1.ご依頼の背景と経緯|なぜ下地表面のカビ除去が必要だったのか?
今回対応したのは、埼玉県川越市にある3DKマンションで発生したカビ除去施工事例です。
入居者様から「クロスの表面にカビが出てきた」との申告があり、建物を供給した大手住宅メーカーがアフターサービスの一環として調査を行ったところ、結露が原因で下地までカビが進行していることが確認されました。
表面的な清掃では対応が難しく、再発の可能性も高い状況でした。
同メーカーの登録施工店の中でもカビ除去の専門性を備えた業者は限られていたことから、より確実な対応を目的としてブルークリーンにご相談をいただきました。
2.施工前の状態|結露によって下地に広がったカビの様子
現地調査はメーカー担当者の立ち会いのもとで行い、原因箇所を細かく確認しました。
事前の情報通り、結露が発生しやすい外壁側のクロス表面には、黒カビを中心とした繁殖が多数見られました。
壁面の角や窓際には斑点状のカビが広がり、ところどころにはピンク色のカビも確認でき、慢性的な結露環境が背景にあることがうかがえました。
また、クロスの表面に留まらず、下地まで菌糸が入り込んでいる可能性も考えられる状況でした。
建物側では断熱工事も並行して行われる予定であり、施工後の再発を避けるためには、根本的な除去と環境改善の両立が不可欠です。
ブルークリーンではFLIR MR176(モイスチャーチェッカー)を用い、室内の相対湿度や露点温度を測定。
部屋全体の水分状態を把握することで、表面処理だけではなく、空間全体の環境リセットや換気・エアコン周辺の見直しも必要であると判断しました。
あわせて読みたい施工事例として、「【東京都足立区】カビ除去の施工事例|結露で発生した玄関のカビを清掃と再発防止策で改善」もご紹介します。
実際の対応内容や再発防止の工夫について詳しく掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
3.ブルークリーンの対応内容|下地表面のカビ除去と清掃復旧の工程
現地調査の結果、カビはクロス表面だけでなく、空気中や換気設備内部にも胞子が残存している可能性が高いことが分かりました。
そのため、表面処理にとどまらず、換気設備内や空間全体にまでカビ専用薬剤を施工する方針としました。
表面だけを処理しても、施工中に胞子が空中に浮遊したり、エアコン内部に残っていた胞子が再度繁殖する恐れがあります。
確実に根本から除去するためには、目に見える部分と同時に、空気環境や設備内部の処理まで行う必要がありました。
また、一般的な業務用カビ除去剤では再発リスクを完全に抑えられないため、ブルークリーンでは強力かつ再発防止効果の高い専用薬剤を採用しています。
これにより、クロス内部の菌糸までしっかり処理し、施工後の環境をリセットすることが可能となります。
この方針を踏まえ、本作業は以下の工程で進めています。
①カビ除去作業
最初の工程では、クロス表面に広がったカビを対象に処理を行いました。
専用薬剤を染み込ませたモップを用いて、物理的な拭き取りと化学的な分解を同時に進める方法で除去を実施。
これにより、表層のカビだけでなく、目視できない胞子や菌糸も可能な限り取り除き、次工程の安定した処理につなげました。
②エアコン洗浄
次に、エアコン内部に入り込んだカビの除去を行いました。
室内空気の循環経路となるエアコンは、表面のカビを清掃しただけでは再発源となる可能性が高いため、専用の洗浄剤とリンス処理を用いて内部まで徹底的に洗浄しました。
ファンやフィルター部に付着していた胞子を確実に取り除くことで、施工後に空気中へ再び拡散するリスクを抑え、室内全体の環境改善につなげています。
③カビ剤の空間噴霧
続いて、室内全体に対するカビ対策として空間処理を実施しました。
ULV機(粒子径7~30ミクロン)を使用し、専用薬剤を霧状に充満させます。
微細な粒子が室内の隅々まで行き渡ることで、表面処理では届きにくい箇所や空気中に浮遊している胞子にまで作用し、再発源の徹底除去を図りました。
④清拭と乾燥処理
最終工程では、薬剤が十分に浸透し湿潤状態が確認できたのち、乾燥作業を行いました。
