トイレの水が逆流すると、衛生面や臭いなどで大変不快な思いをします。
また、放置しておくと、床や壁に汚れが付着したり、水漏れや故障の原因になったりする可能性もあります。
そこで、トイレの水が逆流する原因を知り、適切な対処法を学ぶことが重要です。
この記事では、トイレの水が逆流する原因とその対処法について詳しく解説します。
また、専門業者に頼らずに対処できる方法にも触れるため、ぜひ最後までご一読ください。
▶経歴
・公益社団法人日本ペストコントロール協会ペストコントロール技能師
・3,000件以上の孤独死案件に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
・日刊SPA!
・bizSPA!フレッシュ
・「Channel恐怖」Aamzon prime video
トイレの水が逆流する原因は主に4つです
トイレの水が逆流する原因は、主に以下の4つに分けられます。
原因を知っておかなければ、適切な対処を選べずに失敗し、トイレが壊れてしまうおそれがあります。
- トイレのS字排水路で詰まっている
- 排水管・排水口で詰まっている
- 台風・大雨によって逆流する
- 排水ポンプの故障によって逆流する
それぞれどの原因に当てはまるかを突き止めて、適切な対処を実施しましょう。
原因1.トイレのS字排水路で詰まっている
トイレのS字排水路が詰まっていると、水が流れにくくなり、逆流する可能性が高くなります。
この部分に紙や汚物などが詰まると、水の通り道が狭くなり、水圧が上がるからです。
たとえば、トイレットペーパーを多く使ったり、生理用品やティッシュなどを流したりすると、S字排水路が詰まりやすくなります。
この場合は、詰まったものを取り除くことで、逆流を防止できます。
原因2.排水管・排水口で詰まっている
排水管や排水口が詰まっていると、トイレや他の水回りに影響がでることがあります。
排水管や排水口は、キッチンやバスルームなどから水を排出するために必要ですが、油や髪の毛などで詰まると、水が流れにくくなるからです。
キッチンで油を流したり、バスルームで髪の毛を落としたりすると、詰まりやすくなります。
この場合は、詰まったものを溶かすか取り除くことで、逆流を防げます。
原因3.台風・大雨によって逆流する
台風や大雨によって下水道が溢れると、トイレの水が逆流する可能性が高くなります。
これは、下水道の容量を超えるほどの水量が流れ込むためです。
下水道が溢れると、トイレから下水道への排出が妨げられ、水圧が上がるからです。
たとえば、台風や大雨の時には、トイレの水位が高くなって、水が溢れ出すことがあります。
この場合は、台風や大雨の前に予防策をとることで、逆流を防げます。
予防策としては、トイレの蓋を閉めて重しを置いたり、トイレの排水口に逆止弁を取り付けたりするなどが挙げられます。
原因4.排水ポンプの故障によって逆流する
排水ポンプの故障は、意外に気が付きにくい逆流の原因です。
排水ポンプはトイレの水を下水道に送る役割を果たしていますが、この部分が故障すると水の排出が妨げられ、水圧が上がって逆流するためです。
排水ポンプの電源が切れたり、モーターが焼けたりすると故障するおそれがあります。
この場合は、排水ポンプの修理や交換で逆流を防げます。
自分でできる方法としては、排水ポンプの電源を確認したり、リセットボタンを押したりするなどが挙げられます。
トイレの逆流を自分で対処する6つの方法
トイレの逆流を防ぐためには、原因を正しく把握し、適切な対処法を行うことが重要です。
しかし、逆流の原因や対処法は一様ではありません。
間違った方法を行うと、かえって状況を悪化させることもあります。
そこで、誰でもできる方法を下記の6つ紹介します。
- ラバーカップ(すっぽん)を使う
- 大量の水を流して水流を作る
- 45度前後のお湯を流す
- 洗剤・重曹を使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
- ワイヤーブラシを使う
未然に故障を防ぎ、専門業者に依頼しなくても自分で対処できるようにしておきましょう。
方法1.ラバーカップ(すっぽん)を使う
ラバーカップは、ゴム製のカップに取っ手がついた道具で、便器の穴に密着させて取っ手を押したり引いたりと、つまりを取り除けます。
ラバーカップを使うと、便器内にあるトイレットペーパーや排泄物など水に素早く溶けるものや、比較的手前にある異物などを吸い出せます。
ラバーカップの使い方は次のとおりです。
- 便器の水をできるだけ出す
- 便器の穴にあわせる
- 押し込んでから引き抜く
- 何度か行うと異物が取れる(または流れる)
- 異物の逆流を確認できたら取り除く
奥にあるつまりや硬い異物は押し込んでしまう可能性もあるので注意が必要です。
方法2.大量の水を流して水流を作る
