやすくなる
親に対して、実家を整理することのメリットや自分の想いを伝えることで、親の説得につながります。
加齢によって動きづらくなる前に実家整理を終わらせることのメリットをしっかり伝えるようにしましょう。
ポイント3.リサイクルや寄付を提案する
「もったいないから捨てられない」という親には、リサイクルや寄付を提案するのがおすすめです。
無理に捨てようとすると反発を招くこともあるため、“誰かに使ってもらえる”という前向きな手放し方を伝えましょう。
| 親の心理 | 解決につながる考え方 |
|---|---|
| 「もったいない」と感じる | 捨てるのではなく“次の人へ譲る”と考える |
| 思い出がある | 誰かの手でまた大切に使われると思える |
| 捨てるのはかわいそう | リサイクルで“新しい命”を吹き込める |
このように、「捨てる」から「譲る・活かす」へと意識を変えることで、親も安心して物を手放せるようになります。
リサイクルや寄付を通じて、“ありがとう”の気持ちで片付けを進めることが、親子で気持ちよく生前整理を進める大きな一歩です。
ポイント4.とにかく1ヶ所だけ掃除をする
親がどうしても片付けに前向きになれない場合は、まずは1ヶ所だけ掃除してみましょう。
小さな変化でも、部屋がきれいになるとその心地よさを実感しやすくなります。
- テーブルの上だけ片付ける
- 床の一部だけ掃除する
- 一段の棚だけ整理する
一部分でもきれいになると、親自身が「気持ちいい」「すっきりした」と感じ、自然と他の場所も片付けたくなることがあります。
【根気強く、焦らずに】
親の性格によっては、片付けに同意してもらうまで時間がかかる場合(1年以上)もあります。
しかし、無断で片付けるのはトラブルのもと。焦らず、少しずつ信頼関係を築きながら進めていきましょう。
それでもうまくいかないときは、第三者である片付け業者にお願いするのもおすすめです。
親も「家族に迷惑をかけている」というプレッシャーを感じずに済み、プロのサポートで安心して片付けを進められます。
4.実家の片付けを行う時の4つのコツ

親が片付けに同意してくれただけでは、実家の片付けが進みません。
親や他の家族とも話し合い、具体的な片付け計画を作りましょう。
コツ1.ものを勝手に捨てることはしない
片付けの大前提として、親の許可なく実家のものを捨てるのはNGです。
たとえ片付けに同意してくれていても、うっかり大切なものを処分してしまうと、信頼関係が一気に崩れてしまうこともあります。
| ポイント | 対応策 |
|---|---|
| 何を捨てるか迷ったら | 必ず親に確認する |
| 親が迷っている物は | 一時保管スペースを作る |
| 作業の目的 | “片付ける”よりも“気持ちを整理する”ことを意識する |
片付けは「物を減らす作業」ではなく、親の気持ちに寄り添う時間でもあります。
確認を取りながら進めることで、親も安心し、より前向きに片付けに取り組めるようになります。
コツ2.捨てたくないものをピックアップする
片付けを始める前に、これからも残したい大切なものをリストアップしておきましょう。
作業の途中でうっかり捨ててしまうと、後で困ったり後悔したりする原因になります。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 貴重品 | 通帳・印鑑・保険証・契約書・思い出の写真など |
| 生活必需品 | よく使う家電・家具・調理器具など |
| 思い出の品 | 贈り物・記念品・趣味のコレクションなど |
また、生活に必要な物だけでなく、親にとって大切な思い出の品も確認しておきましょう。
このように「捨てる前に残す物を決める」ことで、片付けのトラブルを防ぎ、安心して作業を進められます。
コツ3.小さいスペースから片付ける
片付けの達成感を早く味わい、モチベーションを上げるためには、まずは小さいスペースから取りかかるのがおすすめです。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 短時間で成果が見える | 狭い場所ならすぐに「片付いた!」という達成感が得られる |
| ネガティブになりにくい | 広い部屋だと進んでいる実感が得にくく、途中で挫折しやすい |
| 作業がシンプル | 台所・洗面所・玄関などは判断が必要な物が少なく進みやすい |
最初からリビングのような広い空間に挑戦すると、「終わりが見えない」「片付けても変わらない」と感じ、気持ちが沈みがちです。
一方で、小さなスペースをきれいにできた経験は、自信とやる気につながります。
- 台所・洗面所・玄関などから始める
- 作業時間は短く区切り、「今日はここだけ」と決める
- 外にゴミが出ている場合は、まず外回りから片付けて清潔な印象を整える
小さな一歩の積み重ねが、やがて家全体の変化につながります。
「できた!」という成功体験を重ねながら、無理なく実家の片付けを進めていきましょう。
コツ4.一時保管スペースを作る

