飲食店の臭いが取れない理由と対策!清掃では解決できない“構造的な原因”とは

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「大雨でトイレが逆流し、店内に汚水が…」

「倉庫を片付けたら、壁の裏側がカビと異臭でひどい状態に」

「毎月清掃業者を入れているのに、飲食店の臭いがどうしても取れない」

飲食店の現場では、こうした“臭いのトラブル”があとを絶ちません。

厨房、トイレ、客席、倉庫…どれだけ掃除しても、原因不明の異臭が残ってしまう。

実は今、「飲食店の臭いが取れない」という相談が年々増加しているのです。

一体なぜ、清掃をしても臭いが消えないのか?

それは“汚れ”ではなく、“臭い”だからこそ起きている現象です。

臭いには「見えない原因」が存在し、表面的な清掃や一般的な管理体制だけでは対処しきれないケースが多くあります。

とくに飲食店特有の構造や設備の問題、そして複合的な臭気要因が絡み合う現場では、“清掃”ではなく“調査と解決”が求められるのです。

本記事では、臭いが取れない本当の理由から、清掃業者が踏み込めない原因の正体、そして再発まで防ぐための根本的な対策方法までを、科学的かつ実践的な視点で解説します。

飲食店の臭いに、もう悩みたくない

そんなあなたにとって、きっとヒントになる内容です。

こんな方におすすめ!

  • 定期的に清掃しているのに、厨房や客席に臭いが残って困っている
  • 店内の異臭の原因が特定できず、対処に迷っている
  • 清掃業者に依頼しても再発を繰り返してしまう
  • 床下や排水まわりに不安を感じているが、どこに相談すればいいか分からない
  • 店舗の評判や顧客満足度に関わるため、本気で臭い対策をしたい

監修者 鈴木亮太(すーさん)

ブルークリーン株式会社

環境復旧対策部部長

▶経歴
・公益社団法人日本ペストコントロール協会ペストコントロール技能師
・YouTube「特殊清掃CH|すーさん」登録者5.3万人
・IICRC認定テクニシャン(CCT)
・Goldmorr認定テクニシャン
・JRES認定テクニシャン
・3,000件以上の孤独死案件に携わる

▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「日刊SPA!」定期連載中
bizSPA!フレッシュ
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・「Channel恐怖」Amazon prime video

1. なぜ“飲食店の臭い”は清掃しても取れないのか?

飲食店の臭いが取れない原因が床下や配管などの見えない構造にあることを示したバナー画像

飲食店でよく感じるあの独特な臭いは、いくら清掃しても取れない。

そんな声を現場でよく耳にします。

その原因は、ずばり“目に見えない場所”に潜んでいることが多く、たとえば床下の湿気や漏水、老朽化した排水設備、空気の流れが悪い店舗構造など、通常の清掃では手が届かない“隠れた問題”が臭いの発生源となっているケースは少なくありません。

しかも、こうした問題は単独ではなく、複数の要因が絡み合って臭気を生み出していることがほとんどです。

では、その「目に見えない場所」とはどこなのか。

次に詳しく見ていきます。

原因は「見えない場所」にある

飲食店では日常的に清掃が行われており、業者を定期的に導入している店舗も多く見られます。

それでもなお、臭いが残る、あるいは再発する理由として最も多いのが、“目に見えない場所”に原因が潜んでいるケースです。

私たちが実際に調査する現場では、以下のような箇所が臭気の発生源になっていることが頻繁にあります。

床下や壁内の漏水・浸水 わずかな水分でもカビや嫌気性菌(酸素を嫌う菌)が増殖し、揮発性の臭気ガスを発生させます。構造材や断熱材に染み込んだ水分が長期間残留しやすく、表面清掃では対処できません。
空調ダクト内部の油脂や埃の蓄積 油煙や粉塵がダクト内に堆積し、そこに湿気が加わることで微生物の温床となり、臭気が空気の流れに乗って店内に拡散されます。
外部給気口や吸気ルート 屋外から取り込む空気の質が悪い場合や、店舗内が負圧状態にあると、臭気が建物内に逆流してしまうことがあります。
厨房機器の裏側やシンク周辺 高温・高湿の条件が揃いやすく、汚れが蓄積しやすいにもかかわらず、日常清掃では見落とされがちなエリアです。

