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Case Study ケーススタディ

【神奈川県川崎市】集合住宅で火元となった住戸における初期対応・火災復旧の施工事例

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神奈川県川崎市の集合住宅にて、火元となった住戸の火災復旧初期対応を行った施工事例。室内全焼・共用部の煤被害・化学臭に対し、専門技術で現場を整備した際のイメージ。

1.火災復旧のご依頼背景は?

今回ご依頼いただいたのは、神奈川県川崎市内の集合住宅における火災現場の復旧対応です。

発災当時、火元となった住戸は室内が全焼状態となり、構造を残してすべての内装が焼失した状態でした。

ブルークリーンへは、不動産会社から指定された工事会社を通じて依頼が入りました。

火災発生直後から現場確認には複数回伺い、初期対応の見積もりを提出しましたが、実際の施工がスタートするまでには保険対応・過失割合の確定・査定結果の調整など、多岐にわたる手続きが発生。

現場が動き出すまでにはおよそ4ヶ月以上を要し、そこから施工完了に至るまでトータルで約1年半を要した長期案件となりました

特に今回は「火災復旧を他の修繕工事と分離して扱えるか」といった管理面の調整も必要となり、施工そのものに加えて事務的・法的調整にも高度な対応が求められたケースです。

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2.火災復旧する箇所は?部屋の状況について

現場確認時点において、火元となった住戸内部はほぼ全焼状態でした。

火災により室内の壁・床・天井が焼損し、燃えカスと煤が充満した状態の集合住宅。神奈川県川崎市の火元住戸で撮影された火災直後の被害状況。

床一面に炭化物と焼損物が散乱し、天井・壁面も全面的に黒煙と熱によって変質しており、可燃物の原形はほとんど判別できない状況でした。

また、窓ガラスは破損し、熱と圧力による放射的な煤汚れが外壁面や共用廊下にまで拡散しており、建物全体への影響も無視できない案件でした。

特に問題となったのは、火災によって発生した強烈な化学臭です

これは、可燃物に含まれる合成樹脂やゴム類、電気機器などが燃焼・熱変性を起こすことにより発生するVOC(揮発性有機化合物)および酸性ガス系の臭気成分であり、一般的な生活臭やタバコ臭と異なり極めて刺激的かつ残留性が高いのが特徴です。

ブルークリーンは本案件において、指定工事会社が本格施工に着手できる状態にまで整える「初期対応」を担当しました。

すなわち、焼損物の一次撤去や安全確認、被害範囲の洗い出し、共用部への汚染拡大防止措置など、火災復旧における最前線のリスク制御フェーズを専門的に実施しています。

このような段階では、「とにかく片付ける」ことよりも、損傷・汚染・臭気の実態を正確に把握し、今後の工事計画に支障をきたさないように整えることが最も重要です。

火災現場における“初動対応の質”が、その後の復旧全体の品質とスピードを大きく左右するため、当社では災害対応に特化したチームによる現地判断と技術提案を基本方針としています。

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3.ご提案した火災復旧の内容について

今回の初期対応では、指定工事会社が本復旧に着手できる状態まで現場を整えることがブルークリーンに求められた役割でした。

そのため、当社は「作業範囲を限定しつつも、復旧工程全体の障害となる要素を最小化する」ことを主眼に、以下の作業を計画・実施しました。

罹災ゴミおよび焼損物の撤去

焼損により炭化・崩壊した家財、紙類、プラスチック類などを分別・回収

特に、腐敗や分解が進行していた湿潤系の焼損物については、悪臭や二次汚染の原因となるため優先的に撤去を実施。

また、可燃性ガス残留の懸念がある部材に関しては、安全確認のうえ速やかに除去しました。

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床上・壁際の燃えカス除去および表面処理

ススや煤に覆われた壁・床の表面に対し、一次洗浄と簡易的な表面研磨(サンディング)を行いました。

これにより、臭気吸着源となる表面層の汚染を物理的に除去し、次工程(塗装・内装施工)の品質を阻害しない下地状態へ近づけています。

特殊消臭作業(化学+空間対応)