逆流する可能性は高くなりますが、大量の水を使えば圧力で流れてくれることもあります。
つまっているものを強力な水流で押し流すイメージです。
周りは養生し、汚さないようにしてから行いましょう。
大量の水を使った逆流の対処法は以下の手順で行います。
- バケツに水を入れておく
- 便器の穴に向かって注ぐ
- 1時間放置する
- あとは流すだけ
ただし、水に溶けないものや硬い異物がつまっている場合は効果がないか、逆に悪化する可能性もあるので注意が必要です。
方法3.45度前後のお湯を流す
45度前後のお湯を流す方法も、ひとつの選択肢です。
お湯によって溶けて流れやすくなります。
お湯を使った逆流の対処法は以下の手順で行います。
- 便器の水をできるだけ出す
- 45度前後のお湯をバケツなどに用意する
- 便器の穴に向かって注ぐ1時間放置する
- あとは流すだけ
あまりに高温のお湯を流すと便器にヒビが入る可能性があるので注意が必要です。
方法4.洗剤・重曹を使う
洗剤や重曹も、トイレの逆流を解消するために便利な方法です。
これは、つまっているものを分解したり泡立てたりして流れやすくするためです。
洗剤や重曹を使った逆流の対処法は以下の手順で行います。
- 便器の水をできるだけ出す
- 洗剤か重曹を入れる
- 酢またはクエン酸を入れる(100mlほど)
- 泡が出てきたら1時間放置する
- あとは流すだけ
洗剤や重曹は便器や排水管にダメージを与える可能性もあるため、頻繁な使用は避けた方がよいでしょう。
方法5.真空式パイプクリーナーを使う
真空式パイプクリーナーは、便器内のつまりを吸引して取り除ける便利な道具です。
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと違って、つまりの原因を押し込んでしまう心配がありません。
また、ワイヤーブラシよりも傷つけにくいので、便器を傷めるリスクも低いです。
真空式パイプクリーナーの使い方は次のとおりです。
- 便器内の水を少し減らす
- パイプクリーナーの先端を便器の穴に差し込む
- ハンドルを握ってポンプを動かす
- 吸引力でつまりの原因が出てくるのを待つ
- 出てきたら取り除く
排水管や排水口、汚水ポンプなどが原因の場合は効果がありません。
方法6.ワイヤーブラシを使う
ワイヤーブラシは、便器内の奥にあるつまりの原因を削って取り除ける道具です。
ワイヤーブラシは、細く長い形状なので、便器内の奥まで届きます。
トイレットペーパーやお掃除シート、猫砂など削れるものがつまりの原因であれば、ワイヤーブラシで解消できる可能性が高いです。
ワイヤーブラシの使い方は次のとおりです。
- 便器内の水を少し減らす
- ワイヤーブラシの先端を便器の穴に差し込む
- つまりの原因に触れたら柄を回して削る
- 削ったものが出てくるのを待つ
- 出てきたら取り除く
硬い異物がつまっている場合は押し込んでしまったり便器を傷つけたりする可能性があるため、注意が必要です。
トイレの逆流に対処するときの注意点
トイレの逆流は、衛生面や環境面で大きな問題を引き起こすおそれがあります。
逆流した水には、細菌やウイルス、有害物質などが含まれており、感染症や悪臭の原因です。
また、逆流した水が床や壁に染み込むと、建物の構造にも影響を与えるおそれがあります。
そこでここからは、トイレの逆流に対処するときの注意点を2つ紹介します。
- 塩を入れるのは絶対に避ける
- 台風・大雨による逆流は業者でないと対応できない
1つずつ見ていきましょう。
注意点1.塩を入れるのは絶対に避ける
トイレの逆流の原因のひとつに、猫砂による詰まりがあります。
猫砂は水に溶けないため、トイレに流すと排水管に詰まりやすくなります。
この場合、塩を入れて水分を抜くという方法がインターネット上で紹介されていますが、これは絶対にしてはいけません。
塩を入れることで、排水管や下水管に塩分が溜まります。
塩分は金属に対して腐食作用を持つため、排水管や下水管がさびてしまうおそれがあります。
さびた排水管や下水管は、水漏れや破裂の危険性が高まります。
また、塩分は土壌や地下水にも影響を与えます。
塩分が多い土壌では、植物の生育が阻害されます。
塩分が多い地下水では、飲料水や農業用水として利用できなくなります。
したがって、猫砂による詰まりに対処する場合は、塩を入れるのではなく、専用の排水管洗浄剤やワイヤーなどを使って詰まりを除去する方法を選ぶべきです。
注意点2.台風・大雨による逆流は業者でないと対応できない
トイレの逆流の原因のもうひとつに、台風や大雨などの災害があります。
災害時には、マンホールに大量の雨水や泥が一気に流れ込みます。
これにより、行き場を失った水が逆流してしまうため、自分で対処できません。
災害時の逆流は、排水管や下水管だけでなく、汚水桝や下水処理場などの公共施設にも関係しています。
