火事の臭い消しは自分でできる?業者に依頼すべき?消臭方法や費用相場を解説

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火事のあとに残る焦げ臭さや煙の臭いは、火事の規模がボヤ程度であっても家の中に残り続けることがあります。

「数日たっても臭いが消えない」「火事の臭いの消し方がわからない」という状況に不安を感じて、対策方法を調べている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、火事の臭いに悩む方に向けて、自分でできる対処方法や専門業者に依頼すべきケース、その作業内容や費用の目安をわかりやすく解説します。

「どう対処すればいいのか知りたい」「確実に臭いを取り除きたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 火事の臭い消しを業者へ依頼すべき理由
  • 自分でできる火事の臭い消しの方法
  • 火事の臭い消しにかかる費用

火事の臭い消しは業者に依頼すべき3つの理由

火事の臭い消しは自分で対応するには限界があり、業者に依頼すべき理由を人物イラストの吹き出しで伝えるバナー画像

火事で残る臭いは、普段の生活で発生する汚れや臭いとは性質が大きく異なります。

「換気をすれば消える」「掃除をすれば大丈夫」と思われがちですが、実際にはそれだけでは解決しないケースも少なくありません。

そのため、「火事の臭いがいつまでたっても消えない」「換気や消臭をしてみたけど臭いが消えない」という場合は、専門業者へ依頼するのがおすすめです。

ここからは、火事の臭い消しを専門業者に依頼したほうがよい理由を、分かりやすく解説します。

一般清掃で火事の臭いをすべて除去するのは困難

火事の臭い消しを業者に依頼すべき最大の理由は、家庭で行う一般的な清掃だけで、火事の臭いを完全に取り除くことができないからです。

火事の臭いの正体は、煙に含まれる非常に微細な粒子や煤(すす)です。火災が発生すると、これらの粒子は壁紙や床といった表面だけでなく、下地材・断熱材・天井裏など、普段は目に見えない部分にまで入り込みます。

そのため、見た目がきれいになっていても、建材の内部には臭いの原因が残っているケースが少なくありません。

この状態で雑巾がけをしたり、市販の消臭剤を使ったりすると、一時的に臭いが和らいだように感じることはあります。しかし、臭いの原因そのものが素材の奥に染み込んでいるため、表面だけを処理しても根本的な解決にはつながりません。

その結果、「最初は気にならなかったのに、数日〜数週間後にまた焦げ臭さが戻ってきた」と感じるケースも多いのです。

火事の臭いは空気中を漂っているだけのものではなく、建材や家具そのものに染み付いた臭いです。そのため、完全に除去するには専門業者への依頼が必要になるでしょう。

火事の臭いは放置するほど取れにくくなる

火事の臭いは放置すればするほど建材に定着し、あとから取り除くのが難しくなります。そのため、「少し気になる段階」であっても、早めに業者へ相談することが重要です。

火災時に発生する煙には、非常に細かい臭い成分や煤が含まれており、壁紙や木材、布製品の表面だけでなく、内部にまで入り込む性質があります。火災直後は軽い焦げ臭さでも、時間が経つにつれて臭い成分が素材の奥へ定着していきます。

その結果、「一度は落ち着いたと思ったのに、数日〜数週間後に再び臭いが強くなった」と感じるケースも少なくありません。換気や簡単な清掃では対応しきれなくなり、家庭での対処に限界を感じる場面が増えていきます。

特に、カーテン・ソファ・畳・クッションなどの布製品は臭いを吸収しやすく、放置するほど消臭が困難になります。対応が遅れると、臭いが部屋全体、さらには家全体へ広がってしまうこともあるでしょう。

火事の臭いには有害物質が含まれるおそれがある

火事の際に発生する臭いには、ホルムアルデヒドやベンゼンなど、人体に悪影響を及ぼすおそれのある有害物質が含まれている場合があります。これらの物質は、建材や家具、家電などが燃える過程で発生し、煙と一緒に室内へ広がるのが特徴です。

火災が小規模の場合でも、煙に含まれる成分が壁や床、家具、布製品などに付着し、空気中や室内に残ることがあります。ごく微量であっても長時間吸い続けることで、咳や喉の違和感、頭痛、めまい、吐き気といった体調不良につながるケースもあります。

そのため、火事の臭い消しは「臭いが気になるかどうか」だけで判断するのは危険です。自己流で換気や市販の消臭剤を使うだけでは、有害物質が十分に除去できないこともあります。

安全面を考えると、原因となる物質から取り除ける専門業者に依頼するのが、安心につながる選択といえるでしょう。

【関連記事】

火災後の現場に残る有害物質とは|健康への影響や除去方法を解説

火事の臭いを自分で消す方法|消臭作業のポイントは?

