「自分が所有、管理している不動産が事故物件になってしまった…」
突然の出来事で何から始めれば良いのか分からないですよね。
結論から言うと、事故物件になってしまった場合は特殊清掃業者に依頼するしかありません。
さらに、対処が遅くなると、不動産・物件としての価値を下げてしまうことがあります。
この記事では、事故物件になってしまった場合の最適な対処法と特殊清掃業者に依頼する流れを解説していきます。
現代の日本は少子高齢化が進み、お年寄りの孤独死や、貸し出している物件で人がお亡くなりになるケースは増えていく一方です。
今回のケースだけではなく、これから先の知識としても活かせる内容となっておりますので、ぜひ最後まで見ていただけたら幸いです。
▶経歴
・公益社団法人日本ペストコントロール協会ペストコントロール技能師
・3,000件以上の孤独死案件に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・日刊SPA!
・bizSPA!フレッシュ
・「Channel恐怖」Aamzon prime video
1.そもそも事故物件とは?
国土交通省が定めた「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」によると、事故物件とは「入居者が殺人や自殺などの原因で死亡した物件」のことを指します。
事故物件になると不動産取引時に取引先へその旨を告知する必要があります。
ただし病死や事故死、自然死などですぐに遺体が発見され、特殊清掃を行う必要がないものは事故物件にはなりません。
事故物件と特殊物件の違い
事故物件と勘違いされやすい言葉に「特殊物件」というものがあります。
この特殊物件とは、建物のオーナーが入居者に対し特殊な条件や制限を設けている物件のことです。
特殊物件として報告されている物件は、以下のような条件を設けています。
- 家賃の支払いが手渡し
- 大家と月1回面談する
- 門限がある
これらのことから、特殊物件と事故物件は全く異なるものであることがわかります。
2.事故物件はすぐに特殊清掃を依頼すべき!
事故物件はすぐに特殊清掃業者に依頼しましょう。
なぜなら、以下3つの理由で物件・不動産としての価値が下がるからです。
- 近隣の人にバレて変な噂がたつ
- 取り返しがつかない汚れになってしまう
- 臭いで隣人から苦情がでる
また、安易に事故物件を放っておくと「これから先誰も入居者が現れない」という最悪の事態につながることもあります。
それぞれ1つずつチェックしてみましょう。
理由1.近隣の人にバレて変な噂がたつ
近隣の人にバレて変な噂がたつ可能性があります。
事故物件を放っておく期間が長いほど、人々の目に触れてしまう機会が長くなるからです。
人間は噂好きな生き物ですから、一度悪い噂が立ってしまうと、あっという間に広がっていってしまいます。
また一度悪い噂が立ってしまうと、物件の入居者が現れないという事態にとどまらず、現在住んでいる住人の方も出ていってしまうという事にもつながりかねません。
特殊清掃をすぐに依頼するのはこれから先住んでいただく方のためでもあり、現在住んでいる方の礼儀でもあります。
近所の人にバレて噂が広まる前に、すぐに動き出しましょう。
理由2.取り返しがつかない汚れになってしまう
遺体から出た体液が取り返しがつかない汚れになってしまうのも理由の1つです。
汚れは時間が経つにつれて、酸化し、固まることによって繊維などに定着します。
そうすると、完璧に仕上げて綺麗にするということは難しくなってしまうのです。
場合によってはリフォームが必要なレベルになり、高額な費用がかかることも…。
しかし特殊清掃業者へ早めに依頼すれば、事故物件に関わるすべてを迅速に片づけてもらえます。
つまり、余分に損することなく新しい住民の方に住んでもらえる状態を残せるわけです。
取り返しがつかなくなる前に、特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。
加入されている保険を活用できる
理由3.臭いで隣人から苦情がでる
臭いで隣人から苦情がでる可能性も高いです。
亡くなった人間の体からは、どうしても臭いが出てしまいます。
また臭いは亡くなった部屋だけでなく、隣人の方が住む家まで広がってしまうほど強烈なものです。
大抵の場合、「事故が起きてしまった」と気付いたきっかけが、隣人からのクレームだったりしませんか?
