1.なぜ特殊清掃が必要になったのか?ご依頼の背景と経緯
今回ご相談をいただいたのは、親族の方が室内でお亡くなりになったことを受けて、対応に迫られていたご家族様でした。
ご遺体はベッドの上で発見されたとのことで、発見までには一定の時間が経過していた状況。
室内には特有の臭気が漂っており、生活空間としての環境回復が急務とされていました。
また、今後の住まいの整理や物件の契約手続きも控えていたことから、できる限り早い対応をご希望されており、「信頼できる業者に任せたい」との想いで、ブルークリーンへご相談いただいた流れとなります。
2.特殊清掃の対象となった部屋の状況とは?施工前の現場状態
今回の物件は、1DKながらも比較的ゆとりのある間取りで、リビングスペースには日常生活の痕跡が色濃く残っていました。
家具の配置や生活用品の置かれ方からは、故人が慎ましくも落ち着いた日常を送られていた様子がうかがえます。
玄関を開けた瞬間に感じられたのは、いわゆる強烈な腐敗臭ではなく、時間の経過とともに部屋全体に染みついたような、じんわりとした臭気でした。
臭いの質から判断すると、発見までにある程度の時間は経過していたものの、室温や換気状況などの環境要因により、臭気の拡散は限定的だったと考えられます。
居室内のベッドには、搬出後もそのままの状態で毛布やブランケットが重なるように残されており、その下層には体液の付着したシーツが確認されました。
いわば、「発見されたその瞬間の空気感」がそのまま室内に静止しているような状況で、ご遺族にとっても心理的に非常に重い現場でした。
このようなケースでは、表面的な汚染物の処理にとどまらず、「見えない不安」を丁寧に取り除く作業こそが、特殊清掃に求められる本質的な対応であるとブルークリーンは考えています。
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3.ブルークリーンが実施した特殊清掃の内容と工夫点
現地調査の結果、以下の作業をご提案いたしました。
- ベッド上の汚染布団・毛布・シーツなどの撤去
- マットレスおよび木製ベッドフレームの解体・搬出
- 血液・体液など感染性リスクのある残留物の除去
- 専用薬剤によるタンパク質分解洗浄
- 高濃度オゾンによる室内脱臭処理
正式なご依頼をいただいた後、作業日程を速やかに調整し、実施へと移行しました。
室内は1DKと比較的コンパクトな構造でしたが、ベッド周辺に集中して汚染が見られたため、初期段階での汚染軽減作業を慎重に行いました。
また、感染性物質(OPIM)を含む可能性があるため、バイオリカバリー専用のPPE(個人防護具)を着用し、安全性を確保しながらの作業となりました。
特に、体液の浸透状況や建材への影響を丁寧に確認しながら、素材ごとに最適な洗浄方法と薬剤を選定。
高い清掃精度を維持したうえで、短時間での施工を実現しています。
仕上げにはオゾン脱臭機を使用し、目に見えない空間中の臭気にも対応。
作業完了後には、室内にこもっていた不快な臭いも大きく軽減され、原状回復工事にスムーズに移行できる状態となりました。
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4.特殊清掃を終えて|まとめとご依頼者さまの反応
ご親族が亡くなられたという状況のなかで、ご依頼者さまは「どこまで対応してもらえるのか」「臭気は本当に軽減できるのか」といった点に不安を感じながら、ブルークリーンへご相談くださいました。
作業完了後、室内を確認されたご依頼者さまは、清掃前とは明らかに異なる空気感に安堵された様子でした。
特に、臭気の軽減や汚染箇所の処理にご満足いただけたようで、結果的に他社と比較されたうえでもブルークリーンをお選びいただけたことに、私たちも責任の重さとやりがいを改めて実感しました。
孤独死の発生後には、見た目以上に空間全体へ影響が及んでいることが少なくありません。
ブルークリーンでは、こうした“見えない問題”にも専門的に対応し、物理的な清掃だけでなく、心理的な安心感も含めた原状回復を目指しています。
今回のように、早期対応と適切な処置を行うことで、次のステップへ円滑に進める環境を整えることができました。
今後も、目の前の一件に誠実に向き合いながら、人と空間の安心を支えてまいります。