こうした場所は、臭気発生の三要素(汚染源・空気の流れ・持続的な湿気や温度)が揃いやすく、表面の清掃だけでは原因にアプローチできません。

また、HACCP(ハサップ)の衛生管理基準においても、「施設・設備の管理」や「換気・空気の流れ」の重要性が示されており、臭気は衛生リスクの一環として科学的・構造的に捉える必要があるとされています。

それにもかかわらず、一般的な清掃業者の多くは、微生物の発生プロセスや空間環境の知識を持たないため、汚れに対する表面的なアプローチに留まりがちです。

また、使用する洗浄剤の効果に依存することが多く、臭気の根本原因である微生物やガス成分への対処は困難なのが実情です。

そのため、見た目はきれいになっても臭いだけが残ったり、数日後に再発したりといったケースが後を絶ちません。

さらに、ようやく原因が特定できたとしても、それを清掃するだけでは解決できない理由があります。

次に、その背景にある複合的な要因について詳しく見ていきます。

参考:HACCPに沿った衛生管理の制度化について|厚生労働省

「複合的な要因」が絡む臭気の正体

一般的に「悪臭」と聞くと、ゴミや汚水など“汚いもの”から発生する単純な臭いを想像しがちです。

しかし、実際に飲食店の現場で発生している不快な臭いの多くは、複数の要因が絡み合って形成されており、汚れそのものだけが原因とは限りません。

私たちが現場で確認する「臭気の正体」には、主に以下のような要素が複合的に関与しています。

  • 表面の微生物(細菌・カビなど)による臭気ガスの発生
  • 漏水や有機物から派生する二次汚染と揮発性物質の放散
  • 空気の流れ(換気・排気)による臭気の拡散・滞留
  • 臭気分子そのものが持つ極めて微細な性質

まず、微生物によって生成される揮発性ガスには、メタン・アンモニア・硫化水素などが含まれます。

これらは生物的分解の過程で発生し、非常に軽く拡散しやすいため、目に見えなくても強烈な臭いとして空間に残ります

次に、二次汚染とは、床下やダクト内部に染み込んだ油脂や有機物が時間の経過とともに分解・発酵し、揮発性物質として空間に拡散する現象です。

一度汚染されると、表面清掃だけでは改善が難しくなります。

また、換気や排気のバランスが崩れた環境では、臭気が空気の流れに乗って店舗内に逆流・滞留するケースがあります。

とくに負圧環境では、臭いが発生源から離れた客席やホールにまで広がることも少なくありません。

さらに、臭気とは「分子」そのものであり、非常に微細です。

臭気成分の多くは揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれ、そのサイズは1ナノメートル(10億分の1メートル)にも及びます。

このため、一般的なフィルターや物理的遮断では捉えきれず、「見えないのに臭う」現象が発生するのです。

このように、不快な臭いは生物・化学・空気・分子といった多層的な要因が複雑に絡み合って生じており、単純な清掃だけでは根本的な解決には至らず、原因の構造的な分析と的確な対策が求められます。

