【水害復旧の施工事例】片付け作業中に発覚した約25年間の地下室浸水、住宅全体に広がった漏水・カビ被害への対応
Category
水害復旧

施工情報
施工場所
作業人数
作業時間
作業費用
施工エリア
戸建て
5名
2日
580,000円
神奈川県 川崎市川崎区
ご依頼の背景と経緯
今回ご紹介するのは、神奈川県川崎市の戸建て住宅での施工事例です。
ご依頼のきっかけは、住宅内で発生していた漏水でした。修理のために水道業者を手配する必要がありましたが、屋内には長年の生活で物が積み重なり、業者が立ち入って作業できる状態ではありませんでした。
そこで弊社にいただいたご依頼は、家全体の片付けではなく「水道業者が入れる状態まで、まず1階の生活動線を確保する」というものです。すべてを撤去するのではなく、生活に支障をきたさない範囲で仕分けと搬出を進める計画でした。
ところが作業3日目、それまで物に埋もれて開けられなかった地下室の扉を開けたところ、室内が深さ約1メートルまで浸水していることが判明します。
ご依頼者さまご自身も浸水の事実をご存じありませんでした。弊社は水害復旧にも対応しているため、片付け作業に加えて、排水作業を含む水害復旧を追加でご依頼いただく形となりました。
施工前の現場状態

玄関を開けると床面は見えず、足の踏み場がない状態でした。人ひとりがようやく通れる動線が残っているのみで、それ以外のスペースは物で埋まっています。玄関に近い場所ということもあり、堆積物の中心は靴や衣類でした。トイレは扉が開かず、内部にはクモの巣が張り、少なくとも数年以上は使用されていない様子がうかがえました。

室内にはカビ特有の刺激臭があり、目に軽い刺激を感じる程度の空気環境でした。建物の奥や地下に近づくほど臭気は強くなり、この時点で「見えていない場所に湿気の発生源がある」ことが推定できる状態です。
地下室へ降りる階段は3段目から水没しており、室内に立ち入ることができませんでした。広さは約17.5平米、およそ12畳分の空間が、腰の高さにあたる約1メートルの深さまで浸水していました。

扉が物でふさがれた「開かずの間」となっていたため、浸水がいつから続いていたのか正確には分かりません。ただし室内に残されていた木製家具が水を吸って大きく膨張していた状態や、配管まわりの状況から、約25年間にわたり水が溜まり続けていたとみられます。

水面には直接触れていない壁面や階段裏にまでカビが広がり、湿気は衣服越しに感じられるほどでした。
実施した施工内容
作業期間は合計4日間です。弊社では、汚染や臭気のある空間の復旧にあたり、バイオリカバリー®の考え方に基づいて「評価、除去、検証、改善提案」の順序で作業を組み立てています。今回の流れは次のとおりです。
1日目〜2日目:1階の仕分けと動線確保

まず1階部分の仕分けと分別から着手しました。物量の多いお宅では、衣類のポケットや鞄の中に現金や貴重品が残されているケースが珍しくありません。スピードを優先して袋詰めするのではなく、一点ずつ中身を確認しながら仕分けを進めました。時間はかかりますが、ご依頼者さまの財産を守るために省略できない工程です。
3日目〜4日目:地下室の排水と残置物撤去

地下室の浸水判明後、防護服を着用したうえで排水作業に入りました。カビの臭気が非常に強い空間であり、作業者の安全確保と、カビの胞子を建物内に拡散させないための措置です。
排水ポンプで約1メートル分の水を抜き、底に堆積していた泥と残置物を撤去しました。特に難航したのは、長期間の浸水で膨張した木製家具の搬出です。吸水により本来のサイズを大きく超えて変形しており、解体しながらの搬出となりました。
排水後の状態確認と原因の可視化

水と残置物をすべて取り除いた結果、それまで見えなかった建物の状態を確認できるようになりました。階段の隙間からは現在も水滴が落ちており、位置関係からトイレ系統と推定される排水管の周辺にも水滴が確認されています。臭気の質からも、この排水管まわりが漏水源のひとつである可能性が高いと考えられます。
ただし、漏水は地下室だけでなく上階でも発生しているため、この一箇所だけが原因とは断定できません。住宅全体を確認したうえで判断する必要があります。
今回の作業のゴールは、修繕そのものではなく「原因の特定と環境改善の提案ができる状態を作ること」でした。物と水に覆われたままでは、どこから水が来ているのかを調べることすらできません。1階と地下室を空にしたことで、ようやく建物の診断が可能な状態になりました。
まとめとご依頼者さまの反応
約25年間、誰にも気づかれずに進行していた浸水被害でした。
扉が開かない部屋がある、家の中にカビの臭いがする、といった状態は、今回のように建物内部で被害が進行しているサインである場合があります。
弊社では、片付けて終わりではなく、被害の原因を可視化し、その後の修繕や環境改善につながる状態でお引き渡しすることを施工の基準としています。
今回のご依頼も、入口は「業者を入れるための片付け」でした。そこから浸水の発見、排水、原因の可視化まで進められたのは、最初の一歩を踏み出していただけたからです。開かない部屋や気になる臭いなど、小さな違和感の段階でかまいません。
住まいの状態に不安を感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
実際の作業の様子は、こちらの動画でご覧いただけます。1階の片付けから地下室の排水、搬出完了までの4日間を記録しています。
水害復旧でよくある質問
Q. 浸水した部屋の水は、自分で抜いてはいけませんか?
長期間滞留した水は、水損復旧の国際規格であるIICRC S500の分類で最も汚染度の高い「カテゴリー3」に該当し得る汚水で、カビや細菌、配管由来の汚染を含むおそれがあります。また、建築基準法で地階の居室に防湿・換気の措置が求められているとおり、地下は本来空気がこもりやすい空間です。有機物の腐敗(水に浸かった家具や泥、残置物の分解)などで酸素濃度が低下している危険もあり、防護具や測定なしでの立ち入りは健康被害や事故につながります。水中に沈んだ物で怪我をする危険もあるため、専門業者への依頼をおすすめします。
Q. カビの臭いがするだけでも相談できますか?
ご相談いただけます。今回の事例のように、臭気は見えない場所で進行している被害のサインであることが少なくありません。原因の心当たりがない場合こそ、早めの調査が被害の拡大を防ぎます。
Q. 片付けと水害復旧をまとめて依頼できますか?
可能です。今回のように、片付けを進める過程で水害が見つかるケースもあります。弊社は片付け、排水、消臭、除菌までを一貫して対応できるため、複数の業者を手配していただく必要はありません。
Q. 作業にはどれくらいの期間がかかりますか?
物量や被害の範囲によって異なります。今回の事例では、1階の片付けと地下室の排水、残置物撤去まで合計4日間でした。現地確認のうえで、事前にお見積もりと作業日数をご提示します。
Q. 漏水の原因調査や修繕もお願いできますか?
まず片付けと排水によって「調査ができる状態」を作り、そのうえで原因箇所の推定と環境改善のご提案を行います。修繕工事についてもご相談ください。






