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Case Study ケーススタディ

【東京都世田谷区】特殊清掃の施工事例|血液が飛散し感染症リスクが高まった現場とは?

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1.なぜ特殊清掃が必要になったのか?ご依頼の背景と経緯

今回ご相談をいただいたのは、室内にお住まいだった方のご家族様でした。

ご本人は体調を崩し、突発的に大量の吐血を起こして緊急搬送

命に別状はなかったものの、室内の複数箇所に血液が飛散し、不動産会社様を通じて私たちブルークリーンにご連絡がありました。

お話を伺うと、ご家族は遠方にお住まいで、ご自身での清掃が難しい状況。

また、入院が長期化することが確定したため、賃貸物件の契約を終了する必要があり、退去前に汚染箇所の専門清掃が求められる状況でした。

特に血液汚染は、臭気の発生だけでなく、感染症リスクへの配慮が不可欠です。

そのため、通常の清掃ではなく、感染症対策・消毒処理を含む特殊清掃として対応する必要がありました。

ご家族様の代理として不動産会社様から鍵をお預かりし、後日、現地調査に伺うこととなりました。

2.特殊清掃の対象となった部屋の状況とは?施工前の現場状態

現場となったのは1Rタイプの単身者向け住居で、最低限の生活用品が整理された空間でした。

しかし、調査を進めると、浴室まわりを中心に広範囲に血液が飛散していることが判明

特に洗面台周辺には乾ききっていない血液が残存しており、部屋全体に“鉄臭さ”とも形容される特有の腐敗臭が充満していました。

壁や家具にも血痕が点在し、当時の混乱や緊迫感がそのまま残されているような状況でした。

こうした血液汚染に対しては、その成分や感染性の有無が特定できない場合でも、「潜在的に感染性のある危険物」として扱うのが国際的な基準です。

ABRA(American Bio Recovery Association)やIICRCのS540/S400でも、B型肝炎(HBV)やHIVなどのリスクを前提に、すべての血液を感染性物質とみなす“ユニバーサルプリコーション”の考え方が徹底されています。

そのため当社では、作業員全員に感染防護装備(PPE)を義務付け、血液の状態を非接触で評価したうえで、安全かつ計画的に対応を進める準備を整えました。

関連:[特殊清掃員に依頼すべき理由とは?費用や選び方までしっかり解説]

3.ブルークリーンが実施した特殊清掃の内容と工夫点

現地調査の結果、今回は以下の作業をご提案しました。

  • 血液の除去と汚染箇所の洗浄
  • 感染症を想定した消毒処理と脱臭作業
  • 残置物の回収・処分
  • 遺品や貴重品の捜索・仕分け対応

 

ご家族様より正式なご依頼をいただいた後、迅速に作業体制を整えました。

血液汚れの厄介な点は、目に見える範囲だけでは済まないことです。

床材や壁紙の繊維、家具の隙間などに微細な血液成分が残存することが多く、表面的に綺麗に見えても専用薬剤を使うと汚染が浮き出てくることもあります。

そのためブルークリーンでは、人体に無害でありながら血液に高反応する薬品を用いて隠れた汚染を可視化し、再汚染を防ぐ洗浄を徹底しています。

また、作業スタッフはすべて感染症対策の訓練を受けた技術者で構成し、PPE(個人防護具)を完全装備の上で、曝露リスクを最小限に抑えながら処理を進めました。

作業完了後は、血液由来の臭気も除去され、安全かつ衛生的な空間に復旧することができました。

4.特殊清掃を終えて|まとめとご依頼者さまの反応

今回は血液汚染による特殊清掃でしたが、体液や血液が関与する現場には、見えない感染症リスクが常に潜在しています。

実際、ABRAやIICRCの基準でも、すべての体液は“感染性があるものとして扱う”という原則(ユニバーサルプリコーション)が採用されています。

そのため、現場を直接確認したいというお気持ちは理解できますが、個人保護具(PPE)を着用せずに室内へ立ち入ることは強くお控えいただきたいと思います

私たちブルークリーンは、専門教育を受けた清掃技術者が、感染防止策を徹底しながら安全に作業を進める体制を整えています。

清掃終了後には、ご家族様・不動産会社様双方より「ここまで丁寧に対応してもらえるとは思わなかった」と感謝のお言葉をいただきました。

“自分たちでは手に負えない状況”だからこそ、専門家に相談するという判断が、最も正しい選択だったと考えています。

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before
after
間取り 1R
作業時間 5時間
作業人数 3名
作業費用 243,000円