では一体、どのような対策を講じれば効果的なのでしょうか。

飲食店にとって臭いの問題は長年の悩みであり、簡単に解決できるものではありませんが、間違った対応を繰り返さないための考え方とポイントはいくつかあります。

次に、よくある対処方法とその限界について見ていきましょう。

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2. よくある対処ミスとその限界

飲食店の臭い対策でよくある清掃や消臭だけの対応が再発の原因になることを伝えるバナー画像

飲食店の臭い問題に直面したとき、多くの店舗がまず行うのは「清掃を強化する」「業者に頼む」「消臭剤を使う」といった対応です。

これらはすべて、お店を守るために真剣に取り組んでいる証拠であり、決して間違った対応ではありません。

実際、一時的には効果を感じることもあるでしょう。

ただし、そうした対応が“表面的な改善”にとどまっている場合、時間が経てば再び臭いが戻ってきてしまうことがあります。

私たちが現場でよく目にするのは、「一生懸命対策しているのに、なぜかうまくいかない」という店舗の悩みです。

それは、やり方が間違っているわけではなく、対処が“部分的”になってしまっているからかもしれません。

ここでは、現場で繰り返されがちな典型的な対処ミスと、その背景にある“見えない限界”について整理していきます。

表面清掃で終わってしまう現場の現実

多くの飲食店では、営業後にテーブルを拭き、床を洗い、厨房を磨くといった日常清掃をしっかりと行っています。

清掃業者を定期的に入れている店舗もあり、衛生管理の意識は年々高まっています。

それにもかかわらず、「なぜか臭いが取れない」「数日後にまた戻ってくる」といった相談が後を絶たないのが現実です。

このギャップの原因は、“清掃の範囲”と“臭いの発生場所”が一致していないことにあります。

現場では、どうしても「見える汚れ」「目につく場所」に意識が集中します。

一方で、臭気の多くは床の内部、機器のすき間、ダクトの奥、配管まわりなど、日常清掃の手が届かない場所で発生しています。

たとえば厨房の裏側やシンク下、外気を取り込む給気口まわりなどは、構造的にアクセスしづらく、汚れの蓄積にも気づきにくいため、どうしても対応が後回しになりがちです。

こうした場所に原因がある場合、いくら表面を清掃しても臭いは「発生源から繰り返し戻ってくる」ことになります。

清掃の努力自体は正しくても、“発生源とズレた対処”になってしまっているのです。

これは、飲食店にとって非常に起こりやすいことであり、決して怠慢ではありません。

むしろ清掃への意識が高い店舗ほど、「なぜ効かないのか」と悩みを抱えている傾向すらあります。

しかし問題なのは、この状態に気づかないまま、表面清掃だけを繰り返してしまうこと。

そうなると、いつまで経っても臭いの根本解決にはたどり着けません。

次に、臭気の“発生源”を特定しないまま対処が繰り返されることで、どんな問題が起こるのかを見ていきましょう。

原因特定をせずに清掃を繰り返してしまう

明確な原因が分かっている場合(たとえば漏水や配管の破損など)を除けば、飲食店で慢性的に発生する臭いの多くは、「原因が見えないまま」対応が始まることが少なくありません。

このようなケースで多くの現場が選ぶのが、とりあえず清掃を強化する、消臭剤を追加する、といった対応です。

しかし、原因が特定されないまま清掃を繰り返すと、状況が悪化するケースもあります。

以下は、私たちが実際の現場で確認している“よくある二次被害”の代表例です。

被害の拡散

発生源が不明なまま清掃を行うと、汚れや菌をかえって広げてしまい、別の場所でも臭気が発生してしまうことがあります。

特に、拭き取りや水洗いによる“にじみ出し”や“拡散”は、見えないレベルで臭気の範囲を広げてしまうことが少なくありません。

これは、火災現場の煤(すす)の対応とも共通しています。

※ここでは詳しく触れませんが、煤汚れの正しい落とし方や注意点については、[火事による家の煤汚れの効果的な落とし方をご紹介!注意点も解説!]をご覧ください。

煤は一見ただの黒い汚れに見えますが、非常に繊細な物質であり、水拭きといった誤った清掃方法によって、かえって汚染を広げてしまうことで知られています。

適切な処理手順や順序を誤ると、本来は限られた範囲で済んだはずの被害が、天井裏や壁内にまで広がってしまうのです。

飲食店の臭気対応もこれと同様で、構造や原因が分からないまま清掃を繰り返すことで、臭気が拡散・再定着してしまうリスクがあるのです。

特に床下や厨房機器の裏などは、湿度や油分との複合作用で汚染が広がりやすく、見えないところで被害が深刻化する傾向があります。

心理的な臭気反応(記憶臭)