そのため、個人では手に負えない規模の問題です。自分で対処しようとすると、逆に汚水桝や下水処理場の機能を損なうことになります。
また、災害時の逆流した水は、通常よりも汚染度が高いため、感染症のリスクも高まります。
したがって、災害時の逆流に対処する場合は、専門の業者への依頼が必要です。
業者は、排水管や下水管の清掃や修理、汚水桝や下水処理場の調整などを行ってくれます。
また、業者に依頼する際には、費用の相場を事前の確認も大切です。
費用は、逆流の原因や規模、業者の種類や地域などによって異なりますが、一般的には数万円から数十万円程度が目安です。
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トイレの逆流を再発させないためのポイント
トイレの逆流は、衛生面や快適性にも影響するだけでなく、水漏れや壁紙の剥がれなどの建物の損傷にもつながるおそれがあります。
そのため、早急な対処が必要です。しかし、対処するだけでは不十分です。
再発を防ぐためには、日ごろからトイレの使い方に気を付けることが大切です。
ここでは、トイレの逆流の再発を防ぐために知っておくべき4つのポイントを紹介します。
- ものによって流す水の量を調整する
- 一度に大量のものを流しすぎない
- 下水マスの確認を定期的にする
- 間違えた節水方法をしない
1つずつ紹介していきます。
ポイント1.ものによって流す水の量を調整する
まず、ものによって流す水量の調整が大切です。
トイレに流せるものは、トイレットペーパーと掃除シートのみで、そのほかのものは詰まったり、逆流したりする原因となるためです。
また、便やトイレクリーナーなど水に素早く溶けるものでも、水量が少なすぎると排水管や排水口に残ってしまいます。
- トイレットペーパーは一度に5枚程度までにする
- 便やトイレクリーナーは水量を「大」で流す
- トイレタンク内に水を入れたペットボトルなどで無理な節水をしない
一旦は流れたように見えても、排水口の奥に便が残っている場合があります。
これが逆流の原因となることがあるため注意してください。
ポイント2.一度に大量のものを流しすぎない
基本的に、トイレでは流れないナプキンやお尻ふき、流さずに溜まったトイレットペーパーを一気に流すなどすると、便器内や排水管でつまりや逆流が起こります。
特に、以下のものは絶対に流さないようにしましょう。
- 生理用品やお尻ふきなどの衛生用品
- 猫砂やペットフードなどのペット用品
- スマホやボールペンなどの異物
- 水に溶けないトイレ掃除用シート
これらのものは、便器内で膨張したり、排水管に引っかかったりして、水がとおりづらくなります。
また、子どもがおもちゃを落としてしまったということもあるため、注意してください。
ポイント3.下水マスの確認を定期的にする
下水マスとは、家の外に設置された家庭から出る生活汚水を下水道へ送るための設備です。
下水マスが詰まったり故障したりすると、下水道から逆流してきてトイレが逆流するおそれがあります。
特に、台風や大雨などで土砂や泥水が下水マスに溜まると、逆流しやすくなります。
そのため、定期的に下水マスを確認して、汚れや異物がないか年に1回程度チェックしましょう。
また、下水マスから変な音や臭いがする場合は、早めに専門業者に連絡してください。
ポイント4.間違えた節水方法をしない
節水は環境保護や経済的な観点からもよいことですが、以下のような間違えた節水方法をすると逆効果です。
- 便器内で便が浮いている状態で「小」で流す
- トイレタンク内に水の入ったペットボトルを入れて水かさを増やす
- トイレットペーパーを多めに使っても「小」で流す
これらの方法は、排水管や排水口に便や紙が残ってしまい、つまりや逆流の原因です。
トイレはメーカーが適切な流水量を計算して設計しているため、正しく使うことが大切です。
トイレの逆流は、業者に解決してもらうのが最も確実です!
トイレの逆流は、以下のような原因で起こることがあります。
- 大雨や災害によって下水管に雨水や泥水が流れ込んだ場合
- 便器内にトイレットペーパーやおもちゃなどの異物が詰まった場合
- 排水溝や排水管に汚れや脂肪などが溜まって詰まった場合
- 排水ポンプが故障した場合
これらの原因の中で、自分で対処できる可能性があるのは、便器内に詰まった異物を取り除くことくらいです。
そのほかの原因は、下水管や排水ポンプなど見えない部分に関係しているため、自分では判断や対処が難しいです。
そのため、自分で対処するよりも、専門業者に依頼する方が安全で確実です。
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トイレの逆流だけでなく、トイレつまりや水漏れなども対応しています。
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