もしそうであれば、すぐに対処しないと噂になる可能性がとても高いです。
このケースで発見された事故物件なら、早急に特殊清掃業者に依頼して臭いの原因を取り除く必要があります。
住民の方にこれから気持ちよく過ごしていただくためにも、臭いの対処だけでもすぐに依頼することをおすすめします。
3.事故物件で特殊清掃業者に依頼できること
いつでも頼めるように、事故物件の特殊清掃の依頼の仕方と流れを確認しておきましょう。
具体的には以下3つのステップで進めていきます。
- 警察を呼んで検視してもらう
- 特殊清掃業者に依頼する
- 必要ならリフォームする
1つずつ解説していきます。
ステップ1.警察を呼んで検視してもらう
まずは、警察を呼んで検視をしてもらいましょう。
遺体の状況や原因を調べてもらい、それが事故物件という扱いになるのかどうかを確認してもらうのです。
どうしても、遺体を見てしまうと平常な気持ちを保つことは難しいですよね。
しかし落ち着いてすぐに警察に連絡することが問題の早期解決につながります。
ステップ2.特殊清掃業者に依頼する
検視が終われば、特殊清掃業者に依頼しましょう。
あなたが掃除すれば、すぐに終わる状況であっても臭いの原因までは取り除けないことがほとんどだからです。
これから先も誰かに住んでもらいたいなら、清掃のプロに依頼し、事故が起きる前の状態に戻してもらいます。
また、これまでに何度も書いていますが素早い対処が大切です。
- 近隣の人にバレて変な噂が立つ
- 取り返しがつかない汚れになってしまう
- 臭いで隣人から苦情がでる
上記の3つの要素を防ぐためにも、落ち着いて依頼しましょう。
基本的に、特殊清掃が完了すればすぐに使える状態になっているはずです。
ステップ3.必要ならリフォームする
特殊清掃業者に依頼して清掃が終わったら、必要に応じてリフォームをしましょう。
例えば、エアコンやお風呂の浴槽、壁紙などに血痕が残ってしまっている場合は、そのまま取り換える必要があります。
これから先も貸し出しなどの予定があるなら、部屋をできるだけ綺麗に保ち、気持ちよく住んでいただける状態にしなければなりません。
リフォームまですれば、もう事故物件だったこともわからない状態になるはずです。
4.事故物件で特殊清掃業者が行ってくれること
何を依頼するのかを決めておけば、素早く着手することができるようになるはずです。
ここでは、特殊清掃業者が担当してくれる作業について確認していきましょう。
主に依頼できる代表的な作業が以下の3つです。
- 汚物廃棄物を除去
- 染みついた臭いの脱臭
- 害虫処理
1つずつ順番に解説していきます。
(1)汚物や廃棄物を除去
体液や血液などの汚物や廃棄物の除去を依頼できます。
事故物件の汚れの多くは、プロ専用の洗剤や機材を使うことで除去することができるからです。
しかし、木材やフローリングなどに汚物や廃棄物が染みついてしまっている場合には、上記の作業だけでは清掃しきれない部分がどうしてもでてきます。
除去しきれない部分に関しては、リフォームをするなどして新しく取り換えることも考えておきましょう。
体液や廃棄物の除去は、故人で完全に取り除くことが難しいのでプロに依頼しましょう。
(2)染み付いた臭いの消臭
事故物件に使う専用の脱臭洗剤を使って、染みついた臭いを消臭してもらうこともできます。
例えば、遺体の状態やお部屋の状況によって臭いは変わってきますよね。
専用の脱臭洗剤は臭いに応じて調合していくため、事故物件の状態に応じて適切な消臭作業が可能です。
「万が一臭いが残ってしまったらどうしよう」
と不安に思ってしまうかもしれません。
特殊清掃業者であれば、原因から取り除けるため臭いが出てくる心配をしなくて済むのです。
また、万が一のときにお願いしたい再消臭を無料でサービスしてくれるところを選べば、なお安心できるでしょう。
しっかりと除菌まで行うため、清掃業者に任せてみてください。
(3)害虫処理
事故物件に多い害虫の駆除も依頼してみましょう。
遺体の発見が遅れてしまった場合は、遺体からウジ虫やハエが発生し、部屋中に広がってしまっていることが多いからです。