一度強い臭いを経験すると、臭いが薄れても「まだ臭う気がする」と感じることがあります。

これは、臭気に対する感受性の変化や、記憶による感覚の残存によって引き起こされるもので、スタッフや来店客にとって長期的な不快感や違和感を残す要因となります。

この現象は、飲食店に限らず、孤独死や事件・事故現場といった「トラウマシーン」の清掃現場でも頻繁に報告されており、たとえ数値上は脱臭が完了していても、関係者の“心に残る臭い”が完全に消えるまでには時間がかかるというのが実情です。

つまり、臭気問題は物理的な除去だけではなく、心理的なケアや説明まで含めて「安心」をつくる必要があるということでもあります。

構造劣化や害虫の誘発

床下や配管内部に臭気の原因がある場合、適切な処理をせずに表面だけを清掃してしまうと、湿度や気流の変化によりカビや害虫を誘発してしまうことがあります。

結果として、臭いだけでなく衛生上の新たな問題を引き起こすことにつながります。

清掃業者の限界と“対応範囲”の問題

このように、清掃業者にはそれぞれ得意分野や対応の限界があり、臭気の問題を本質的に解決できるかどうかは、「誰に依頼するか」で大きく変わってきます。

誤解のないように伝えておくと、日本の清掃業者の技術力は、世界的に見ても非常に高い水準に達しており、日常清掃・設備清掃においてはきわめて丁寧で的確な作業が行われています。

問題は、そうした高水準な清掃技術をもってしても、「対応範囲の外」にある臭気の原因にまで踏み込めるとは限らないという点にあります。

「清掃しても臭いが残る」「業者に頼んだのに再発した」といったケースの多くは、作業そのものの質よりも、業者の“対応範囲”と“現場の課題”が一致していなかったことに原因があるのです。

では、臭いの根本原因にどうアプローチし、再発を防ぐにはどんな視点と技術が必要なのでしょうか。

次に、プロが実際に現場で行っている「臭いの根本対策」のステップを見ていきましょう。

3. プロが行う“臭いの根本対策”とは

飲食店の臭い対策として調査・構造対応・再発防止の3ステップで根本解決を図る専門的アプローチを示すバナー画像

飲食店における臭いの問題は、単なる汚れではなく、構造内部の湿気や配管トラブル、空気の流れの悪さなど、見えない場所にある複合的な原因によって引き起こされているケースが大半です。

こうした現場では、いくら丁寧に清掃を重ねても、臭いが「取れたと思ったらまた戻ってくる」という状況に陥りがちです。

では、そうした課題に対して、清掃の専門家はどのように対応しているのでしょうか?

一般的な清掃ではなく、臭気の根本対策に対応できる専門業者は、次のような3つのステップでアプローチしています。

3ステップで根本対策
  1. 「原因の特定」
  2. 「構造レベルでの対処」
  3. 「再発を防ぐ仕組みの設計と実装」

このアプローチは、医療における「対症療法」と「原因治療」の違いに近く、一時的に症状を抑えるのではなく、本質的な原因を突き止めて解決することで、効果を持続させ、再発も防ぐことができます。

ここからは、飲食店で実際に行われている「臭いの根本対策」について、ステップごとに詳しく見ていきましょう。

ステップ①原因を特定する調査・分析の重要性

飲食店における臭いの問題を本質的に解決するには、まず正確な原因の特定が欠かせません。

厨房設備や配管、空調、建物構造など、さまざまな要素が絡み合う飲食店では、表面的な清掃や感覚的な判断だけでは、臭気の発生源を特定するのは非常に難しいのが現実です。

そこで、専門性の高い業者の多くは、国際的な基準や科学的手法に基づいた調査と分析を導入しています。

これにより、原因の「見える化」が可能となり、適切な対策へとつながっていくのです。

たとえば、以下のような国際基準やガイドラインが調査プロセスのベースとなっています。

主な国際基準やガイドライン
HACCP(ハサップ) 食品衛生の国際基準。臭気は「空気汚染」として明確に管理対象とされており、発生源の特定と予防策が求められます。
IICRC/ANSI(米国) 清掃・復旧・臭気対策の技術基準。汚染の見極め方や施工手順が標準化され、構造的な問題へのアプローチが体系化されています。
EPA(米国環境保護庁)/WHO(世界保健機関) 臭気やVOC(揮発性有機化合物)などが人体・食品環境に与える影響を科学的に評価し、商業施設での空気環境管理を推奨しています。
ISO 16000シリーズ(国際標準化機構) 室内空気質や臭気成分の測定手法を国際的に統一した規格で、臭気を「数値で捉える」基準として活用されます。
ECA(欧州委員会室内空気質協働)/EN規格/VDI(ドイツ工業規格協会) ヨーロッパにおける臭気管理や換気、構造調査の実務基準として広く採用され、官能評価や臭気拡散シミュレーションなどの標準も整備されています。

