1.特殊清掃のご依頼背景は?
今回のお客様は不動産会社様で、インターネットを通じて私たちを知り連絡をいただきました。
聞くところによると、管理している物件で孤独死が発生してしまい、近隣にまで腐敗臭が流れている状況だった為急ぎで清掃をしてほしいとのことでした。
しかしこの時点で故人様のご遺族と連絡がついておらず、残すものと残さないものの判断が出来ない為お部屋の中のものは一切動かさずに作業を行ってほしいとご要望がありました。
本来であればご遺族と連絡が取れてから作業の依頼をしなければなりませんが、想像以上に臭いの被害が大きい為このような決断に至ったそうです。
2.特殊清掃箇所の状態は?現場の状況について
現場はアパートの3階で、階段を上った先の廊下はすでに腐敗臭が漂っており、同アパートの住民もすぐに気づくほどの臭いの強さでした。
玄関を開けると強烈な腐敗臭が漏れだした為すぐに扉を閉めて調査を開始しました。
奥に進むと居室の手前にユニットバスがあり、トイレの床全体に血液や体液が広がっていました。
また汚染箇所はそれだけではなくキッチンの床部分も部分的に汚染されており、おそらく警察や救急隊の方がご遺体を運び出す際に体液が付いてしまったと推測できました。
部屋自体は物も散らかっておらず生活感があり、自炊等も行っていたようです。セルフネグレクトは無いという印象を受けました。
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3.特殊清掃の内容について
現地調査の結果、今回は次の作業をお客様へ提案いたしました。
・血液の清掃
・消毒
・脱臭
・虫の死骸撤去
・木部の解体
・クリーニング
お客様からこれらの作業を実施したいとご連絡をいただいた為すぐに作業の段取りを組むことになりました。
まずは床が見えない程広がっている血液をすぐに除去する必要があった為薬品を一面に撒いて血液を柔らかくし、ペーパーウェスで拭き取っていくという作業を繰り返しました。
次に水道管にこびりついた血液とハエのサナギを溶かす為に排水溝に特殊な薬品を流し込み、問題なく水が流れるようにしました。
臭いが染み込んでいる浴室入り口の木部の解体と水回りのクリーニングをおこない、全ての作業を終えました。
この後に脱臭機をかけることでお客様が最も気にされていた部屋の臭いを最小限に抑えることができました。
4.まとめ
故人様のご遺族と連絡が取れていないということで、部屋の物や家具は全て残したまま汚染物の除去と消毒消臭を行いました。
血液の量がかなり多かった為悪臭が部屋の外まで漏れており、近隣の方の事も考えいち早く作業を終わらせる必要がありました。
初夏の蒸した生温かい気温の中でも臭いを外に漏らさないように密閉した空間で作業する必要がありますが、それでもクオリティを落とさず作業をこなす事で汚染箇所を綺麗に取り除くことができました。