害虫が広がってしまうと、人体に有害なウイルス発生につながることもあるでしょう。
次回の入居者のためにも、確実に除去する方法として業者に依頼するのがおすすめです。
ここまで紹介した作業以外にも、清掃から遺品整理、買い取りまで依頼することができます。
あなたの目的と予算に合わせて依頼内容を決めてみてください。
5.特殊清掃にかかる費用
これまでを読んできた人なら、気になるのが特殊清掃の費用の部分ではないでしょうか。
部屋の広さにもよりますが、例として東京の特殊清掃に必要な費用目安を表に目安をまとめましたのでご覧ください。
間取り | 費用の目安 |
---|---|
1K〜1R(9㎡〜28㎡) | 78,000〜280,400円 |
1DK〜3LDK(25㎡〜70㎡) | 135,000〜482,000円 |
4DK〜(71㎡~) | 245,000〜690,000円 |
物量過多の部屋(ゴミ屋敷) | 要見積もり |
ただし、上記の表はあくまでも目安で、部屋の状態に応じて金額はかなり上下します。
そのため、まずは見積もりを取ってみることをおすすめします。
見積もりだけなら料金はかかりません。
6.事故物件に対する清掃事例3選
「実際に特殊清掃業者に依頼すると、どのように変化するのか」
と言われても想像が難しいのではないでしょうか。
そこで、実際にブルークリーンにご依頼いただいた実例を3つ紹介していきます。
また、下記3つのに沿って紹介していきますので、現在の事故物件の様子と照らし合わせて見ていただければイメージしやすいはずです。
- 依頼の内容
- 料金・作業時間
- ポイント
それでは、さっそく見ていきましょう。
事例1.東京都新宿区マンション(浴室)
まずご紹介しますのは、マンションの浴室で亡くなってしまっていたケースです。
亡くなった方の遺族の方から依頼され、特殊清掃が行いました。
浴槽内で亡くなっていたところを警察に発見され、浴槽内には体液や水が混ざり合っており、非常に悲惨な状態です。
依頼主様は「近隣に迷惑がかからないように」と大変心配なさっており、迅速に対処してほしいとのご要望でした。
依頼の内容
依頼の内容としては、浴室を中心とした悪臭の処理、また悪臭に群がってしまっていた害虫の駆除となりました。
浴室の清掃は基本的に悲惨ケースが多いため、特殊清掃業者のような専門知識を持った人間が対応しないと感染症などのリスクが高く非常に危険です。
さらに、臭いの原因を取り除くためには特別な薬品を使わないと難しいことも多くあります。
事故物件では、薬品に頼らなければ落ちない臭いもあるということは覚えておきましょう。
料金・作業時間
浴室など比較的狭い範囲の清掃であれば、担当作業員は1人です。
上記のような依頼内容で、費用は261,000円。
作業時間は7時間ほどですので、依頼したその日に特殊清掃が完了したようです。
ポイント
この事故物件の特殊清掃で大きなポイントとなるのが、素早い対応です。
依頼者の遺族の方は「遺品整理をゆっくりと行いたい」とのことだったため、特殊清掃のみの依頼となりました。
そのため、すぐに着手することができ、大きな被害を出すことなく済ませることができたのです。
また、浴室で亡くなられ、臭いも別の部屋へ広がってしまっていたそうですが、依頼が早いことですぐに臭いが消すことができたのも大きなポイント。
さらに、秘密保持契約を結ぶことで、何が起きて・何をしたのかなどの情報を外部に漏らさずに進めることができます。
早めの連絡が、隣人にも迷惑をかけずに済ませる重要なポイントとなるでしょう。
事例2.東京都品川区1DKアパート
次の事例は、キッチンの前でお亡くなりになられていた事故物件です。
亡くなられてから2週間が経過してしまっており、事故が起きた部屋は二階で、一階には別の住人さんが住んでいる状況でした。
清掃の依頼者は、亡くなった方の遺族の方でしたが、立ち合いには物件のオーナーの方も参加されました。
オーナーさんは「今後物件を貸し出すことはない」とのことでしたので、最低限の清掃を行う形です。
依頼の内容
作業内容は、消毒消臭、害虫処理、床材の部分解体やオゾン脱臭を中心に清掃です。