火事の臭いを自分で消すために行う換気や清掃、洗濯、消臭キット活用のポイントを解説するバナー画像

「専門業者に依頼したいけど、費用をなるべく抑えたい」「ひとまず自分でできることはない?」と考える方も多いでしょう。

火事の臭いは完全に除去するのが難しいケースもありますが、初期対応や軽度な臭いであれば、家庭での対処によってある程度軽減できる可能性があります。

ここからは、自分で行える代表的な消臭方法と、その際の注意点を確認していきましょう。

家を徹底的に換気する

火事の臭い対策として、まず行いたいのが換気です。窓やドアを開け、換気扇を回して室内の空気をできるだけ入れ替えましょう。扇風機やサーキュレーターを使って空気の流れをつくると、停滞した煙の臭いをより早く排出できます。

ただし、網戸がある場合は注意が必要です。網戸の網目には臭いの原因となる粒子が残りやすいため、可能であれば網戸も外して洗っておくと、臭いが残りにくくなるでしょう。

なお、換気は初期段階でしか大きな効果が得られないことも多いため、長く続く臭いには別の対策が必要になることは覚えておきましょう。

はたき掃除・拭き掃除をする

臭いの発生源になる煤は、天井や壁、家具の表面に付着します。掃除をする際は、まずははたいて表面の汚れを落とし、そのあとに拭き掃除を行いましょう。

はたき掃除・拭き掃除の順番は天井から壁、床へと上から下に進めるのが基本です。

また、拭き掃除ではいきなり水拭きをせず、乾いた雑巾で煤を取り除いてください。はじめに水分を含ませると、かえって汚れを広げてしまうことがあります。

汚れた衣類やカーテンなどは洗濯・クリーニングに出す

衣類やカーテン、クッションなどの布製品は煙を吸収しやすく、臭いが残りやすい代表的なアイテムです。自宅で洗えるものは洗濯し、臭いが強いものは専門クリーニングに出すのがよいでしょう。

自宅で洗濯する場合は、いきなり洗濯機に入れず、まずは手洗いで煤や汚れを落とすことが大切です。そのまま洗濯機に入れてしまうと、煤などの汚れが原因で洗濯槽自体に臭いが移ってしまったり、故障につながったりするおそれがあります。

煤汚れがひどいものは交換する

煤汚れがひどい家具・畳・壁紙などは、内部まで粒子が浸透しているケースが多く、表面的な掃除では消臭できません。

このような場合は掃除より交換のほうが確実で、結果的に消臭に費やす時間や費用が少なく済む場合もあります。

被害が広範囲に及ぶ場合は専門業者へ相談し、どこまで交換が必要か判断してもらうと安心です。

消臭キットを活用する

ホームセンターやインターネット通販で購入できる火災用消臭キットを使うことで、火事の臭いを一時的に軽減できる場合があります。

ただし、臭いが重度な場合はキットだけでは取り切れず、しばらくすると臭いが再発することも少なくありません。その場合は、早めに専門業者への依頼を検討しましょう。

なお、火事の臭い残りに使える消臭キットについては、以下の記事でも詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。

【関連記事】
【プロが厳選】火事用消臭キットおすすめ3選|選び方のポイントや業者へ依頼すべき理由も解説

火事の臭い消しはブルークリーンへご相談を!

火災後の建物内部を調査するブルークリーンスタッフの様子

火事の臭い消しは、家庭用の掃除や市販の消臭剤では限界があり、強く染み付いた臭いほど専門的な設備と技術が必要です。

ブルークリーンでは、火災後の消臭作業に特化したプロが現場を調査し、最適な消臭方法をご提案させていただきます。

「火事の臭いがなかなか消えないのだけど、どうしたらいいの?」「自分で対処すべき?それとも業者に依頼すべき?」という状況でもかまいませんので、まずは気軽にお問い合わせください。

火事の臭い消し作業の流れ

ブルークリーンの臭い消しは、「調査→原因物質の物理的除去→化学洗浄→乾燥→仕上げ+内装工事(希望制)」という流れで進みます。被害状況や建物構造、お客様のご希望により、工程の一部は追加・省略される場合があるのでご留意ください。