仕上げの拭き上げによって薬剤を均一に広げ、表面に残った不純物を除去。
その後、再度モイスチャーチェッカーを使用し、赤外線センサーで表面の相対湿度を計測しました。
これにより、乾燥が十分に行き届き、カビの繁殖条件が断たれていることを確認しています。
⑤使用薬剤と安全管理
作業にはカビ専用薬剤「Goldmorr」を使用し、素材を傷めず確実な除去を実施。
作業員は面体マスクやPPEを着用し、MVOC(カビ由来の揮発性有機化合物)対策も徹底しました。
費用と作業時間について
費用 | 220,000円(税込) |
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作業時間 | 約5時間 |
施工面積 | 約30㎡ |
今回の施工では、3DKマンション約30㎡の表面処理に加え、居室内の空間噴霧とエアコン内部洗浄まで実施。
カビ除去から乾燥まで一連の工程を含め、総額220,000円(税込)で対応しました。
本件は断熱工事の工程間に合わせて実施しており、壁紙の全面張り替えなどの内装交換は行わず清掃復旧で改善しています。
断熱改善と並行することで、結露という原因とカビという結果の両面にアプローチでき、再発リスクを抑えながら工期やコストの効率化にもつながる施工となりました。
結露の原因は建物の構造や生活環境など複数の要因が絡み合います。
場合によっては外壁にまでカビが発生することもあり、思わぬ出費につながることもあります。
詳しく知りたい方は、「外壁に発生したカビ取り方法をご紹介|専門業者に依頼するのがおすすめ!」 もあわせてご覧ください。
4.施工後の改善と再発防止策|下地がどう変わったかとお客様の声
施工後は、クロス表面に広がっていた黒カビやピンク色のカビがきれいに除去され、木部分の下地にまで進行していた部分も目立たなくなりました。
室内のこもったカビ臭も改善し、空気環境が変わったことを確認できました。
仕上げ段階では十分に乾燥を確保し、モイスチャーチェッカーで表面湿度を再確認することで、再発防止に向けた基盤を固めました。
施工を確認された大手住宅メーカーの担当者からも、「見た目の改善だけでなく、空気環境まで整ったことで安心できる」と評価をいただいています。
5.施工を終えてのまとめ|下地カビ対策で押さえるべき重要ポイント
今回の施工では、3DKマンションの一室で下地にまで広がったカビを対象に、表面処理から空間噴霧、エアコン内部洗浄、仕上げ乾燥まで一連の工程を実施しました。
断熱工事と合わせて行ったことで、結露という原因とカビという結果の双方に対処でき、再発リスクを大きく抑えることができました。
下地カビ対策で押さえるべき重要なポイントは次の3つです。
- 表面清掃だけでは不十分。下地や設備内部まで処理する必要がある
- 環境改善とセットで実施すること。結露・湿度を抑える断熱や換気が不可欠
- 施工後の運用管理が再発防止のカギ。家具の配置や換気習慣を意識する
清掃復旧で仕上げることによりコストを抑えつつ、安心できる居住環境を取り戻すことが可能です。
今回のように建物改修のタイミングを活かした施工は、下地カビ対策として非常に有効だといえます。
6.カビ除去に関するよくある質問(FAQ)|下地・住まい管理で多いお悩み
最後に、今回の埼玉県川越市でのカビ対策施工事例に関連する疑問を取り上げ、専門的な視点から回答します。
Q1. 下地まで進行したカビは自分で掃除できますか?
表面の黒ずみを一時的に落とすことはできますが、下地に入り込んだ菌糸までは除去できません。
再発を繰り返す原因になるため、専門的な処理が必要です。
Q2. 結露が原因の場合、カビ除去だけで解決できますか?
カビ除去で一時的に改善は可能ですが、断熱や換気など環境改善をあわせて行わないと再発リスクは残ります。
今回の事例でも断熱工事とセットで対応し、根本改善につなげました。
Q3. 下地カビ除去の費用はどのくらいかかりますか?
範囲や状況により異なりますが、今回の事例では約30㎡を対象に、空間噴霧やエアコン洗浄を含め220,000円(税込)で対応しました。交換工事に比べてコストを抑えられるケースも多いです。