1.なぜカビ対策が必要になったのか?|ご依頼の背景と経緯
今回ご相談をいただいたのは、東京都大田区にある商業ビルを管理する不動産管理会社様からでした。
同ビル内の飲食店で漏水が発生し、その影響により壁や収納部にカビが大量に繁殖していたとのことでした。
管理会社様は普段からビルメンテナンス会社に清掃を委託されていましたが、今回のような深刻なカビ被害は専門外で対応が難しいとの回答を受けられたそうです。
さらに、営業再開を急ぐビルオーナーからも早急な解決を求められていたことから、専門的な知識と技術を持つ業者を探す必要に迫られていました。
そのような経緯でブルークリーンにご相談をいただき、「飲食店の営業に支障が出る前に、徹底したカビ除去と再発防止策を講じてほしい」とのご依頼を頂戴しました。
2.飲食店の部屋はどんな状態だったのか?|施工前の状況を解説
現地調査を行った際、まず確認できたのは上層階からの漏水跡でした。
漏水そのものの修繕工事はすでに完了していましたが、店内には水害の爪痕がはっきりと残っていました。
店舗は約80㎡~ほどの広さがあり、客席には起毛素材の椅子が並んでいました。
湿気を含みやすい素材のため、椅子の表面には白や黒のカビが点在し、席ごとに広がっているのが目視でも明確に確認できました。
壁や天井、床の一部にも同様にカビが発生しており、特に換気の行き届きにくい箇所では広範囲に繁殖していました。
さらに被害は店内にとどまらず、共用廊下にまで及んでいました。
廊下の壁面や床には水が染みた跡とともにカビの発生が見られ、通行する人にとっても衛生面で無視できない状況でした。
また、浸水した箇所は乾燥後も汚れが目立ち、表面にシミのような跡を残しており、清潔感が失われていました。
こうした状況を確認した時点で、単なる清掃では十分ではなく、専門的なカビ除去と消臭処置が必要であることを強く実感しました。
同様に、湿気や利用頻度の高さからカビが発生しやすいのが公共施設のトイレです。
実際に対応した「公共施設のトイレに生えたカビの除去施工【神奈川県鎌倉市】」の事例も、あわせて参考にしていただければと思います。
3.ブルークリーンが行ったカビ除去と消臭の施工内容
現地調査の際に採取したカビの付着素材を会社に持ち帰り、専用薬剤でテスト施工を実施しました。
その後、カビが再発しやすい温度環境に数日間晒して経過を確認したところ、再発は見られませんでした。
この結果を踏まえ、本作業を以下の工程で進めることとしました。
①カビ除去作業
必要箇所を養生したうえで、天井や壁面など硬質素材の表面に付着したカビを除去。
飲食店内に多数あった起毛素材の椅子や残置物は仕上げ拭きを行い、空気中のカビ胞子についても専用処置を施しました。
共用部には入場規制を設け、被害の拡大を防止しています。
②空調設備内部の洗浄
エアコン・換気扇を分解し、熱交換器や内部パーツを洗浄・乾燥。
再度組み立てと動作確認を行い、正常な稼働を確認しました。
③使用薬剤と安全管理
作業にはカビ専用薬剤「Goldmorr」を使用し、素材を傷めず確実な除去を実施。
作業員は面体マスクやPPEを着用し、MVOC(カビ由来の揮発性有機化合物)対策も徹底しました。
費用と作業日数について
費用 | 1,060,400円(税込) |
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作業日数 | 5日間 |
店舗面積 | 80㎡~ |
今回の施工は店舗面積が約80㎡~と広く、起毛素材の椅子が多数あったことから、除去作業と空調設備の分解洗浄を含めて5日間を要しました。
費用はおよそ100万円前後でのご案内となり、規模や素材の状態を踏まえた内容となっています。
4.実際に施工を終えた結果は?|再発防止策とお客様の声
今回の施工完了後、数週間の経過観察を行いましたが、カビの再発は一切確認されませんでした。
さらに、空調設備の洗浄に加えて換気環境を見直すアドバイスを行い、店舗全体の空気循環が改善されたことで、再発リスクの低減にもつながっています。
施工前後の状態を比較した管理会社様からは、
「正直ここまで変わるとは思いませんでした。店内の臭いも消え、見違えるほど改善しました」
とのお声をいただきました。
5.まとめ|カビ対策で大切にすべきポイント
今回の施工を通じて確認できた重要なポイントは以下のとおりです。
- カビは表面除去にとどまらず、空調設備や空気中の胞子対策まで行うことが不可欠
- 効果を持続させるには、除去と予防を一体で設計することが求められる
- 工期と費用の透明性は、業者選定における信頼性の指標となる
本件の東京都大田区でのカビ対策施工事例は、衛生環境を回復させ、再発を防ぐための実務的な取り組みの一例です。
ブルークリーンでは今後も、現場ごとのリスクに応じた最適なカビ対策を提供し、安心して利用できる空間づくりを支えてまいります。
今回の事例でも分かるように、漏水はカビ発生の大きな原因となります。
より詳しく知りたい方は、関連記事「マンションのカビがすごい…どうすれば?」放置のリスク・除去費用・責任をプロが回答」もぜひご参照ください。
6.カビ対策に関するよくある質問(FAQ)|飲食店・建物管理で多いお悩み
カビ対策に関しては、「清掃すれば解決するのか」「設備ごとに処分が必要なのか」など、現場でよくいただくご質問があります。
ここでは今回の東京都大田区でのカビ対策施工事例に関連する疑問を取り上げ、専門的な視点から回答します。
Q1. 漏水後に発生したカビは、市販の洗剤で落とせますか?
表面上は落ちても、内部には菌糸が残りやすく、再び繁殖します。
特に湿度と温度がカビに適した条件(20〜30℃前後)で揃うと短期間で再発します。
今回の施工でも、表面清掃だけでは根本解決にならないことが確認されました。
Q2. 起毛素材の椅子などは処分しなければならないのでしょうか?
必ずしも処分する必要はありません。
素材に応じて専用薬剤を使用すれば、菌糸や胞子を不活性化させ、再利用できる場合もあります。
今回の飲食店でも、仕上げ拭きと薬剤処理により使用可能な状態へ戻すことができました。
Q3. 空調設備はなぜ分解洗浄が必要なのですか?
空調内部は結露によって湿気がこもりやすく、カビにとって繁殖しやすい環境です。
表面清掃では届かない熱交換器や内部パーツに菌糸が残るため、分解して洗浄・乾燥させることが再発防止に直結します。
Q4. 作業後にカビが再発しないことはどのように確認するのですか?
ブルークリーンでは現場処理に加えて、試料を専用薬剤で処理し、カビが繁殖しやすい温度環境で数日間観察します。
その過程で再発が確認されなかったことをもって、本施工に適用しました。