これらのガイドラインに基づき、プロの現場では以下のような調査が行われます。

  • 臭気ガスの成分分析(アンモニア・硫化水素・VOCなど)
  • 空気の流れや気圧差、換気バランスの可視化調査
  • 床下・壁内の湿度、温度、カビ菌の測定
  • 配管やダクトのカメラ調査による構造内部の確認

このように、臭いの問題は“感覚”や“経験”ではなく、科学的な調査によって初めて正確に把握できる領域になっています。

 

原因が特定されなければ、いくら清掃や消臭を繰り返しても、再発や効果の低下を招くばかり。

だからこそ、専門業者による調査・分析力の有無が、飲食店の臭気対策において大きな違いとなるのです。

ステップ②原因に対して“構造レベル”でアプローチする技術

飲食店の臭いの原因が木材・ステンレス・タイルなど素材の内部に染み込むことにあり、清掃だけでは除去できないことを示すバナー画像

調査によって臭いの原因が特定されたとしても、それを表面的に拭き取るだけでは解決には至りません。

なぜなら、臭気の多くは建材や設備の「内部」にまで入り込んでいるため、原因そのものを構造レベルで取り除く必要があるからです。

飲食店における臭気の発生源は多岐にわたりますが、特に臭いが「素材」に付着・吸着することで慢性化するケースが非常に多く見られます。

素材ごとに見ていくと、主に以下のような例が挙げられます。

木材 客席やカウンター、壁面パネルなどに使用されることが多く、多孔質で臭気分子を内部に吸い込む性質があります。汗や調理臭、湿気がしみ込むと、清掃では落とせない「染みついた臭い」の原因になります。
ステンレス 厨房機器やシンクに多く用いられ、非吸湿性ながら油脂・煙・加熱によるガス成分が微細な凹凸に蓄積しやすく、加熱や湿気とともに再び揮発することがあります。
タイル目地や塩ビシート類 水回りの床や壁によく使われるが、目地の内部や接着層に湿気と有機物が溜まることでカビや臭気ガスを発生させやすい素材。

これらの素材に対して、プロの現場では以下のような構造アプローチ+専用機材を使って、臭気を「除去」「中和」「再発防止」で一貫して行います。

 

  • 表面剥離/削り出し(木材・壁材など)
  • 加温及び陰圧下での脱臭処理(厨房設備・狭所)
  • 分子分解型薬剤の塗布・噴霧(VOC分解・カビ除去)
  • 開口調査+内部洗浄・密閉施工(床下・配管・ダクト)

このように、単に「掃除する」「消臭する」というレベルではなく、臭いを“発している物質”と“その通り道”を断つために、建物・素材・構造ごとに最適な処理を行うことが、プロの技術です。

これが、一般的な清掃業者との最大の違いであり、飲食店の臭気問題を再発させないための決定的な分岐点となります。

ステップ③“再発させない仕組み”を設計・実装する

調査で原因を特定し、構造的な除去を行っても、それだけでは終わりではありません。

臭気の再発を防ぐためには、「仕組み」としての対策が必要になります。

特に飲食店では、日々の営業やスタッフの入れ替わり、設備の老朽化など、さまざまな要因で“衛生状態の変化”が起きやすいため、プロによる対策と現場側の衛生管理の両輪で取り組むことが求められます。