具体的な作業の流れは以下のとおりです。

  1. 調査(被害状況と臭い原因の特定)
    まず、被害状況や建築構造、解体の有無、お客様のご要望を確認し、必要な調査内容を段階的に提案します。調査は主に、アスベスト調査、ダイオキシン類調査(任意)、臭気調査(任意)、簡易調査(基本サービス)の4種類があります。
    アスベスト調査やダイオキシン類調査が必要な場合は、協業先の研究機関と連携し、法令に沿って対応します。
  2. 表層ドライクリーニング(煤の物理除去)
    煤は水に濡れると素材の内部に入り込み、色や臭いが残りやすくなるため、洗浄作業の前にドライ方式で表面の煤を徹底的に回収します。HEPAフィルター付きの清浄機器や手作業を用い、室内を陰圧管理しながら作業を行います。
  3. アルカリ分解洗浄(煤の化学洗浄)
    ドライクリーニング後も残る煤や色素、不快臭の原因に対し、高pHのアルカリ電解水を用いて分解洗浄を行います。建材の種類や状態に合わせて、洗浄方法や濃度を調整します。
  4. 表面乾燥工程
    洗浄後は、災害復旧用の大型除湿機を使用して、建材表面をしっかり乾燥させます。乾燥が不十分な場合、臭い戻りや建材の劣化につながるため、復旧品質を左右する重要な工程です。
  5. 地保護剤による仕上げ
    乾燥後、建材に適した下地保護剤を使用し、表面を仕上げます。これにより、臭気成分の再浮上や再付着を抑えます。
  6. 6.内装工事(希望に応じて実施)
    ご要望に応じて、原状回復工事からリノベーション工事まで対応します。被害状況や復旧方針によっては、②と③の工程の間に解体工事が入るケースもあります。
  7. 7.効果測定(希望に応じて実施)
    作業完了後、必要に応じて再調査を行い、作業前後でどの程度改善したかを数値で確認します。

なお、工程の順序や内容は、被害状況や建物構造、解体の有無、ご希望により調整されます。また、内装工事、効果測定はご希望や条件によって実施有無が異なります。

詳しくは、お問い合わせやお見積りの際にご確認ください。

火事の臭い消しにかかる費用

火事の臭い消しにかかる費用は、被害の範囲や臭いの強さ、建物の構造、解体や内装工事の有無によって大きく異なります。

具体的な費用相場は、以下のとおりです。

作業内容 料金の目安
煤の除去 9,200円/㎡
煤の防臭処理 4,800〜6,500円/㎡
ダイオキシン・臭気測定 250,000円/部屋
初期のダイオキシン分解 50,000円/部屋
オゾン消臭・除菌(〜30㎡) 36,000円/日
オゾン消臭・除菌(30〜60㎡) 65,000円/日
オゾン消臭・除菌(60〜120㎡) 150,000円/日
オゾン消臭・除菌(120〜500㎡) 210,000円/日
壁紙剥がし・内装撤去(〜30㎡) 15,000円/日
壁紙剥がし・内装撤去(30〜60㎡) 30,000円/日
壁紙剥がし・内装撤去(60〜120㎡) 45,000円/日
壁紙剥がし・内装撤去(120〜500㎡) 45,000円〜/日

なお、上記はあくまで目安です。実際の金額はお部屋の状況によっても異なりますので、まずはブルークリーンへお気軽にご相談ください。

当社における火事の臭い消し事例2選

ここからは、実際にブルークリーンが対応した火災後消臭の事例を2つ紹介します。実際の作業内容や改善までの流れを見て、依頼をする際の参考にしてください。

事例①:神奈川県川崎市の事例

集合住宅一室(2LDK)の火災復旧事例です。

▼施工概要

間取り:2LDK

作業期間:2日

作業人数:5名

作業費用:495,000円

▼事例詳細

火災復旧のご依頼背景 集合住宅の一室で火災が発生し、消火後も室内全体に煤が広がっていたため、専門的な復旧が必要だった。
火災復旧箇所と状況

壁・床・棚・換気口など室内全体に微細な煤が付着し、拭き掃除では除去しきれない状態。

壁・床・棚・換気口など室内全体に微細な煤が付着し、拭き掃除では除去しきれない状態。

火災復旧の内容 ①室内全体の洗浄
②素材別の専用処理
③臭気対策・消臭処理
④保険対応を見据えた工程管理
詳細を見る 【神奈川県川崎市】火災の煤汚れ除去、部屋全体の洗浄・消臭・復旧作業の施工事例

