【住宅の浸水被害経験者86人調査】復旧作業を始めた人の36.11%が費用負担に苦慮|22.22%が「乾燥が十分か判断できなかった」
2026.10.25

- 浸水した住宅は、何から片付ければよいのだろう
- 清掃は終わったけれど、十分に乾燥しているのかわからない
住宅の浸水被害では、水が引いた後も、清掃・乾燥・補修などの復旧対応が必要になります。被災した人は、作業そのものに加え、対応の順序や乾燥状態の判断、費用の確保にも向き合うことになります。住宅を利用できなくなれば、日々の生活や賃貸経営への影響も生じます。
そこで、ブルークリーンは、直近5年以内に住宅の浸水被害を経験した86人を対象に調査を実施しました。対象は、復旧対応の内容を把握している人です。
本記事では、復旧作業の開始時期や実施した対応、作業の担い手、困ったことを紹介します。復旧費用や、再び住める・貸し出せるまでの期間も取り上げ、浸水後の復旧を進めるうえでの課題を考えます。
| 調査名 | 住宅と水害に関するアンケート |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年10月13日~2026年10月16日 |
| 調査方法 | Freeasyを用いたWeb調査 |
| 調査対象 | 直近5年以内に、大雨・洪水などによる住宅の浸水被害を経験し、復旧対応の内容を把握している人 |
| 有効回答数 | 86人 |
※復旧対応の内容・作業の担い手・困ったことは、復旧作業を開始した72人の回答を掲載しています。
※復旧期間は、浸水によって住宅に住み続けられない、または貸し出せない状態になった32人の回答を掲載しています。
※構成比は小数点以下第3位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。合算値は人数から計算しています。
※複数回答の設問では、回答比率の合計が100%を超える場合があります。
復旧作業の開始は、作業可能になってから「2~3日後」が26.74%で最多

まず、全体86人に、復旧作業が可能になってから清掃・乾燥などを始めるまでの期間を尋ねました。起点は、安全確認や立ち入り制限の解除などによって作業ができるようになった時点です。
最も多かったのは「2~3日後」で、23人(26.74%)でした。次いで、「作業可能になった当日」が20人(23.26%)となっています。
「4~7日後」は14人(16.28%)、「翌日」は12人(13.95%)でした。「8~14日後」は3人(3.49%)です。
当日から3日後までに作業を始めた人は、合計55人(63.95%)でした。一方、「まだ作業を始めていない」は14人(16.28%)となっています。
約6割が、作業可能になってから3日後までに動き始めていました。被災後の早い段階で、作業の準備や手配を進めている実態がうかがえます。
その時点で復旧方法や依頼先を一から調べることは、負担にもなります。平時から相談先や基本的な対応の流れを把握しておくことが、初動を支える備えになるでしょう。
実施した復旧対応は「室内・床下等の清掃」が55.56%で最多

ここからは、復旧作業を開始した72人の回答を紹介します。
実施した復旧対応を複数回答で尋ねたところ、「室内・床下等の清掃」が40人(55.56%)で最多でした。次いで、「泥・汚れの除去」が28人(38.89%)となっています。
「排水」と「浸水した家具・家財の撤去」は、各24人(33.33%)でした。
乾燥に関する対応では、「換気・送風による乾燥」が20人(27.78%)です。「除湿機・乾燥機による乾燥」は17人(23.61%)でした。
そのほか、以下の対応も行われていました。
- 床下・壁の内部などの浸水や湿り気の確認:19人(26.39%)
- 消臭・脱臭:15人(20.83%)
- カビの除去:14人(19.44%)
- 設備の修理・交換:11人(15.28%)
- 床・壁・断熱材などの撤去・交換:7人(9.72%)
清掃が最も多かった一方、乾燥や内部の状態確認、設備・建材への対応まで、作業は多岐にわたっています。
この結果からは、浸水後の復旧が、目に見える泥や汚れの除去だけでは収まらないことが見えてきます。住宅の状態によっては、設備の修理や建材の交換まで検討する必要があります。
何を清掃し、どこを乾燥・確認するのか。被害の範囲に合わせて必要な作業を整理することが、復旧を進める出発点になるでしょう。
復旧作業は「自分・家族」が48.61%で最多|専門業者は8.33%