死後2週間も経過すれば、その分だけ臭いはひどくなり、ウジ虫なども相当数になっています。
さらに、この事例では亡くなった痕跡がそのまま残っていました。
痕跡を消すため、そしてシロアリなどの別の害虫にも対応すべく、部分解体も含めた作業内容です。
作業時間・料金
作業時間は3時間ほどで、2名の作業員で進められています。
料金は最低限の内容だったため、78,000円と他の事例と比べても安いです。
ポイント
この事故物件でのポイントは「今後貸し出すか、貸し出さないか」という点です。
貸し出しをするのであれば、原状回復工事と呼ばれる元通りにする作業が追加されます。
そうすると、特殊清掃を行わなければならない範囲も広がり、費用が高くなってしまうのです。
オーナーさん自身が決める部分ではありますが、特殊清掃の費用も含めてどこまで依頼するのかを決めると良いでしょう。
事例3.東京都杉並区2Kアパート
最後は、アパートの和室の部屋でお亡くなりになられていた事故物件です。
亡くなられた方の遺族の方からのご依頼で、死後1ヶ月以上が経過してしまっていました。
物件のオーナーさんは今後も貸し出す予定であったため、素早い対応を求められたのです。
しかし、和室ということもあり、遺体の形がそのまま跡として残っていたことが大きく内容に響きました。
依頼の内容
畳の張替え、木枠の部分脱臭、床下地の部分脱臭、オゾン脱臭、床下腐敗物の清掃と数多くのご要望をお伝えいただき、素早く依頼を受けた当日中に清掃は完了しました。
しかし、痕跡の残っている畳の張替えなどはどうしても時間を要するため、結果的に3日間かけてすべての作業が完了となった事例です。
作業時間・料金
作業時間は3日間で、料金は256,000円です。
作業員は3名で行われました。
ポイント
この事故物件のポイントは発見が遅れていることです。
亡くなられてから1か月以上も経過しており、お部屋全体に腐敗臭が広がってしまっていました。
また、和室だったこともあり、遺体の痕跡と臭いが残ってしまっています。
もちろん、遺体を見つけるまでに時間がかかってしまうことは致し方のないことです。
しかし、遅れたときこそ見つけたら素早い対応をすべきともいえるでしょう。
7.事故物件の清掃業者選びで気を付けるべき注意点
さっそく、事故物件の特殊清掃を依頼するために動き出したいですよね。
しかし、業者を選ぶ際に気を付けるべきことが1つだけあります。
それは、「金額だけ見て決めないこと」です。
- 最初は安くても追加料金が完了後に届く
- 柔軟に対応してもらえず妥協点が出てしまう
- 大切なものまで廃棄されてしまう
こうしたトラブルは、不動産会社の特殊清掃で起きる代表的な例です。
あなた自身が損をしないために、自分が希望する内容や費用などが叶う清掃業者に依頼するようにしましょう。
また、以下の記事では特殊清掃業者の選び方についても詳しく紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
8.事故物件の清掃はブルークリーンにお任せください
ブルークリーンでは、24時間365日いつでもお問い合わせでき、無料のお見積りを出せます。
所有不動産での特殊清掃は、迅速なご依頼が綺麗かつ安価で依頼するポイントです。
すぐに片付けてしまいたいというご希望にもお応えし、立ち会いなしでも実施できますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
この記事では事故物件になってしまった場合の、特殊清掃について解説してきました。
いざ事故物件になってしまった場合は、以下2つの流れで手早く進めましょう。
- 焦らず警察を呼ぶ
- 清掃業者に依頼する
無料相談を行っている清掃業者も存在しますので、不安な方はまず相談をすることから始めてみてはいかがでしょうか。
ブルークリーンなら電話をいただければすぐに対処できますよ。
また、特殊清掃業者の情報や特殊清掃に関する情報を発信している「特殊清掃マスター」というサイトもあります。
特殊清掃PLUSには無い情報も掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。