火災現場特有の有機化合物系臭気(VOC)や酸化臭・焦げ臭に対応するため、オゾンや中和剤などの非マスキング系の消臭技術を組み合わせた特殊処理を実施。

単なる「いい匂いでごまかす」手法ではなく、臭気の成分構造にアプローチし、化学的に分解・中和を図りました。

内装解体に向けた前段階の環境整備

本件では、建物所有者・保険・施工元との連携のもと、将来的な内装解体を想定した環境整備も一部実施しています。

具体的には、施工範囲を区画・記録し、構造体への影響を最小限にとどめる形で、表層的な解体準備(養生・マーキング・状況報告)などを行いました。

これにより、工事会社がスムーズに作業へ移行できるよう配慮しています。

これらの対応により、現場は「災害直後の危機的状態」から、「安全性と施工性が確保された復旧準備段階」へと移行しました。

ブルークリーンでは、“次工程を見据えた初動対応”という専門領域の技術的価値を最大限に発揮した形です。

4.なぜブルークリーンが選ばれたのか?~火災復旧における“信頼と技術”の総合力~

今回の火災復旧では、発災直後から完工に至るまで約1年半におよぶ長期案件となりました。

火元となった住戸である以上、現場の重要度は極めて高く、保険対応・管理会社との調整・他工事との整合性など、施工以外の課題も多く存在していました。

そうした中でブルークリーンが担当を任された背景には、単に火災清掃ができるというだけでなく、“現場を前に進めるために必要なすべて”に応えられる対応力が評価された結果だと考えています。

信頼されたのは「長期にわたる安定対応力」

施工開始までに数ヶ月の調整期間があり、実作業フェーズも複数回に分かれ、その都度、状況に応じた人員調整・現地確認・報告書の作成が求められました。

こうした時間的なブレ・外部要因による中断にも柔軟に対応し続けられる体制を維持した点が、依頼元・指定工事会社・保険関係者の間で信頼を獲得したポイントのひとつです。

技術と管理の“ハイブリッド”対応

火災後の臭気や残留物への対応は、専門的な知識・機材・判断力がなければ再汚染や工事遅延のリスクがあります。

ブルークリーンでは、現地の状況に応じて作業工程・資機材・処理手順を都度再設計し、必要な報告・共有も迅速に行いました。

さらに、作業報告書や保険提出資料なども正確に整備し、“現場と書類の両面で信頼を担保する”運用レベルが求められる本案件において、その実行力が評価された形です。

チーム全体で支えた対応力

この案件には、延べで多くのスタッフが関わり、調査・対応・撤去・消臭・報告と、あらゆる工程を複数部署で連携して進行しました。

特に初期対応では、火災現場特有のリスクを判断し、迅速かつ安全に作業を進めるための訓練を受けた技術者による対応が不可欠でした。

こうした“個人対応”ではなく“組織としての火災対応力”こそが、ブルークリーンが選ばれる理由であり、同様の案件においても価値を発揮できる根拠です。

さらにブルークリーンでは2023年11月、国際的な清掃認証機関「IICRC(Institute of Inspection Cleaning and Restoration Certification)」が認定する「Fire and Smoke Restoration Technician(火災・煙損復旧技術者)」資格取得のため技術者をアメリカに派遣しました。

これは、火災によって発生する煙・煤・有害残留物の除去技術や、臭気分解・建材保護のための復旧理論を国際水準で学ぶ専門資格であり、単なる経験則ではなく、科学的根拠と作業標準に基づいた施工を可能にします

火災復旧に関するIICRC研修を受講中のブルークリーン技術者(藤原未波・永井宏)とRSRトレーナー

※写真:IICRC「Fire and Smoke Restoration Technician」、「Trauma and Crime Scene Technician」研修時の様子。当時のブルークリーン技術者(左:藤原未波、右:永井宏)、中央は現地職員。

火災復旧は、単なる清掃ではなく人の暮らしと信頼の再構築に関わる仕事です。

ブルークリーンは、これからも“安心して任せられる専門業者”として、あらゆる火災現場に誠実に向き合ってまいります。

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