復旧作業を誰が行ったかを複数回答で尋ねたところ、「自分・家族」が35人(48.61%)で最多でした。
次いで、「管理会社の担当者」が17人(23.61%)となっています。「ボランティア」は14人(19.44%)、「一般の清掃業者」は13人(18.06%)でした。
「賃貸物件の入居者」は11人(15.28%)です。「工務店・リフォーム会社・設備業者」は9人(12.50%)となっています。
「水害復旧・特殊清掃などの専門業者」は6人(8.33%)でした。また、2人(2.78%)が、業者に依頼したものの種類はわからないと回答しています。
自分や家族が作業に関わった人は、約半数に上りました。被災した側も、復旧を進める重要な担い手になっていることがわかります。
生活の立て直しと作業が重なれば、体力や時間だけでなく、進め方を考える負担も生じます。作業の人手に加え、迷ったときに相談できる相手も必要になるでしょう。
管理会社やボランティア、各種業者などと作業を分担し、本人や家族だけで抱え込まない体制を考えることが大切です。
復旧対応で困ったことは「費用の負担が大きかった」が36.11%で最多

復旧作業を開始した72人に、対応で特に困ったことを複数回答で尋ねました。
最も多かったのは「復旧費用の負担が大きかった」で、26人(36.11%)でした。
次いで、「何から対応すればよいかわからなかった」が16人(22.22%)となっています。「乾燥が十分か判断できなかった」も、同じく16人(22.22%)でした。
業者の手配では、「対応できる業者が見つからなかった」が14人(19.44%)です。「業者の対応までに時間がかかった」は11人(15.28%)となっています。
これらの回答から、復旧には費用の確保に加え、対応の順序や依頼先を決める難しさもあることがわかります。
作業に取りかかれる状態になっても、何を優先すべきかがわからなければ、進め方に迷ってしまいます。復旧を支えるには、個々の作業方法とともに、全体の流れを判断できる情報も必要です。
また、費用に制約がある場合は、必要な作業と見積もりの内訳を確認することが重要になります。優先して行う作業を相談できることが、判断の助けになるでしょう。
22.22%が「乾燥が十分か判断できなかった」|カビ・臭いの未解消や再発で困った人は12.50%

同じ設問から、衛生復旧の判断に関する回答を詳しく見てみます。
「乾燥が十分か判断できなかった」は16人(22.22%)でした。「床下・壁内部などの状態が確認できなかった」は13人(18.06%)となっています。
また、「カビ・臭いが解消しなかった、または再発した」を困りごとに挙げた人は9人(12.50%)でした。
この結果からは、復旧作業を進めても、「これで十分なのか」を確かめる難しさが見えてきます。
目に見える汚れに比べ、乾燥の程度や床下・壁内部の状態は、確認や判断に迷いやすい部分と考えられます。作業後のカビ・臭いに悩む場合も、次に何をすべきか判断が必要になります。
専門業者には、清掃・乾燥などの作業だけでなく、確認した状態を説明する役割もあります。追加対応の必要性や、その後の確認事項まで共有することが、依頼者の不安や判断の負担を減らす助けになるでしょう。
住宅の復旧費用は「10万円以上~30万円未満」が19.77%で最多|100万円以上は11.63%