片付けをスムーズに進めるためには、「一時保管スペース」を作っておくことが大切です。
これがあるだけで、“捨てる”ことへのストレスを大きく減らせます。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| いきなり捨てるのは不安 | 「とりあえず置いておく」ができることで安心感が生まれる |
| 判断に時間がかかる | 後でゆっくり考える余裕ができる |
| 捨てる決断が負担 | “一旦保留”にすることで片付けを途中で投げ出しにくくなる |
長年物を溜めてきた親にとって、「捨てる」と決めるのは大きな負担です。無理に決断を迫ると、疲れて途中でやめてしまうこともあります。
- 「迷ったらここへ」と決めた箱やスペースを1つ用意する
- 捨てるか迷うものはすぐに保管し、判断は後日ゆっくり行う
- 定期的に見直して「もう大丈夫」と思えたタイミングで処分する
実家の片付けは、思っている以上に時間も体力も必要です。
「どこから手をつけていいかわからない」「親がなかなか動いてくれない」そんなときは、専門業者に相談するのもひとつの方法です。
プロに任せれば、安全で効率的に作業が進み、家族の負担もぐっと軽くなります。まずはお気軽にご相談ください。
5.実家の片付けは清掃業者に頼むのもあり!

実家の片付けは、思っている以上に時間も体力もかかります。
そんなときは、清掃業者に依頼するのもひとつの方法です。
専門スタッフが安全かつ丁寧に作業を進めてくれるため、家族の負担を大きく減らせます。
業者に依頼した方が良いケース
特に以下のケースの場合は業者への依頼がおすすめです。
- 粗大ごみが多く、持ち運びに力が人手が必要
- ごみの量が多く、掃除に時間がかかる
- 異臭がしている
業者であれば、短時間で各部屋の清掃から異臭対応まで行ってくれるので、一度に片付けることが可能です。
6.清掃業者に実家の片付けを頼む費用をはどれくらい?

実家の片付けを清掃業者に依頼する場合、費用は部屋の広さや作業内容によって変わります。
行政に相談しても、作業そのものを業者に依頼する際は、基本的に費用は自己負担となります。
そのため、サービス内容や料金体系を比較しながら、信頼できる清掃業者を選ぶことが大切です。
参考として、下記の表では「ブルークリーン」に片付けを依頼した際の目安料金を紹介します。業者選びの参考にしてみてください。
| 部屋の広さ | かかる料金(目安) |
|---|---|
| 1K〜1R(9㎡〜28㎡) | 78,000〜280,400円 |
| 1DK〜3LDK(25㎡〜70㎡) | 135,000〜482,000円 |
| 4DK〜(71㎡~) | 245,000〜690,000円 |
| 物量過多の部屋(ゴミ屋敷) | 要見積もり |
ゴミの量がかなり多い場合、相場を超えた値段になることも少なくありません。
なるべく費用を抑えたい人は無理のない範囲で掃除をしておくか、不用品買取を同時に行ってくれる業者を探しましょう。
参考:遺品整理の費用相場は?安くする方法と業者に依頼するメリット
7.素早い実家の片付けならブルークリーンへ

実家の片付けにお悩みの人は、ぜひブルークリーンにお問い合わせください。
ブルークリーンは遠方でも立ち会いなしの見積もりが可能ですので、実家の親も働いていて忙しいという人におすすめです。
また、その場で不用品の買取の必要があれば、実際の買取金額を清掃費用から割り引きできます。
まずは、気軽に無料相談してみましょう。
片付けの相談を行政で受け付けている自治体もあります。
条件によっては、生活保護や福祉制度の支援対象になる場合もあるため、費用面に不安がある方は確認してみましょう。
ほごらんど(生活支援メディアほごなび)では、生活保護に関する情報を、詳しく解説しているので参考にしてみてください!
8.実家の片付けは親の気持ちに寄り添いながら行いましょう
終活という考えから、生前整理を検討する人は増えており、実家を元気なうちにしっかり片付けておきたいと考える人は増えています。
片付けには親の同意が必要となりますが、少しずつものを捨てるなど工夫して説得を続けましょう。
もし、実家の状態がかなり悪い場合、業者に頼んで一気に片付けてしまうのもおすすめです。
まずは、自分と親の負担を減らし健康的な生活を取り戻すため、実家の状態をしっかり確認するところから始めてみてくださいね。
関連:[汚部屋をハウスクリーニングしたい!依頼できるサービスと費用を徹底解説!]
実家の片付けに関するよくある質問
Q.実家が散らかりやすい原因とは?
実家が散らかる主な原因は、物が多いことと片付ける体力・気力の低下です。
高齢になると「もったいない」「いつか使うかも」という気持ちから、物を捨てづらくなります。
Q.早めに実家の片付けをするべき理由
実家の片付けは、親が元気なうちに始めるのがベストです。
体力や判断力が落ちてからだと作業が進みにくく、親が亡くなった後では子どもの負担も大きくなります。
Q.実家の片付けで親を説得する方法
親を説得するには、「片付け=親のためになる」と伝えることが大切です。
汚部屋のリスクや片付けのメリットを丁寧に説明し、捨てるのではなくリサイクル・寄付など前向きな方法を提案しましょう。