再発防止のために重要なポイントは、以下の3つです。

原因部分の“再進入・再汚染”を物理的に防ぐ

一度除去した臭気の原因が、再び同じ場所から侵入・蓄積しないようにする物理的対策が必要です。

対策 目的
床下や配管の断熱・密閉処理 湿気・外気・害虫などの流入を防ぐ。
壁内の空気バランス調整 気流が逆流しないよう換気ルートを設計し直す。
点検口の設置や構造変更 定期点検しやすいよう構造を“メンテナンスフレンドリー”に改修する。

清掃しやすい“店舗構造”と“動線設計”に見直す

臭気の再発は、清掃が「届いていない・できない場所」に起こりやすいことが分かっています。

  • 清掃スタッフがアクセスしにくい厨房機器の裏側や配線下と床の隙間を重点的に改善
  • 汚れが溜まりやすい箇所に防汚と防臭素材を採用
  • 設備更新時に“分解清掃のしやすさ”を優先条件に

清掃計画・チェック体制の見直しと共有

構造を変えても、それを“維持できる仕組み”がなければ再発するのは時間の問題です。

  • 臭気の発生しやすい「重点ゾーン」の可視化と重点清掃マニュアル化
  • 清掃業者との定期的な「劣化チェック+アドバイス」体制
  • 店舗スタッフへの簡易チェックリストと写真報告の仕組み

このように、再発防止には「施工だけで終わらせない」「日々の管理が追いつく仕組みをつくる」という視点が必要です。

臭気を発生させない“予防設計”と“清掃しやすい環境”を整えることこそが、根本的な再発防止につながるのです。

なぜ“対症療法”ではなく“原因治療”が必要なのか?

ここまで見てきたように、飲食店における臭気対策とは、もはや単なる「清掃」ではなく、建物・素材・空気環境といった構造レベルの“環境復旧”と呼べるものです。

とはいえ、「そこまでの対策、本当に必要なのか?」と感じる方もいるかもしれません。

その問いに対する答えは明確です。

原因が残っている限り、臭いは何度でも戻ってきます。

だからこそ、対症療法ではなく原因治療が必要なのです。

清掃=緩和、原因除去=解決

店舗での清掃は欠かせない対策ですが、それはあくまで「症状を和らげる」ものであり、本当の意味での解決は「臭いを発している根本」を絶たなければ実現しません。

臭気の発生源が壁の中や床下などに潜んでいれば、いくら消臭剤を使っても一時的な改善にしかならず、時間が経てば再び臭いが戻ってくるという事態に陥る可能性があります。

臭気は“複合条件”で再発する

臭いは常に出続けているわけではなく、湿度・温度・換気の状態・使用状況など、複数の条件が重なったときに突如として現れることがあります。

つまり「昨日は大丈夫だったのに、今日は臭う」といった不安定な状態こそが、原因が残っているサインであり、放置してはいけない警告です。

完全ゼロにはできないが、気にならないレベルにはできる

そして、ここで重要な前提を一つ。

残念ながら、発生してしまった臭気を“分子レベルで完全にゼロにする”ことは、人間の技術ではまだ不可能です。

しかし、だからこそ私たちは、「人が感じ取れないレベルにまで低減させる」ことを目標にしています。

人間の鼻は、においの種類によって感知できる濃度(感覚閾値)が異なります。

プロの現場では、科学的な測定と技術によって、この閾値を下回るレベルまで臭気を除去・中和することが可能です。

つまり、「完全に消す」ことができなくても、“感じなくて済む状態”をつくることはできるということ。

これが、構造的な原因除去と再発防止を含めた“原因治療”の本質です。

このように、対症療法にとどまらず、原因を断ち切る技術と仕組みの実装こそが、飲食店に本当の安心と清潔感をもたらすのです。

臭気は店舗の印象を左右するだけでなく、従業員や顧客の快適性、そしてクレームや保健所対応にも関わる重要課題です。

だからこそ、「気にならない状態を保ち続けること」が、飲食店経営における本当の衛生対策なのです。

4. ブルークリーンが選ばれる理由

ブルークリーンが提供するトラウマシーンクリーニング・火災水害復旧・ペストコントロール・ディープクリーニング・原状回復・遺品整理の6つの清掃サービスを円形チャートで紹介した画像