事例②:埼玉県さいたま市の事例

近隣で発生した火災の二次被害による、煤と臭いに悩んでいた事例です。

▼施工概要

間取り:3DK

作業期間:30時間

作業人数:4名

作業費用:418,000円

▼事例詳細

火災復旧のご依頼背景 近隣住宅で発生した火災の影響により、室内に煤と強い臭気が残ったため、専門的な復旧が必要だった。
火災復旧箇所と状況 壁・天井・家具・生活用品に微細な煤が広範囲に付着し、通常清掃では除去できない状態。
壁・天井・家具・生活用品に微細な煤が広範囲に付着し、通常清掃では除去できない状態。さらに、煤に由来する強い化学臭(有機燃焼由来の焦げ臭や有害粒子成分)が滞留し、玄関を開けた瞬間から感じ取れた。
火災復旧の内容 ①煤除去
②ハウスクリーニング
③消臭処理
④オゾン脱臭
詳細を見る 【埼玉県さいたま市】火災後に残る煤や臭いを徹底除去した復旧施工事例を解説

火事の臭い消しに関するよくある質問

火事の臭いは「自然に消えるのか」「費用は保険でまかなえるのか」など、分かりにくい点が多く、不安を感じやすいものです。ここでは、火事の臭い消しについて特に多く寄せられる質問をピックアップして詳しく解説します。

火事の臭いはいつまで残る?

被害の程度によっては数週間で薄れることもありますが、条件によっては数ヵ月から2〜3年残ることもあります。

臭いが残る期間は、被害の程度や、臭い成分が天井や壁、床などにどこまで染み込んでいるかによって大きく変わるものです。火災臭の原因となる成分は自然に分解されにくい性質があり、建材に染み込むと、空間に漂っている臭いよりも強く感じられることがあります。

時間が経っても焦げ臭さが取れない場合は、無理に様子を見続けず、専門業者に相談してみてください。

火事の臭い消しに火災保険は使える?

結論から言うと、火事の臭い消しにかかる費用は火災保険の補償対象外となる可能性が高いです。

火災保険は、建物や家財が壊れた・燃えた・汚れたといった「目に見える損害」を補償する保険であり、臭いによる不快感や生活への影響は損害として扱われにくいからです。

また、臭いは感じ方に個人差があり、時間とともに薄れることもあるため、被害の程度を客観的に査定しにくい点も関係しています。そのため、多くの火災保険では「火災による損害」は補償対象でも、臭いは含まれていません。

ただし、煤汚れは「汚損」に該当するため、補償対象になる可能性があります。壁や床、家財に煤が付着した場合は、その除去費用が火災保険でカバーされるケースもあるため、被害が出た際は保険会社に確認するとよいでしょう。

なお、火災保険に「臨時費用保険金」の特約を付けている場合は、消臭作業の費用や、臭いが染みついたカーテンの買い替えなどに使えることがあります。臭い消しを保険でまかないたい場合は、この特約の有無を確認しておくと安心です。

まとめ

火事の臭いは、時間が経つほど壁や床など建物の内部に染み込み、通常の掃除や換気だけでは取り切れなくなります。まずは換気や拭き掃除など、自分でできる対処を試してみることが大切です。

それでも改善が見られない場合は、無理に続けず、専門業者へ相談しましょう。

ブルークリーンでは、被害状況や建物の状態を確認したうえで、必要な工程を組み合わせた消臭・復旧作業を行っています。火事の臭い消しにお困りの際は、お気軽にご相談ください。

監修者 鈴木亮太(すーさん)

ブルークリーン株式会社

取締役 環境復旧対策部部長

▶経歴
・YouTube「特殊清掃ch|すーさん」登録者5.3万人
・ペストコントロール技能師(日本ペストコントロール協会)
・IICRC認定テクニシャン(CCMT/OCT)
・Goldmorr認定テクニシャン(カビ除去スペシャリスト)
・JRES認定テクニシャン(火災水害復旧対策訓練修了)
・横浜市栄区自治体研修(「ごみ屋敷の解消と再発防止に向けた寄り添い支援」
・これまで8年以上4,000件以上の現場(孤独死・火災・水害・ゴミ屋敷・遺品整理など)に携わる

▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
・「bizSPA!フレッシュ
・「スタジオパーソル」単独取材
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video