全体86人に、住宅の復旧にかかった費用の総額を尋ねました。
「10万円以上~30万円未満」が17人(19.77%)で最多でした。「0円」と「1円以上~10万円未満」は、各14人(16.28%)となっています。
「30万円以上~50万円未満」は12人(13.95%)でした。そのほかの回答は、以下のとおりです。
| 復旧費用 | 人数・割合 |
|---|---|
| 50万円以上~100万円未満 | 7人(8.14%) |
| 100万円以上~300万円未満 | 5人(5.81%) |
| 300万円以上 | 5人(5.81%) |
| 費用は発生しているが、金額はまだ確定していない | 12人(13.95%) |
100万円以上と回答した人は、合計10人(11.63%)でした。費用には幅があり、300万円以上かかったケースも見られます。
前の設問では、費用負担が復旧時の困りごとの最多でした。実際の費用の回答とあわせると、水害への備えでは経済面も考えておく重要性がうかがえます。
また、12人(13.95%)は金額がまだ確定していませんでした。最終的な費用が見えないことも、資金の準備や復旧計画を考えるうえで負担になるでしょう。
相談時には、必要な作業と費用の見通しに加え、追加作業が生じる条件も確認しておきたいところです。保険の補償対象についても、契約内容を確認しながら進めることが大切です。
37.21%が浸水により「住み続けられない・貸し出せない状態になった」と回答

浸水によって、その住宅に住み続けられない、または貸し出せない状態になったかを尋ねました。
全体86人のうち、「なった」は32人(37.21%)でした。「ならなかった」は54人(62.79%)となっています。
約4割が、住宅の居住や貸し出しを続けられない状態を経験していました。水害の影響は、清掃や修理の負担だけでは収まらないことがわかります。
住宅を利用できなくなると、住む人は生活の場を確保する必要があります。貸す側も、入居者への連絡や物件の管理、利用再開に向けた対応を考えなければなりません。
建物の復旧と、暮らしや物件運用の立て直しを並行して進めることになります。そのため、水害への備えでは、住宅を利用できない間の対応まで考えておくことが重要です。
住み続けられない・貸し出せない状態になった32人のうち、46.88%は復旧までに1か月以上

住宅に住み続けられない、または貸し出せない状態になった32人に、利用再開までの期間を尋ねました。被災してから、再び住める・貸し出せる状態になるまでの期間です。
「1週間以上~1か月未満」が13人(40.63%)で最多でした。
「1か月以上~3か月未満」と「3か月以上~6か月未満」は、各7人(21.88%)となっています。「6か月以上」は1人(3.13%)でした。
再び住める・貸し出せるまでに1か月以上かかった人は、合計15人(46.88%)です。
そのほか、「1週間未満」と「まだ復旧していない」は各1人(3.13%)でした。「復旧して住む・貸し出すことを断念した」は2人(6.25%)となっています。
住宅を利用できなくなった人の約半数で、再開までに1か月以上を要していました。復旧に伴う生活や物件管理への影響が、長期に及ぶ場合もあることがうかがえます。
こうした状況では、作業開始の早さに加え、その後の工程と期間を把握することも重要です。見通しがあれば、仮住まいや入居者への説明なども検討しやすくなります。
復旧の相談時には、必要な作業とともに、再び利用できるまでに何を確認するのかを整理しておくとよいでしょう。
浸水後の復旧では、清掃に加えて乾燥状態や見えない箇所も確認することが大切

今回の調査では、復旧作業を開始した72人のうち、22.22%が乾燥の判断に困っていました。床下・壁内部などの状態確認に困った人も18.06%いました。
また、カビ・臭いの未解消や再発を困りごとに挙げた人は12.50%です。
これらの結果から、復旧では、作業内容とあわせて「作業後の状態をどう確認するか」も考える必要があるといえます。
住宅の状態に応じて、以下の項目を確認・相談しましょう。
- 浸水した範囲と、清掃・撤去が必要な箇所
- 床下や壁内部などの浸水や湿り気
- 乾燥方法と、乾燥状態の確認方法
- カビ・臭いが残る、または再び発生した箇所
- 建材や設備の撤去・交換の必要性
- 作業後に経過を確認する箇所や、再相談の目安
自分や家族で作業する場合も、確認や判断が難しい部分まで抱え込む必要はありません。専門業者などに状態を伝え、どこまで対応すべきか相談することが大切です。
依頼先を選ぶ際は、清掃・乾燥などの対応範囲だけでなく、状態確認や作業後の説明も確認しましょう。何を確認し、どのような状態だったかを共有してもらえることが、その後の判断を支えます。
復旧費用や生活への影響も踏まえ、相談先と対応範囲を整理しておく