臭いの問題は、調査・施工・衛生管理まで一貫した対応ができるかどうかで、結果が大きく変わります。

現場ごとに異なる構造や汚染状況を踏まえ、原因を見つけ、適切な手段で除去し、再発を防ぐ。

その一つひとつを確実に積み重ねていくことで、ようやく「解決」と呼べる状態が実現します。

ブルークリーンでは、これらの一連の流れを「バイオリカバリー™」という技術体系に基づいて標準化しています。

これは、臭気や微生物に関する科学的な調査から、構造レベルでの衛生復旧、再発防止の設計・実装までを含む、清掃の枠を超えた包括的なアプローチです。

飲食店の現場でも、バイオリカバリー™を軸とした調査・施工・報告が一貫して行える体制を整えており、表面的な清掃では対応しきれなかった臭気トラブルの現場で、継続的な改善と再発防止を実現してきました

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調査・施工・報告までワンストップ

飲食店の臭気対策において、本当に求められているのは、「臭いを一時的に消すこと」ではありません。

不快感のない空間を整えることで、働く人が安心し、来店客の満足度が上がる。

つまり、空気を整えることは、店舗の価値を守ることに直結します。

ブルークリーンの技術マニュアル整備、施工実績、社員技術、官公庁案件、メディア取材、Google評価、環境配慮などの安心ポイントを一覧で示したバナー画像

ブルークリーンは「心をきれいに、地球をきれいに。」というビジョンのもと、人の不安や見えない衛生リスクに対し、科学的な視点で本質的なソリューションを提供してきました。

私たちの技術基盤には、IICRC(米国清掃・修復認証機構)やANSI(米国国家規格協会)の技術ガイドライン、さらにABRA(米国バイオリカバリー協会)による国際認定制度を採用しています。

これらに基づいて構築されたのが、ルークリーン独自の技術体系である「バイオリカバリー™」です。

バイオリカバリー™は、臭気の科学的調査、構造への対応、衛生設計、再発防止までを一貫して行うプロトコルであり、海外基準の専門性をベースに、日本の建築構造・気候・店舗運営に即した運用方法へと最適化されています。

飲食店においても、単なる清掃ではなく、原因を特定し、分子レベルの臭気に対応し、再発しない環境を構築するための技術として採用されており、調査・施工・報告までをワンストップで実施できる体制が整っています。

業界でも希少な「臭気に強い清掃会社」

飲食店の臭いは、「清掃しても取れない」と感じるケースが少なくありません。

その原因が床下や壁の内部、空調の構造や素材に及んでいる場合、一般的な清掃作業だけでは根本的な解決に至らないことが多いためです。

清掃業者の多くは、床や厨房機器、排水周辺といった「清掃可能な範囲」に対応しています。

これ自体は衛生管理において重要な仕事ですが、“臭気が取れない”という問題に対しては、構造調査や微生物・揮発成分に関する専門技術が必要となるため、対応できる業者は限られます。

ブルークリーンは、創業当初から孤独死や事故現場など「強い臭気」に関わる特殊な清掃業務を専門としてきました。

その技術と知見を、飲食店の現場でも応用してきたことで、一般的な清掃では対処できなかった“臭いの取れない”ケースへの対応実績を積み重ねています。

また、臭気調査や衛生復旧の対応においては、IICRC・ANSIなどの国際基準に準じた管理体制を整え、飲食店ごとの構造や運用に合わせた「再発しない仕組み」の設計を行っているのも大きな特徴です。

こうした対応ができる業者は、清掃業界全体の中でも決して多くはありません。

だからこそ、「臭いの原因がわからない」「清掃業者に頼んでも再発する」という飲食店の現場で、“臭気に強い清掃会社”として選ばれている理由があるのです。

WEBから“指名される”会社である信頼性

飲食店の現場では、「臭いが取れない」「どこに相談すればいいか分からない」といった状況に直面したとき、まず検索エンジンで清掃会社や対策方法を探す方が多くなっています。

その中で私たちは、単なる広告掲載ではなく、現場の実態や再発防止の考え方を、記事や事例として発信し続けてきました。

検索結果からWEBサイトにたどり着いた飲食店オーナーや管理担当者の多くが、「他社とは考え方が違う」「ここなら原因まで調べてくれそう」と感じ、直接ご相談をくださいます。

これは、私たちが特別だからではなく、“臭気は構造的な課題である”という事実に向き合い続けてきた姿勢が評価されている結果だと考えています。

また、臭いの再発防止や原因除去といった取り組みは、一般的な清掃サービスや見積書の表面だけでは伝わりにくい部分でもあります。

だからこそ、WEB上だけでなく、現場写真・報告書の実例・調査の工程など、具体的な情報の可視化を意識してきました。

検索から訪れたお客様の多くが、そのまま「この会社に相談したい」「他社で改善できなかった話を聞いてほしい」と連絡をくださるのは、単なる販促ではなく、“信頼につながる情報”を積み重ねてきた結果だと感じています。

飲食店の臭いに関する不安を抱えた方にとって、確かな判断材料があり、実績で選ばれている会社であること。それが、私たちが“指名される理由”です。

5. まとめと清掃ではなく「解決」という選択を

飲食店における臭いの問題は、日常の清掃や消臭剤だけでは解決できないケースが多く、その背後には構造や空気環境、微生物など複雑な要因が絡んでいます。

だからこそ、「きれいにする」ことではなく、「なぜ臭うのか」「どうすれば戻らないのか」という視点で対応する必要があります。

私たちは、清掃の枠にとらわれず、原因の特定から構造的な対策、そして再発防止までを一貫して実施しています。

それは、臭気に悩む方にとっての「本当の解決」を提供するためです。

6. 飲食店の「臭いが取れない」問題に関するよくあるご質問

さいごに、飲食店の臭気に関して、実際に多くのご相談をいただいている内容をQ&A形式でまとめました。

どこに相談すればいいかわからない」「調査には費用がかかるのか?」など、検討の参考にしていただける内容を厳選しています。

よくあるご質問を以下にまとめましたので、ぜひお役立てください。

清掃しているのに臭いが取れないのは、なぜですか?

表面的な清掃では手が届かない場所に臭気の原因がある可能性が高いためです。

たとえば、床下の湿気や漏水、空調内部の油分・埃の蓄積、シンク周辺の構造的な汚染など、通常の清掃では取り除けない汚染が、臭いの発生源になっているケースは少なくありません。

厨房以外の場所(客席や倉庫)で臭うのはなぜですか?

臭気は空気の流れや気圧の影響を受けて拡散・滞留します。

とくに飲食店では換気のバランスが崩れていると、厨房から離れた客席や倉庫、トイレ付近などに臭いが流れてしまうことがあります。

また、壁内や床下に染み込んだ臭気成分が、別の場所に拡散することも原因のひとつです。

清掃業者に頼んでも改善しないのはなぜですか?

多くの清掃業者は「汚れの除去」に特化しており、「臭気の構造的な原因特定」や「再発防止」までを対応範囲に含めていないことがあります。

臭気対策には、調査・分析・構造へのアプローチなどの専門技術が必要となるため、「臭いが取れない」ケースでは、専門的な臭気対応が可能な会社に相談することをおすすめします。

臭いの原因調査だけをお願いすることはできますか?

可能です。

臭気の原因が不明な場合、まず現地で調査を行い、構造や空気環境、汚染の状況を確認します。

その結果をもとに、必要な対応内容と範囲をご説明いたしますので、対策の判断材料としてご活用いただけます。

見積もりや調査には費用がかかりますか?

ブルークリーンでは、現地調査および初回のご相談を無料で承っております。

臭気の問題は、建物構造や換気環境、設備の状態などを実際に確認しなければ正確な判断が難しいため、まずは現場を拝見したうえで、原因の特定と必要な対応方針をご説明いたします。

なお、臭気成分の分析や特殊な測定が必要な場合には、実施前に内容・費用・目的を文書でご提示し、ご了承をいただいた上で進行いたしますのでご安心ください。

書面での見積書・調査報告書の発行や、段階的な対応スキームの設計も可能です。

企業様・自治体様でのご検討や社内稟議に必要な資料のご相談も承っております。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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