復旧時の困りごとでは、費用負担が36.11%で最多でした。また、19.44%が、対応できる業者を見つけられなかったと回答しています。
住宅を利用できなくなった人の中には、再開までに1か月以上かかった人もいました。
被災後は、作業の手配や費用の検討とともに、生活面の対応も進めることになります。その段階で相談先を探す負担を減らすためにも、平時から連絡先や対応範囲を整理しておくことが重要です。
事前または被災後に、以下の項目を確認しておきましょう。
- 保険の水災補償の有無と、補償の対象・条件
- 保険申請に必要な写真や記録
- 清掃・乾燥・カビ除去・消臭など、業者の対応範囲
- 見積もりの内訳と、追加費用が生じる条件
- 作業開始の見通しと、復旧工程
- 仮住まいや入居者への連絡など、生活面の対応
- 保険会社・管理会社・施工業者などとの役割分担
相談先は、名前や連絡先を知っているだけでなく、何を依頼できるかまで確認しておくことが大切です。相談時に共有する写真や被害状況なども整理しておくと、状況を伝えやすくなります。
また、災害時は、候補の業者がすぐに訪問できない場合もあります。受付方法や訪問までの流れを含めて確認しておくとよいでしょう。
復旧を担う人が、作業も判断も一人で背負う必要はありません。関係者と役割を分担し、必要な支援につながる体制を考えておきましょう。
住宅の水害後の復旧対応・費用・期間に関する実態調査まとめ
本記事では、住宅の浸水被害を経験した86人を対象に、復旧対応の実態を紹介しました。
主要な結果は、以下のとおりです。
- 全体86人のうち、作業可能になってから当日~3日後までに復旧作業を始めた人は63.95%
- 作業を開始した72人では、「室内・床下等の清掃」が55.56%で最多
- 復旧作業の担い手は「自分・家族」が48.61%で最多
- 復旧対応の困りごとは「費用の負担が大きかった」が36.11%で最多
- 乾燥状態の判断に困った人は22.22%、床下・壁内部などの状態確認に困った人は18.06%
- カビ・臭いの未解消や再発を困りごとに挙げた人は12.50%
- 全体86人のうち、復旧費用が100万円以上だった人は11.63%
- 37.21%が、住み続けられない・貸し出せない状態になったと回答
- その32人のうち、再び住める・貸し出せるまでに1か月以上かかった人は46.88%
今回の調査から、住宅の水害復旧では、費用や人手に加え、対応の順序や作業後の状態を判断する難しさも見えてきました。
自分や家族が作業に関わるケースも多く、被災した側が、作業と判断の両方を担っていることがうかがえます。
だからこそ、住宅の状態に応じた清掃・乾燥・補修を進められるよう、相談先を確保しておくことが大切です。専門業者などと作業を分担し、確認や判断も支えてもらえる体制を整えていきましょう。
ブルークリーン株式会社 概要
会社名:ブルークリーン株式会社
代表者:藤田 隆次
所在地:東京都大田区萩中1-6-10フェニックス糀谷1F
設立:2018年7月
事業内容:バイオリカバリー™事業(特殊清掃、災害復旧、感染症対策など)
URL:https://b-clean.jp

記事監修・解説
鈴木 亮太
Suzuki Ryota
保有資格・専門技術(IICRC/CDC準拠)
国際ライセンス:IICRC認定技術者(CCMT/OCT)
専門技術:カビ除去(Goldmorr認定)/ペストコントロール技能師
災害支援:災害復旧技術者(JRES認定)
自治体講師:横浜市栄区「ごみ屋敷解消と再発防止支援」
メディア出演・活動実績
YouTube登録者5.3万人:「特殊清掃ch|すーさん」メイン出演
連載コラム:日刊SPA! / bizSPA!フレッシュ
インタビュー:スタジオパーソル(キャリア特集)
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